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映画批評〜君たちはどう生きるか

箸休め回です。
眠たくなるまでの限定で書きます。
ネタバレしまくってるので閲覧注意です。
見たくない人は引き返してね🙏











まず、今までの駿さんの映画と大きく何が違うかというと、それは解釈の幅だと言う事を前提としておく。

今までは、言うなれば一本道で、これはこういう表現だよ!とわざわざ説明していたし、こうあるべきだ!!みたいな説教じみた表現で解釈の幅が狭かった。こう書くと悪く聞こえそうだけど、批判ではない。
映画において、観客に次は何を見せ、何を取捨選択して伝えていくのかというのは、必ずついて回る映画人の永遠のテーマだからだ。
伝える、ではなく伝わることが大切だということだ。
そしてその【塩梅】こそが最も表現の難しい所でもあり、醍醐味でもある。

それは商業映画と総合芸術と呼ばれる映画との境い目にも関係してくるのだけれど、駿さんはそういったある種伝わる部分は無視してこの映画を作っている。
総合芸術側の作品という訳だ。
なので私はこう解釈したけれど、人によっては全然違って良いし、好き勝手に言っていいのだ。それが映画なので。
そのうえで好き勝手に批評していく。


この映画は駿さんの自伝的物語である。これはもう間違いない。それを踏まえると以下の様になる。

眞人=かつての駿さん、これからの俺たち(創作者)

ジジィ=これまでの先輩(創作者)、今の駿

青鷺=鈴木敏夫

お母さん=高畑勲

新しいお母さん=不明、本当の駿さんのお母さん?

ばあちゃんズ=駿さんの同期の仲間(女性たちのみ)

キリコさん=同期の仲間でもあった駿さんの奥さん

インコ=今のアニメーター達

インコ王??(積み木を叩っ斬る存在)

塔=手塚治虫、ディズニー、漫画やアニメの存在

墓=不明

光らない石、積み木 アイディア、作品 宮崎駿単独の監督作品はこれまで13作(偶然っぽい)

光る石 創作の魅力、魔力、才能の様なもの

見守る人形=不明

まあ、とはいえ、シーケンスによってコロコロ変わっているようにも見えたので、無理に当てはめる必要もないのだとは思う。


まず、物語序盤における主人公だが、これは幼少期の宮崎駿そのものだ。今から私の人生を物語にしますよと、わざわざ観客に向けて名言している。
ここについてだけ、解釈の幅は無い。単なる親切心みたいなものだろう。根拠は幾つかあるのだが、Wikipediaで駿さんの生い立ちを見れば全く同じ境遇であることがわかる。

ストーリーの細かい事象は面倒なので省くが、火事のシーンでのアニメーションは流石としか良いようがなかった。モブの表現も唸る表現方法だった。やっぱり、動きを付けて凄いのはディズニーと駿さんなのだ。

そして、新しい住処にて、君たちはどう生きるかという本を読んで感銘を受けて涙する。一つ目のプロットポイントだ。
ここからそれまで新しい母に対して拒否していた感情から、新しい母を探しに行く様に成長していく。

塔については、その昔大叔父様の時代に空から降ってきたとされている。
塔が降ってきた時の衝撃や、爆心地かのような跡から察するに、恐らくあれはディズニーか手塚治虫のどちらかだと思う。多分手塚治虫。大叔父様も宮崎駿なので、創作(手塚治虫)との出会いの衝撃をあのように表現したのだと思う。
物語では大叔父様がその塔に魅せられ、中に入って帰ってこなかったとされているのだが、要するにあの塔は創作への入り口にもなっているということだ。

本当の母は高畑さんなのでは?と思い見ていた。宮崎駿が憧れて嫉妬した、追いかけても追い付くことが叶わなかった、唯一とも言える存在だ。
高畑勲という人の作るものは本当に凄い。なにが凄いかと言うと、冒頭で書いた【塩梅】の部分だ。ストーリーとして決して観る側に一切の疑問を抱かせる訳ではなく、それでいて信じられないくらい比喩や暗喩を始めとする、文化的とも芸術的ともとれる表現が散りばめられていて、それがまたストーリーをより良いものへと導いている。お芝居にはサイズがある。宮崎駿のお芝居は舞台のようなもので、より細やかな芝居を付けるのが高畑勲、動きが宮崎駿なら、内容や表現は高畑勲なのである。

青サギは恐らく鈴木敏夫だ。駿さんにとって唯一友達と言える存在で、それでいて大叔父様の手先のような存在でもあり、主人公という同じ才能を持った後継者(血筋のもの)を招き入れようとしたり、母親がまだ生きているんだという事を言う。

婆ちゃんズに関してはぶっちゃけよく分からん。今作では大量に描くものが多く見受けられるのだが、婆ちゃんズもそうだ。あんなに沢山必要なのか?と思う。普通脚本書いてたら人物増やすのって嫌だと思うのだけど、、。初見はドリフターズに見えた。
キリコさんへの対比というだけの存在にしては強すぎるし、正直あれはなんなんだという腑に落ちない点でもある。
その中で異彩を放つキリコさん
明らかに他の婆ちゃんズとは違う。
肉体的というか、背筋もピシッとしていて、反応速度がはやい。
今作ではヒロインが出てこないことから、あれは嫁さんなのかな?と思って見ていた。


だめだ書いていてめちゃくちゃ眠くなってきた。

簡単に言うとおれこれで良かったんか?って事なんじゃないかと。
おれここまで突っ走ってきたけど、よく考えたら原点ってあの本やったなって思い出して、
後悔とかはないけど、違う生き方もきっと出来た筈で
それを囚われた考え方になりがちな、若い人達にも一応伝えとくかー
みたいな
そんな映画なのだ。
そして引退宣言映画と言うことは間違いのだと思う。

だめだ寝るー💤

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