池上彰のやさしい経済学しくみがわかる 日経ビジネス人文庫(2)
2022読書の秋のキャンペーン。このキャンぺーン「今こそ読んで欲しい、この本」とある。しかし、特に縛りらしいものはないようなので、読者側からあえて、逆提案させていただく。「(著者、出版社に)今こそ読み直してほしい、この本、この箇所」と言うテーマで書きたいと思う。
日経ビジネス文庫「池上彰の1しくみがわかるやさしい経済学」に続いて、「池上彰の2しくみがわかるやさしい経済学」である。11月20日に書店で購入し読み始めた。引き続き、著者および出版社に問うてみたい。
1.福祉と赤字国債
著者は、銀行の実務を完全に勘違いされているのではないか。市中銀行は、我々から集めた銀行預金を使って国債を買うのではない。日銀当座預金で国債を買うというのが事実。それが以下のリンクである。
上記リンク(日本銀行金融研究所HP・日本銀行の機能と業務)第4章 「決済と日本銀行の役割」pdf文書、2.日銀当預の提供の項目で、「国債の発行・償還に伴う資金の受払いなども,日銀当預の入金・引落しによって決済が行われている。」
と言う説明がされている。そもそも、国債購入のための資金は、我々から集めた預金でははないことがわかる。
2.赤字国債はいくらまで負担できるか
著者は、この書籍を著作した当時は、10兆円弱までしか国債は発行できないと主張している。これも、事実とは異なるのではないか。国債発行から政府支出への仕訳はこちらの動画が上手くまとめられている。参考にされたい。
国債発行から政府支出するまでを追わなければならない。すると、市中銀行は、持ち出しは一切なく国債を購入できる。そして、その結果どうなるか?
何のことはない、我々の銀行預金が増えるだけのことである。結果は、真逆のことが起きるわけだ。
「政府が国債を発行すると、民間の銀行預金が減る」のでははなくて、
「政府が国債発行、政府支出をすると、民間の銀行預金が増える。」のだ。
皆さんは、どう思われますか?