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シティー・トゥー・サーフ 〜オーストラリア最大規模の市民マラソン

毎年8月オーストラリア、シドニーでCity to Curfと呼ばれる市民マラソンが開催されます。参加者は約8万人と世界でもあまり類をみない規模の大会であり、シリアスランナーからお祭り気分の方まで参加者は様々です。
コースはシドニーの中心をスタートし世界的にも有名なボンダイビーチでゴールします。約14kmのコースには激しいアップダウンも含まれ、中でも約2km続くハートブレイクヒルと呼ばれる坂はコースの名所でもあります。

そんなCity to Surfのレースに私も2015年に参加しました。シドニーに引っ越してきて数日後だったため、まだシドニーの地形もよく理解できておらず、もちろん知人もいませんでした。

会場に到着すると参加者で混雑しており荷物を預ける場所が見当たりません。スタート場所もゼッケンの色で分けられているようにナンバー毎に荷物の預け場所も違います。人に聞いても帰ってくる答えが色々で中々たどり着けません。いつもながら思う自分の準備不足でした。ようやく場所を見つけた時には締め切り時間が過ぎておりゴールへ荷物運ぶバスはすでに出発していました。
ということで頭の中で浮かんだ選択肢は棄権するか、リュックを背負って走るかのどちらかです。昔じいちゃんが若い頃は荷物を見てくれる人がいなかった時に風呂敷に荷物を包んで背負ってレースを走っていたという話を思い出し、やるしかないと決意しそのままスタート地点へ。幸いにもランニング用のリュックでしたが財布やシューズ、ウェアなど色々入っており2-3kgはあったと思います。

ここまでマウイ島での野宿、カナダでフェリーがギリギリに到着するなど色んな経験があったせいか、すぐに現実を受け入れてできることに目を向ける能力が養われていたようです。

自分自身に「何も背負ってない、いつも通りの軽さだ」と言い聞かせ平常心を保ちます。学生時代のタイムで申請したためSeed枠を確保し最前列のスタートを確保していました。当然ながら最前列に並び荷物を背負っているのは私1人です。
覚悟を決めスタートの号砲を待ちます。当時の練習具合から1km3分15秒平均くらいで走れれば上出来でした。スタートしてすぐは下り坂のためみんな勢いよくスタートします。

スタートを切ると思ったほか荷物の重りを感じず以外に快適に走れている気がしました。集団について順調に進みます。5kmをおおよそ16分20秒くらいで通過しほぼ予定通り走れているなと思ったのもつかの間、6kmを過ぎると名所ハートブレイクヒルがやってきます。

荷物の重力をより一層感じ始め集団についていけません。徐々に気持ちが切れてくるとリュックの摩擦で肩がすれていることに気づき地味な痛みまで感じ始めました。さすがの名所ハートブレイクヒル。完全に私はハートブレイク状態になりレースを諦めます。

そこからは1km4分ちょっとのペースに切り替え(それでも結構きつかったです)レースの雰囲気、シドニー郊外の町並みを楽しみながらゴールを目指しました。
記録は50分26秒と予定よりも大きく遅れましたが、無事完走です。

レース中に気づいたことは参加者に対して沿道の人の少なさです。これは海外のロードレースに参加するたびに感じるのですが日本のマラソン人気が如何にすごいのかが分かります。

最後はひたすら下り坂が続きついにゴールのボンダイビーチへ。少々ほろ苦いオーストラリアでの初レースでしたが事前準備の大切さを再確認した日でもありました。

ビーチ沿いには色んな屋台が並び食事を楽しむ人々で賑わっていました。参加者は電車の無料券が配布され街に戻るのも心配は要りません。

優勝賞金もそれなりにあるようですが、オーストラリア国内のトップランナーも出場するためレベルは結構高いと思います。

本気で挑戦しても、観光ついでに参加しても楽しめるCity to Surf。
私も前回のリベンジでまたいつか挑戦できればと思います。

日常からの学び、ランニング情報を伝えていきたいと思います。次の活動を広げるためにいいなと思った方サポートいただけるとありがたいです。。