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リレーマラソンと人との繋がり

国立競技場で行われたリレーマラソンに出場してきました。

1周1.4kmのコースを30周(42km)を9人のメンバーで繋いで走りました。
東京農大のOG、現在指導中の方々、そして以前に仕事で付き合いのある方々と混同したチーム編成です。

「みんなで楽しく42kmを走る」そんな思いを胸に抱いて誰もが当日を迎えたと思います。

そのため「速く走れないのでゆっくりでもいいですか?」そんな声もスタート前に聞こえてきます。

実際に私自身も走る直前までは頑張って走るつもりはありませんでした。みんなが楽しく、程よいペースで走ってもらえれば十分でした。

会場はお祭りのような雰囲気でクラブチーム、仲間同士、会社の集まりなどグループも様々です。

スタート30分前にはトラックがウォーミングアップとして利用でき、たくさんの人がトラックを走り人の列がトラック中を途切れることがありません。

15分前になるとウォーミングアップも終了で第一走者がスタート地点に集合します。

スタートの号砲がなると勢いよく第一走者の人たちがスタートを切ります。

しっかり練習を積んできたであろう上位を目指すランナー達が前方に位置どり、競り合うようにトラックから外周へと飛び出します。

リレーゾーンで待ち受ける仲間達の声援も飛び交い、一段と会場の雰囲気も盛り上がってきました。


人数が多いためチームの人を見つけるのが少し大変です。


競技の駅伝とは異なり、お祭りのような状況ですがいざ自分の番が回ってくると少し緊張モードになる様子が伺えます。

さて一人目が頑張って走ってくるとその影響が周りにも伝達するものなのか、第二走も結構必死になって走ってきました。

おおよそ戻ってくる時間を確認するために押したストップウォッチですが、やはり誰もが自分のタイムが気になるのでしょう、メンバーとの比較や自身の1回目と2回目の違いが意識し始めます。

電光掲示板には周回ごとのチームの順位も反映され出します。順位のためではないとはいえ、やっぱり少しは気になります。誰だって少しでも上の方が気分はいいものです。

さて前半の走者が頑張って走る姿を見ると、後半の走者も頑張らないといけないと思うのか、頑張りたくなるものなのか、次第に気合が入ってきます。

みんな1回目が終わると「きつい、あと2回も走るのか」など少し弱気の発言もしっかり2回目、3回目もペースを上げて頑張ります。


大会でのペース配分の難しさはどうしても周りにつられてしまうことにあります。走る前までは「ゆっくりで行こう」と本気で思っていても、環境の影響は大きくついつい飛ばし過ぎてしまうことも珍しくありません。これは経験を積んだランナーにもよくあることです。

実業団の選手達でもペースを上げ過ぎないようにするのは難しかったりもします。

そんなこともありゴールしてみると「結局頑張って走ってしまった」なんてことに。

それでも「きつい、もう無理」の言葉とは裏腹に表情は至って清々しさが見て取れます。


みんなのサポートをしつつ、なんだかんだ言いつつ頑張るんだよなと内心思う私にもついに順番が回ってきました。

トラックに出るとなんだか不思議と高揚してきます。

襷をもらい落ち着いてスタート。走り出すとペースは違えど必死になって走るランナーを抜かすとなんだが自分もその域で走ってみたいと思うものなのか、次第に走りのリズム良くなりどんどんペースが上がります。

「まだペースを上げれるな」と感じるも最近はジョグしかしていないせいか、しっかり練習している時ならもう少し追い込んでいけるとこと、本当に苦しい一歩手前で身体がブレーキをかけているような感じでした。

それでも決して楽とはいえないペースで頑張って走ります。

1回目が結構きつかったので2回目は少しペースを抑えて走ろうとゴール後は思いますが、みんなと同じで2回目はもう少し頑張り、3回目は渾身のラストスパートまでかける始末に。

それでもゆっくり楽しく走ればよかった、などの後悔はありません。それなりに必死になって走ることで生まれるチームの連帯感というのがあるのでしょう。それはチームみんなが同じように感じていたと思います。3回目が終わって楽をすればよかったと思う人はいません。

こういったのを走る楽しさの矛盾というのでしょうか。

人の行動とは不思議なもので環境、目的、人とのつながり、いろんなものが作用して決まると思うので、他人からは理解し難いのだと思います。

最近はランニングを通して一番私が達成したいことはなんなのか考えることが増えてきました。

今は自己ベストの更新や誰かに勝ちたい、大会で入賞したいなどの目標はありません。指導するランナーが目標を達成する姿を見るのは素晴らしいものです。でもそれも最終目標ではありません。

やはり「人との繋がり」これが1番のように思えます。

今回のリレーマラソンにしてもチームの仲間と一番繋がりを感じられる方法はゆっくりマイペースで走ることではなく、一緒に苦しんでみる、というのを自然と無意識ではあるものの、内心分かっていたのかもしれません。

記録更新など目標を持つことが必ずしも大切とは思いません。目標に執着し過ぎて楽しさを見失ったこと、人間関係を悪くした経験もあります。
ただタイムを測る、記録を比較するなども上手に使えば楽しむ上で役に立つと思います。

ランニングに関わること全てが楽しいわけではありません。つまらないと思うことも結構あります。楽しい、楽しくないかは特定の何かをやることではなく、その場で繋がりを感じられない時なのかなと思います。

いろんなことを考えさせてくれた、いい1日でした。

日常からの学び、ランニング情報を伝えていきたいと思います。次の活動を広げるためにいいなと思った方サポートいただけるとありがたいです。。