【感想】鬼滅の刃 3話見た

メモだけとって行動できない奴

 主人公の性格を逆手にとって、それがネックになって修行が完了しないことを納得させる手法が上手い。主人公は修行中、欠かさず日記を書き、どんな修行を行なってきたか書いてきた。そして、師匠が最後の課題を出したあと、何も教えなくなった時、その日記を頼りに修行を続ける。しかし、それでも最後の課題はクリアすることはできない。

 勉強や仕事で、ノートを取っただけで、身についていない人が時々いますが、それに類推させる内容で、親近感が湧いた人もいるのではないでしょうか。黒板に書かれた内容をノートに転写するだけでは、身に付かない。理解しなければ、すっぽり頭から抜け落ちてしまいます。
 仕事上でも、メモをとって、それでおしまいという人がいます。新人などで、メモ(会議の議事録)など取らせると、とるだけに集中してしまい、なぜそれをしているのかと言う意味づけに気づけない。メモを取ることで、仕事の流れを覚え、独り立ちするときのケースモデルを自分の頭に構築する。メモだけとっても、そこまでの思考はできないでしょう。目撃するものを紐付けていく過程が、頭の中に必要なのです。

 余談が過ぎましたが、主人公もその罠にかかってしまいました。真面目、と言うキャラ性にマッチしていますね。視聴者も納得できる展開です。やっているが、できていない。頭でわかる、は、知ることではなく、実行することでしょう。

 ライバル?キャラとサポートキャラが登場し、主人公の欠点を指摘し、わずか10分で、それを克服できる・克服したように見せる演出は、見事なものでした。

テンポの良さ

 オープニングを含めて開始9分で半年経過、10分で1年経過しました(なんと20分で2年!)。このテンポの良さは、視聴者を飽きさせませんね
 修行シーンとは、得てしてつまらないもの(と言っても、今のアニメは、結構テンポ良いですね)。それを、ギャグと、ライバルキャラの登場、適度なバトルを交えて、わずか20分で済ませるのは素晴らしいですね。

 ハンターハンターなどでは、修行期間をすっ飛ばして、出発シーンを見せてましたが、ある程度、時代背景があるものですし、滅鬼隊?という、視聴者にとっても得体の知れない目標に向かって主人公を走らせるなら、どこまでトレーニングしなければならないのかを示す必要があります。

 だいたいこれくらいの修行を積んで、最終課題を達成しなければ、目標には到達できないことが、修行シーンを通じてわかるでしょう。ある意味、普通の人が入れないグループであることを説明することにも役立っています。
 修行内容も、普通ではありませんでしたしね。

 1話から3話まで見てきましたが、構成とテンポがとても良いですね(主人公が内省的と言うのも良い役割を果たしています)。

内容

 さて、内容にも少し触れておきましょう。

 正直王道ですね。ドラゴンボールで、武闘大会に出場する前のトレーニング期間があるように、まさに3話でトレーニングシーンが登場するのは王道です。1話でトラブルと最終的に達成しなければならない目的が示され、2話目で達成できないとどうなるかを示す(妹を殺し、自害する)。1話目で目標となる人物と出会い、2話目で師匠と出会い、3話目で修行開始。
 話の広がりの速度も、テンポ良く飽きさせません。そして、この段階まで視聴者は物語のいく末と、避けなければならない未来を理解しています。先の展開もある程度予測できる伏線が貼られており、期待を持って視聴できます。
 この期待感が、人気に一役買っているのかも知れませんね。

 そういえば、滅鬼隊?に入るためには資格試験を受けなければならないと言うのは、HUNTER×HUNTERでしょうか。各所に、王道ジャンプものを匂わせるネタが仕込まれていますので、それも、そそられますね。

 これまでの王道ネタではないものを仕込みつつ、王道の構成とネタを展開する。うーん、唸りますね。

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