見出し画像

沢城みゆきの不二子が、嫌な理由

 生理的に受け付けません。沢城みゆきの峰不二子が・・・。

 しかし、峰不二子というキャラクターは、そうあるべきキャラクターなので、上手く演じているとも取れるでしょう。

これまでルパン三世TVSPシリーズを1〜21作まで見て、声優が変わった22作目「血の刻印」を見終わった感想です。

本当の悪女

 2代目峰不二子は、セクシーですが、悪女ではありません。ルパン三世を騙しますが、騙した後の様子がコメディーに振られているため(札束を撒き散らし、「きゃーお金よお金!」と狂喜乱舞するなど)、騙した後の後味が悪くありません。
 しかし、沢城みゆきの演じる峰不二子は、計算高く、したたか。コメディ色が薄めで、失策をしてルパンに言い寄るときも、色気があっても愛嬌がありません。つまり、心の底ではまだ悪巧みを考えてるな、と勘繰ってしまう人物になっているのです。

 これは沢城みゆきの演技だけによるものではなく、演出上そうなっているという点にも注意しなければなりません。コメディ要素をもっと入れなかった監督の責任もあるでしょう。
 ですが、もう一度声だけ聞いてみましょう・・・。もう声だけで末恐ろしさが伝わってきます。作られた色気。本物の悪女ゆえに、生理的嫌悪感を感じてしまうわけです

ジブリに媚びた#22

 千と千尋の神隠しの「ここで働かせてください!」を彷彿とさせる「弟子にしてください!」に苦笑しました。作画に入っている人が、スタジオジブリ出身者の大物ですのd、キャラクターが宮崎駿風になってしまうのは仕方がないにしても、まんま宮崎駿じゃあ狙い過ぎてて反吐が出ます。

 カリオストロを彷彿とさせるデザインで、お客が喜ぶと思ったのでしょうか? カリ城が良かったのは、キャラデザではなく、お話です。見た目が同じなら、それで良いという話にはならないでしょう。
 本作のデザインワークスには、監督やデザイナーの芯が入っておらず、観客に媚びる内容でいささか不憫に感じます。カリ城に寄せるのは構いませんが、まんま同じじゃつまらないでしょう。寄せつつ、本作のオリジナリティを出してもらいたいものです。

 決してジブリのキャラデザが、ルパン三世のかっこよさを表しているわけではありません。カリ城は、宮崎駿が作ったから、あの形になっただけです。これまでのルパンを見直せばわかるとおり、担当する監督の作家性によって、方針が変わっています。
 ルパン三世という同じ題材を使いながらも、それぞれの監督、作監などが、自分なりの解釈で、昇華して表現してきたから、多少つまらなくても見れたわけです。しかし、お客に媚び売るような表現は、流石に目に余りますね。本人たちにその意識がなかったとしても、画面については、不快感を覚えました。

今風のお話

 さて、画面の不快感をあらわにしたところで、実際にお話は面白かったのでしょうか?

 結論を言えば、面白い部類に入ります。

 しかし、不満は残ります。玄人向けに寄り過ぎていて、スカッとする演出が少ないところに問題を感じました。
 キャラクターの入り乱れ方や、場面の切り替え方などは、ちょっと気取っていて今風(スタイリッシュと呼ぶべきか)。アニメを見る層が、年齢が高いことから、そういう演出にしたのかも知れませんね。または、人気声優を起用しているため、視聴者層をこれまでの層と別に想定しているのかも知れません。

 コロコロコミック系の要素がなくなり、ガンダムエースっぽくなったと表すべきでしょうか。少年ジャンプとは違いますね。なろう系のラノベで、異世界転生モノがありますが、異世界に送り込まれた主人公が、「ああ異世界転生ものね」と達観する白々しさがあります。

 結論を先に示した通り、全体的に、面白いのです。しかし、演出の度が過ぎれば、作り物臭が臭すぎる・・・。


 個人的に合わなかっただけで、面白くないわけではありませんので、好む人はいるでしょうね。上記は、あくまで、個人の主観的な感想ではあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?