【感想】ルパン三世 the Last Job #21 【アミノテツロ監督】

 本作は、事前にスタッフを確認してから視聴しました。

アミノテツロ神 再臨

 アイアンリーガー、あしたへフリーキック、マクロス7、レッツ&ゴーなど、自分好みの作品を作られた監督のため、面白いだろうと非常に強いバイアスのもとで視聴しましたが、期待は裏切られませんでした。素直に称賛ーー面白い!
 最後の設定は、ファンタジー(SF)になっており、どうかと思いましたが、トータルでは満足の1本です。

 ほんと、この監督には裏切られませんね。
 wikiを見ると、パチンコ機や季刊雑誌のマンガと登場人物がリンクしていたそうですが、そういう複数の要素をシンプルにわかりやすくまとめる手腕は、一流です。(実際の要素が、どこまで複雑だったかは、知りませんが・・・)

 感想を書くと、監督絶賛にしかならないため、少し作品に言及していくと・・・。

無駄のない演出・編集

 アクションシーンが、アクションを見せるためだけのシーンになっていません。無理にスケボーさせたり、爆破させたりするのではなく、一連の流れに無理がなく、視聴していて心地よさを感じます。
 例えば、視聴者がバトルシーンで熱くなるから、それを多めにとか。監督が何でもかんでも爆発させるのが好きだから、とにかく派手に爆発させるとか。演出上の恣意を感じることなく、アクションシーンを楽しめる。見せるためのシーンではなく、物語の中に必然的に組み込まれた動きをカメラが追っている様子が、とても自然で視聴者をどっぷりと引き込みます。(監督が絵コンテを全部担当してるから当然・・・)

 また物語に必要な要素・情報をアクションの合間に織り込んでいくところも良いです。視聴者が混乱しないバランスで、アクションと情報が混ざり合い、飽きることなく視聴できます。大袈裟かもしれませんが、カリ城に肩を並べる程の演出力では、と絶賛してしまいますね。

ロマンと因縁

 前作以前の小物感は、物語のロマンと、悪役のキャラが立っていないことが原因でしょう。今作は、秘宝に歴史観と謎が織り込まれ、盗んだ後のロマンがあります。妖刀も登場し、若干ファンタジックではあるものの、それもまたいい味を出しています。

 悪役も、その道に殉ずるに相応しい因縁を持っています。単純に欲に囚われて、悪事を働くよりも、血の宿命ともいうべき必然に駆られてやる方がキャラが立ちます。そして、敵が強いというのも、緊張感があって良い。ラスボス以外も強くキャラ立ちしているため、それぞれ倒しがいがあります。

 世界観(ロマン)、悪役とその他の要素をまとめる監督がいいと、作品の質が高まりますね。この作品も、その好例です。

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