【朝支度】白のMINKA
良いホテルに泊まると、心が洗われませんか。
素晴らしい空間に、素晴らしいスタッフのサービス。
大切な人と泊まるのも良いし、一人で過ごすのも良い。
ホテルには百人百通りの過ごし方があってそれも良いなと思うんです。
お久しぶりの方も、初めましての方も。
おふろcafé utataneというおふろ+カフェ+ホテルの施設でホテリエをしているぐちこです。今回もホテルへの愛を綴っていきたいな〜と思ってます。
そういえばこの前、ホテルみるぞーさんがtwitterで宿泊記を上げられていましたね。そこで宿泊記を『宿へのラブレター』って表現をされていて。
正直、これはやられたなぁ....と思ってしまいました。愛を伝える手段でラブレターをチョイスするあたり、素敵すぎますよね....
愛って周りに伝播するんです。
言葉選びからでも愛があるかどうかは伝わります。
みるぞーさんにはまだまだ敵いませんが、僕は僕なりの愛を表現して、
魅力が伝わる人が一人でも増えればなと思っています。
というわけで、早速参りましょう〜
こういう宿泊記がもっと色んな人によって書かれていくことを願って。
こんなに素敵な場所ならもっと早く知りたかった....
伝えたい思い
HPに記載されているホテルコンセプト。
お客様にどんな世界観を体験していただきたいか、
どういう過ごし方をしていただきたいかが記されています。
僕が思うに、ホテリエにとって、一番伝えたいことがこのコンセプトです。
(HPより抜粋)
日本人の生活の場にあった「小さな民家」をもとに
日本文化の深化と北欧デザインとの融合。
自然と人の共存の中で、これからの自分と出会う場所。
出逢う人、もの、空間、そして食。そこに宿るなにかによって
ライフスタイルを少し美しくしたくなるような・・・
非日常でありながらも今とこれからを見失わない・・・
スローかつクリエイティブな感覚を誘う大人のための宿です。
温故知新、日本文化の深化と融合、
そして自然素材とアートの美の中に身をおきながら
それぞれの時を過ごすことができます。
静岡県の都田という地域で営んでいる『白のMINKA』
田園風景に囲まれた都田の風景が今にも想起されるようなコンセプトです。
この宿で面白いのが、上記のコンセプトは別に
Story of Birthという背景が記されていること。
名前の由来について都田の地には、
いくつかの白ギツネ伝説の言伝えがあり、
そのすべては生活者の日常に「心の幸せをもたらす」というもの。
そして、自然と地域と共存しながら
集落を形成し人々の暮らしの場として存在した日本の民家。
これらから、心を満たす幸せへのライフスタイルを発見する場という
意味を込めて「白のMINKA」と名づけられました。
この宿は、ドロフィーズが運営管理をしています。
ドロフィーズは天竜浜名湖鉄道を走る列車「レトロ・ドロフィーズ」
「都田駅カフェ」など地域資産をリバリューし、住民とともに共存しながら都田の一角にドロフィーズキャンパスを中心としてスローライフを感じられる場所をつくっている地域に根ざした会社であります。スローライフを感じられる場所をつくっている地域に根ざした会社であります。
地域住民と感謝でつながる関係性の中で共存共栄による
価値の再定義により、使われなくなった古きよきものに
デザインを吹き込みながらもそこに宿る普遍的な価値を後世に伝承していく
取り組みの一環として、この地にうぶ声を上げました。
その価値とは、
環境に優しいこと
長く大切に使えること
シンプルで飽きがないこと
つながりを大事にすること
心と身体に優しいこと
丁寧な暮らしを大切にするという小さな実践がスローライフなのです。
慌ただしい日々を忘れてしまうような時間がそこには流れていました。
頭ではなく、身体全体でスローライフという単語への理解ができる場所です。普段バタバタの朝支度、なんで朝ってあんなに時間がないんだろう。
でもここなら、時間にも自分にも余裕を持って朝を迎えることができます。こんなにも朝って時間があったのかと、きっと驚くと思います。
出逢い
静岡駅で降りて、ローカルバスに乗ってどんどんと山の方向に進む。
駅前の街からどんどん地方の住宅地を進み、山の中へ.....
山から拓けた田んぼにちょうど茜色の夕日が差し込む景色を見ていると
降りるバス停が。田舎のポツンと存在するバス停から坂を下り、田んぼの中の一本道を渡るとそこはありました。
名前に惹かれて
ホテル選びの基準は人それぞれ。
場所、アクセス、コンテンツ、スタイル、客室タイプ、コンセプト、価格。
白のMINKAとの出逢いのきっかけは、静岡に旅行行こうと決めて、
ホテルを探すところから。インスタでの検索でした。
今回は珍しく、場所から。
出逢いなんてどんな形でもいいのです。
出逢ったこと自体が縁であって、奇跡のようなものだから。
それよりも大事なのは、自分なりの大事にしたい軸で決めること。
そして何よりも、当日、宿の魅力を最大限堪能することです....!!
今回ここに決めたのは宿の、そして部屋の名前に惹かれたから。
ホテルとかではなく、MINKAとしているところだったり、
民家ではなくアルファベットでMINKAにするかわいさだったり。
そして何より、知らないところを開拓した感じか良かった笑
様々な客室がある中で、今回宿泊したのは『KUSA/草』というお部屋。
SORA/空とかカッコ良いんですけど、自分にはカッコよすぎるな...と思って、等身大の自分にあった草に。隠れ家のようなサムネにも惹かれました!
実際、力強い二本の梁が特徴的で、草のような生命力が感じられるお部屋。
実は古民家から再利用したものだそうで、
白い壁はもちろん、コンクリートの床との対比が美しい...
宮大工の施工によるお部屋のつくりだからこその
日本の自然を基調にした美しい名前。
その名前にふさわしいお部屋の数々。
名前を体現した空間には正直、うっとり....
時間を過ごせば過ごすほど、名前がもつ不思議な力が伝わってきて
こだわりが隅々から感じられるそんなお部屋でした。
(実は左の照明とか、家具は全部気に入ったら購入できるのです....!)
他にもいろんな名前のお部屋があるので、
自分にぴったりのお部屋を見つけてみてくださいね!
KAZE/風 KAWA/川 TANI/谷 SORA/空 KI/木
KUSA/草 HANA/花 UMI/海 YAMA/山 TEN/天
空気と時間が澄んだ朝
宿の周りが田んぼや山だからか、本当にぐっすり眠れるんですよね....
そんな眠りから覚め、小さなドアを開けたその先は
澄んだ世界が広がっていました。
実は、客室が道路を挟んで2棟に分かれているんですが、
僕が泊まった宿泊棟の一階にはフリースペースが。
(もう一方にはフロントとレストランが併設されてます!)
よくある宿泊者限定ラウンジとは違って、
ここはなんか懐かしい感じがしたんですよね。初めてなのに。
常にオープンなので、誰でも入れます。
でもそれが理由じゃないんだよなぁ....
そんなことを思いながら写真を見返し、この宿泊記を書いていたら
ちょっぴりだけ理由がわかった気がします。
自転車とか、ストーブとか、写真とか、絵とか、専門書とか、雑誌とか。
日本ではなく、外国の家っぽい。でも実家のような温かみのある場所。
だからMINKAはアルファベットなのかな.....
手が込んでいる感じと生活感がある感じが絶妙なバランスなんです。
ハイライト
【ここを見て欲しい!ポイントその1】
蔵の中の小さな本屋さん
白のMINKAの特徴は、ホテルやショップ、レストランなどが一つのエリアの中に点在していて、村のような世界が存在していること。
住宅を立てるハウスメーカーだからこそ、いろんな建物が立っているのですが、その中で既存の建物を尊重したのがこの本屋さん。
北欧のスローライフを目指しているドロフィーズさんらしい、選書。
蔵の中は本当にこじんまりとしているのですが、レジの上を通る小さな階段を上ると、そこには畳の空間が。
ある種秘密基地のような空間でゆったりと本を読んだり、手紙を書いたり。
僕が行った時は、『国境を越える手紙』と評して、30年後の自分に宛てた手紙を書くというPOP-UPがありました。
30年後って、50代.....
想像できる範囲を超えている30年後だからこそ、どんな大人になっていたいかと想いを馳せる尊い時間が流れるのだと感じます。
【ここを見て欲しい!ポイントその2】
空に浮かぶサウナ小屋
今の会社に入る前は嫌いだったサウナも、今では大好きになりました。
それもこれも、今の店舗の支配人、サウナを狂っているほど愛している
新谷さんのおかげですね....
サウナに狂いすぎて、自分のお店に1から小屋型サウナ作っちゃった人.....
ブログを見れば、もうエグいくらいにサウナ愛に溢れてます。
サウナ初心者の方にオススメなのが
高音低湿の日本のサウナではなく、低音高湿のフィンランドサウナ。
低音だから長時間入っていられるし、湿度が高いのでめちゃくちゃ汗をかきます!水風呂が苦手な人はそのあとにゆるいお湯だったり、冷たいシャワーを浴びて休憩をしたら本当に気持ちいい瞬間が訪れます。
1から作ってしまったという小屋型サウナはこれです笑
話を白のMINKAに戻します〜
白のMINKAのサウナも実は小屋型!
煉瓦造りのような朱色で可愛い....
実は、訪れてからサウナがあると知って。
空に浮かぶサウナと言われたら入らない訳にはいかないでしょう笑
2年前に新しくできたということで、宿泊者が多い時は時間制になってます。僕が訪れた時は他に利用者がいなかったので、貸切!中は多くても2名までしか入れません。本当に1組限定です。
もちろんビィヒタも。
セルフロウリュできちゃいます。
サウナの外にはこんなスペースが。
何のために?って思うかもしれませんが、理由があって....
この景色を見るためです!!
目の前に広がるのどかな田園風景。鳥の囀りを聴きながら一休み。
地元の人が通勤や通学などの朝の動き出しを感じながら、
心と体と頭を整理して動き出す準備をする。
ここまで行くと、この後のごはんが最高になります。
その景色を再び見ながら朝食。
最高.....
【ここを見て欲しい!ポイントその3】
空間と一体化したオープンキッチン
オープンキッチンといえば、厨房の中の様子が見えたり、キッチンを囲むように360度、席が配置されていたりします。ただ、手元は見えないことがほとんど。過程を見せないことによって、お皿の上に表現された料理への感動が生まれるのですから。
ただ、白のMINKAのキッチンは席と横向きに対峙するように配置されています。多くのレストランであるような、完成された料理を出し、ホールが受け取るカウンターがありません。手元丸見えです。
でもなぜか安心したんです。
それは、料理のメニューの数々が棚田の地元食材で作られていること、
そしてホテルを含めたエリア一帯が地域と結びついていたことです。
MINKAというだけあって、やっぱりなぜか実家にいるような、スタッフの方とゲストがお互いあまり気を使わない関係性な気がしました。
レストラン、カフェ、ダイニングが地元の人にもよく使われている(カフェのランチは普段だと並んじゃうくらい地元の人に人気なんだそうです!)
肉類、魚介、野菜全てが揃う静岡県だからこそできる料理。
(燻製盛り合わせにしてもらいました!)
確かに遠州、焼津、伊豆、伊東とか横に長い静岡....これは反則だ....
もちろん、ドリンクも地元の!
伊豆高原ビールを美味しくいただきました〜
緩やかな想いの繋がり
雄大な大自然でもなく、ラグジュアリーホテルのようなめちゃくちゃ広い部屋だったり、極上体験でもなく、ゲストハウスのように距離が近いわけでもない。一定の距離を保ちつつ、放置というか、そっとしていてくれる。
でも田園風景含めて、なんか懐かしく、温かみがある。
そんな体験ができた宿でした。
やっぱりそういうもの全て含めて『MINKA』なんだと。
朝日がのぼり、ゆったりした時間が流れる中で、
ふつふつと持っている熱い想いと、それを支える暖かい支援の手。
そんなグラデーションのある暖かさ。
それが僕が思う白のMINKAです。
最後に。白のMINKAお気に入りの一枚です。
このオブジェ探してみてください〜
では、また次の最高の1日で。
ぐちこ。1997年、福井生まれ福井育ち。京都の大学に進むも、大学時代は体育会のボートに打ち込み、大半を滋賀の琵琶湖のほとりで過ごす。地域に関わる仕事がしたいということで、“地域を沸かせ”をミッションにしている株式会社温泉道場に進む。おふろcaféブランドの旗艦店での宿泊業務を担当することでホテルへの関心を強め、月に2回ホテルに泊まる生活を始める。ちなみに『ぐちこ』は中学時代、たった一人だけに呼ばれていたあだ名。
この度はサポートいただきありがとうございます。 少しでも皆様が元気になったり、ためになるコンテンツをお贈りしますので、どうぞよろしく御願いします。わからないことがあれば、いつでもご連絡待ってます!