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【新聞記事考察】食品ロス問題について

4月3日の日本経済新聞に食品ロスに関する記事が掲載されていた。この記事を参考に食品ロスに関して考察してみた。

食感生かすキャベツソース、食品ロスが開発の契機に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH303HQ0Q1A330C2000000/


日本では年間600万トン以上が廃棄に回っている。この数は収穫せずに畑に捨てられている分を含まないので、それを含めるとさらに量は多くなる。
食べられるのに捨てられてしまう食品を減らす取り組みは官民でいくつもあるが、その多くは、廃棄される食材を加工して販売する、消費期限の近づいた食品を無償で提供あるいは安く販売する、などが主流だと思う。

ただ、食品ロス問題の難しさは廃棄される食品を加工技術を駆使して減らす、消費に回すことももちろんだが、食品ロスを無くすことで食のサプリチェーン経済が成り立つかどうかを見極めることにも目配りしなければならないと思う。
食のサプライチェーン経済は、需給関係がバランスよく成り立つことが必要で、需要に対して供給が過多になれば、市場における価格相場が下がり、生産費に対して販売価格が下回り、生産を継続することが難しくなるだろう。逆に、供給に対して需要が過多になれば価格相場が上がり、消費者にとって手が出にくいものとなってしまう。
これまで、このような価格相場の調整役を担っていたのは卸売市場だが、卸売市場法の改正(令和2年6月21日施行)などにより、相場調整の機能不全がより鮮明になってくるのではないかと危惧している。

日本経済新聞の記事は、国産農産物の魅力を高めることが食品ロス問題の解決の一つのカギであると言っている。食品ロス問題は多面的にその本質的な課題を捉え、そこに関係する川上から川下までのステークホルダー全員が納得できる食のサプリチェーン経済の成立が必要であるということを考えさせられる良い記事であったと思う。

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