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Chapter.09 Summer

introduction
この記録は、友人のフジワラコトミとの
ルームシェア期間である2020年7月から、
解散する2022年7月までの2年間に、
わたし(タグチヒカリ)が記録した日記の一部を
再編集したものです。

illustration by Kotomi Fujiwara

【最終章 2022夏】

2022.July

1.
新しい家の審査が通った。転職先の社長とオンラインでお話もした。少しづつ、着実に人生が動いていく感覚。不安も大きいけれど、未来がすごく楽しみだ。

2.
女3人で占いに行った。わたしは真面目な自由人で、さらさら流れる秋のお水と言われた。気になる人は真面目でデリケートな「春の太陽」だそうだ。

3.
手に入れたい色んなものが、少しづつ自分に近づいてきている感覚があって、きっとそのうち本当に自分のほしいものがひとつづつ手に入っていって、あれ、わたしの願い全部叶ってるじゃん!って未来の自分は言っている。なぜかその自信がある。

今の自分みたいな生活ができるなら別に恋人なんていらなくて、他者のことで悩んだり不安になったりする生活は今のわたしには必要のないものだと思う。

自分が生きているこのありさまを何か別の形で残したいし、とっておきたいと思ってしまう。どんな日常だったとしてもそれを何かかたちにする術を持っていたらきっとつよい。
そんなことを思っていたら、mameの黒河内さんが「どんな日常も、わたしは服に変えられるから大丈夫」と言っていた。だから彼女の服は魅力的で、こんなにも惹かれるんだろうな。

8.
今日でルームシェア解散まで二週間になってしまった。2年ってものすごく長いと思っていたのに、いや、長かったのだが、あっという間に過ぎ去ってしまったなという感覚。でもこの2年の中に色んな出来事、ステージが詰め込まれていて、ルームシェアをしていなかったらこんなにも激動にはならなかっただろうなと思う。今日は住民票を取りに行って、豪華なわらび餅を食べて、フジワラと歩いてくら寿司まで行った。

9.
学生時代ぶりに師匠に会った。
単純に、デザインとか、物を作るってことに対しての意識が強くなったし、もっと自分のために物を作っていいんじゃない?と思った。みんな会社とか居場所に捉われずに自分のやりたいことに真っ直ぐに生きていて、自分には自分の正しさや生き方があるとわかりつつも、そんな生き方を羨ましく思ったりもする。いつか師匠に自信を持って渡せるようなZINEを作ろう。またひとつ、デザインをやりながら生きる意味を見つけた気がする。なんだかんだ枠の中で生きてしまうのをやめたい。

12.
気になる人(まだ好きではない)の何が良いなと思っているのか考えてみる。
こだわりが強いとこ(だから話を聞いているのが楽しい、ずっと話を聞いていたいと思える。)会話のテンポが合う、根が真面目、地頭が良い、頑固なところ、意思がはっきりしているところ、自分の野望・仕事に対して暑苦しそうなところ、頑張ってる人を馬鹿にしないところ(ダサいわたしのこともバカにしないんじゃないかなと思える)、笑顔がかわいい、背が高い、弟感ある犬系、(たぶん)頼れる感じではないけれど優しいところ、褒めるとあからさまに照れながら嬉しそうにするところ、たぶん不器用、正直そうなところ。何よりもわたしよりも頑張っている人だといつ会っても思える人。この人がこの先どうなって行くのかを見ていたいなと思える人。

13.
まだ、この日々が続いてほしい。
まだここにいたい、まだこの生活のままでいたい。
フジワラとの自由で楽しい生活が続いてほしい。
変わりたいと強く願うけど、
変わっていくことにまだためらいがある。

15.
最近ずっと体調は悪い。体が疲れている。

18.
自分のしたことが返ってくるのだろう。
他者に優しくすれば自分に返ってくるし、
わたしを傷つけた人は、
いづれちゃんと傷つく運命になる。
だから安心して。
その人のことをわたしは恨まなくていい。
ちゃんと自分で破滅するから。
わたしはわたしの幸せだけを見ていればいい。

20.
今日で何か変わってしまうのかもって思ったら、何も変わらないでほしいと思ってしまう。まだこの関係性を続けたらいい。どうして自分の手で変えようとしているのだろうか。どうして白黒つけないといけないのだろうか。とかなんとか言っていたが、小心者の私は結局何かを変えることなんてできなかった。

22.
今日がこの家での最後の在宅勤務で、今日がルームシェア最後の日なのです。全く実感もなく、今日もバタバタと仕事をして終わってしまって。寂しさとか終わる実感がなくて、まだこの生活が続いていくんじゃないかって思ってしまう。今日で、もうこのリビングでこうして日記を書くことはないんだということが不思議で仕方がない。この日々はあっという間に過去になっていってしまうのだろうか。この素晴らしい2年間を過去の思い出として、これからは次のステージで頑張らなければいけないのだ。

24.
2人でマンションの掃除をして、本当に退去をした。わたしに関しては5年もこのマンションに住んでいたんだもの。これだけ寂しいのも仕方ない。学生時代、訳もわからず自力でこの駅とこのマンションを引き当てた自分はやっぱり持ってるなと思う。ルームシェア本当に楽しかった。色んなことがあったけれど、こんな友達は他にいない。全て許されるだろうと思える友達は彼女だけだ。そんな人が1人でも、わたしの人生に存在するということに誇りをもとう。

今日、髪を20センチ切った。
新しい気持ちで、
明日からもがんばろう。


そして人生はつづく。


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