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ドイツ人は日本人と似ているって聞いたことがあるけれど

ドイツで働くことが決まった時、数名からこう聞きいていた。
「ドイツ人と日本人は似ている」って。
なるほど。それなら異国の地に住んで働くにしても、なじみやすさがあったりするのかなぁ、なんて思ってた。

そして、ドイツに来てしばらくしてからこう思った。
「どこがやねん」と(笑)

こんにちは。ぐっちーといいます!
ドイツでシステム屋をしています。
今月からVACILANDOに記事を掲載させていただくことになりました!
ドイツと日本の違いや、職場にいる20カ国近くの人たちと過ごす中で気付いた各国と日本の違いなどを書きたいと思ってます。
どうぞよろしくお願いします!

今回は「ドイツ人と日本人は似てるとは思わへんで」という話です。

冒頭にも書いた
「ドイツ人と日本人は似ている」
っていう話、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。
日本人がもつドイツ人のイメージの

  • 勤勉であること

  • 時間やルールをしっかり守ること

あたりが理由でしょうか?
でも、日本人がちょっとルーズなイメージをもちがちなラテン系の国の人たちだって、
みんな仕事はしっかりしていますし、会議の時間にはしっかり集まります。
また、ドイツ側からは「ドイツ人と日本人が似ている」って話は聞いたことありません(笑)

似てるとは思わない部分のなかでも、一番大きいものはコミュニケーションの取り方だと感じています。
ドイツの人たちは、とてもはっきり直接的に物事を言います。
この背景にはローコンテクスト文化とハイコンテクスト文化の違いがあるようです。
ここでのコンテクストは英語の context のことで、日本語では「文脈、前後関係、背景」といった意味です。
初めて出会った言葉かもしれないので、ロー/ハイコンテクスト文化の特徴、およびそれに関連する「コミュニケーション」の各国分布の図を『異文化理解力』という本から引用します。

ローコンテクスト: 良いコミュニケーションとは厳密で、シンプルで、明確なものである。メッセージは額面通りに伝え、額面通りに受け取る。コミュニケーションを明確にするためならば繰り返しも歓迎される。

ハイコンクスト: 良いコミュニケーションとは繊細で、含みがあり、多層的なものである。メッセージは行間で伝え、行間で受け取る。ほのめかして伝えられることが多く、はっきりと口にすることは少ない。

『異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』エリン・メイヤー著 より引用
『異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』エリン・メイヤー著より引用

各国分布図を見ればお分かりかと思います!
ドイツと日本では、コミュニケーションにおけるコンテクストの重要性がまったく異なるんです。
日本は一番右のハイコンテクスト文化の国。語られた内容だけでなく、行間を読む必要があります。空気を読む、とも言いますよね。
一方のドイツは左側のローコンテクスト文化の国。とにかく全部を言葉にして伝えます。

この違いの例として、最近おもしろいなぁと思った、職場で休暇を取る際に設定する自動返信メールの内容を紹介します。

日本人が英語で自動返信メールの設定するときは、
I have limited access to my emails until 〇〇 and will reply to your message after my return.
みたいな文章を書くことが多いです。limited access って良いですね。
「メールが見れない」とは言わない。
こんなメール返信の設定をしつつも、休暇中にメールを見て返信しちゃったりします。

一方、ドイツ人同僚が設定していた自動返信メールのメッセージは
I don't check my email box while I am on leave.
から始まっていました!
「休暇中にメールは見ません!」と言い切った!すごい!鉄の意志を感じる!!(笑)
で、まじで休暇中にメールを見ません。絶対に見ません。
休暇が明けた日からメールチェックが始まります。
まったく違いますよね。

最初は違いの大きさに驚くこともありましたが、文化の違いがあるという背景を理解すると「なるほど、そういうことか」と安心することができました。

VACILANDに掲載する記事では、これからも仕事や生活で気が付いた違いと、その背景を探ってまとめていきます。
どうぞよろしくお願いしまーす!

今回の記事内の引用で登場した『異文化理解力』はこの本です。
日本の外の人と働く機会があるなら絶対におすすめしたい1冊です。
世界中の色んな国の文化の違いを整理しつつ、その違いから生じたエピソードを紹介してくれていて、読み応えがありますよ!

翻訳本でなく英語の本をそのまま読みたい!という方はこちらの原書をどうぞ!
ペーパーバック版、Kindle版があります。


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