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利益って言っても一つじゃない!?

皆さんこんにちは、ぐっちです。

諸事情により、久々の投稿になりますが、読んでくださる方がいらっしゃると嬉しいです。

では、今日は損益計算書についてです。早速いきましょう。


損益計算書(PLあるいはP/L)って?

損益計算書とは、簡単に言うと”会社の一定期間の成績表”のことです。
その期間内(たいていは1年ごと)で、いくらの売上があり、いくら費用がかかって、最終的な利益はいくらだったのかを知ることができます。

損益計算書には、様々な情報が記載されています。
今回は特に、記載されている利益の種類に絞って解説をしていこうと思います。

損益計算書に記載されている利益には、
・売上総利益
・営業利益
・経常利益
・税引前当期純利益
・当期純利益
があります。

これらの言葉だけ見ると何が何だかわからないと思いますので、コーヒー屋さんの例で考えながら一つずつ解説していきます。

売上総利益

売上高から、売上原価(仕入れの費用)を差し引いて算出します。
粗利益とも言います。

コーヒー屋さんを例に解説します。

「50万円で仕入れたコーヒーを、100万円で販売しました。」
この場合、仕入れ(売上原価)が50万円、売上高が100万円なので、

式は、
100万(売上高)- 50万(売上原価)= 50万(売上総利益)

となります。

営業利益

企業が、本業で得た利益のことを営業利益と言います。
コーヒー屋さんの例でいうと、”コーヒーの販売”が本業ですね。

この営業利益は、売上総利益から「販売及び一般管理費」を引いたものになります。販売費及び一般管理費とは、本業を行う上で原価以外にかかる費用のことを言います。

原価以外にかかる費用というといまいちピンとこないと思いますが、簡単に言うと、宣伝広告費や従業に支払う賃金のことを言います。

商品を販売するため、あるいは集客をするためにテレビでCMを流したり、駅の看板に広告を掲載したり、チラシを配ったりしますよね?
また、商品の販売のために人を雇うと給料を払いますよね?

これらの費用をまとめて、販売及び一般管理費といいます。
省略して、販売管理費や販管費と言ったりもします。(この記事では、以下販管費と記述します)

では先ほどのコーヒー屋さんの例で見てみましょう。

「50万円でコーヒー豆を仕入れ、100万円分販売しました。このコーヒーを売るのに30万円の広告費がかかりました」

この場合、
100万(売上高)- 50万(原価)- 30万(販管費)= 20万(営業利益)

となります。

経常利益

本業で得た利益(営業利益)に、本業以外で発生した継続的な収益(営業外収益)と費用(営業外費用)を反映させたものが経常利益です。

コーヒー屋さんで考えると、例えば定休日にイベントスペースとして店舗を貸し出したり、料理教室を開いたりすることで得た収益を営業が収益と言います。
料理教室で講師を招いて賃金を支払った場合や、銀行から借りたお金の返済をする場合は営業外費用になります。

「本業で20万円の利益を出しているコーヒー屋さんが、月に1度料理教室を開き100万円の収益を得ています。この料理教室の講師を雇うのに50万円かかりました」

この場合は、
20万(営業利益)+ 100万(営業収益)- 50万(営業外費用)= 70万(経常利益)

となります。

このように本業も本業以外も黒字であれば簡単ですが、実際には以下のような場合もあります。

①本業が好調で営業利益が黒字だが、営業外費用がかかりすぎて経常利益が赤字になっている場合

②本業が振るわず営業利益が赤字でも、本業以外が好調で営業外収益が大きくなり、経常利益が黒字となっている場合

こちらもそれぞれ、例で考えてみましょう。

①「営業利益が20万円のコーヒー屋さん。料理教室を月に1度開催し100万円の収益を上げている。講師には50万円の賃金を支払った。また、銀行からの借金の返済に100万円支払った」

この例でいうと
20万(営業利益)+100万(営業外収益)-150万(営業外費用)=-30万(経常利益)

つまり、経常利益は30万円分の赤字ということになります。

②「営業利益が20万円赤字のコーヒー屋さん。月一の料理教室で100万円の収益があり、講師には50万円の賃金を支払った」

この例の場合は、
-20万(営業利益)+ 100万(営業外収益)-50万円(営業外費用)=30万円(経常利益)

このように、本業が赤字でも経常利益で見ると黒字になることもあります。

税引前当期純利益

経常利益に、特別利益と特別損益を反映させると税引前当期純利益となります。

特別利益や特別損益とは何かというと、継続的ではなく突発的に発生した臨時の利益や損失のことをいいます。

例えば、
特別利益
→不動産を売却した場合や株式を売却した場合

特別損失
→火災や災害などで発生した損失

「経常利益が70万円のコーヒー屋さん。チェーン店1店舗を200万円で売却した。後日、キッチンが故障して修理費用に100万円かかった」

この場合は
70万(経常利益)+ 200万(特別利益)-100万(特別損失)= 170万(税引前当期純利益)

となります。

当期純利益

税引前当期純利益から法人税や都道府県税を引いたものを、当期純利益といいます。

最終的に会社に残っている利益が、この当期純利益です。

この当期純利益もコーヒー屋さんの例で見てみましょう。

「税引前当期純利益が170万円のコーヒー屋さん。今年の税金の支払いが100万円でした」

そうすると、
170万円(税引前当期純利益)- 100万(税金)= 70万(当期純利益)

ということになります。


文章だけだと、少しややこしいかもしれないのでイラストにするとこんなかんじです。

利益 種類 グラフ

いかがでしょうか。損益計算書に記載されている利益について、多少なりとも理解していただけたら嬉しいです。


それではまた次回の記事で。

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