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アトリビューションモデルvsマーケティングミックスモデル

クッキーレスの自体のマーケティングをどう捉えるかが最近トピックになる機会も多くなってきたかと思います。ユーザー情報を補足することが難しくなる中でのマーケティング費用の最大化を考えるあたり、キーワードとしてあるアトリビューションモデルとマーケティングミックスモデルを今日は取り上げます。

とりわけ両者を対比しながら、両者で実現できる世界をアトリビューションモデルとマーケティングミックスモデルでどのような違いがあるのかの観点から整理していきたいと思います。

アトリビューションモデル

特徴①:ユーザー単位のデータであること

まずはこれが大きいですね。例えば、ユーザーIDをそのアプリケーションやサービスで発行している際には、この情報単位でのユーザーの行動情報を収集できるかと思います。そう言った情報を使って、ユーザー単位の行動情報をもとにコンバージョンに聞いた広告のチャネルの最適な配分に解を求めに行くことができます。

ここでいうユーザーIDはクッキー単位だったり、セッション単位だったり、アプリケーションやサービス単位の統合的な共通IDだったり、目的や用途に応じて分析者が決めていくことが必要になります。

情報の粒度が後続のマーケティングミックスモデルよりも細かいため、より正確な最適な広告予算の配分計算の実現が可能となりますが、情報が取れることが条件になるため、自社のマーケティングプラットフォームでの実現可能性を事前に念入りに確認しておきましょう。

特徴②:オフライン購買への波及効果はわからない

次にユーザーID単位であるという裏返しのため、もし顧客が店舗で購入を実施するという流れになった場合には、その効果を追ったモデルにすることが難しいという点が特徴として挙げられます。

運営しているビジネスにもよるのですが、顧客が持つ購買のポイントが実店舗もあるようなケースの会社におけるマーケティングでは、問題になることがあります。インターネットでの購買もでき、実店舗運営もしているようなビジネス形態のマーケティングを実施しているケースです。

そのようなケースで、TV CMを実施することも想定してマーケティング予算の配分を決めたいといった意思決定をアトリビューションモデルで行うことは難易度が高くなります。

ただ、これは正確に計測できている仕組みの導入を検討して解消させると言った取り組みも最近だと見られるようになりました。具体的には会員証の発行等を行い、オフラインの購買を補足できるようにしておくことや、他にテレビを見て購入しましたと言ったアンケートを取ることです。ただ、やはり、現実問題としてはボリュームの補足はすべてネットで完結する場合に比較してまだまだ少ないため、直面する課題は多いとは感じます。

<アウトプットイメージ>

上記の分析を通して、どのChannelの価値が高いか=投資コストとして広告費を費やしたほうがいいかの決定を行うことができます。例だと、Facebookが重要ですね。

<使用ライブラリーからの出典>

https://github.com/DP6/Marketing-Attribution-Models


マーケティングミックスモデル

特徴①:集約された単位のデータであること

マーケティングミックスモデルはユーザー単位のデータを必要とせず、1日単位や週次単位での集約されたデータを使って、マーケティングコストを分析していきます。そのため、たとえクッキーレスとなった状態であっても一定の解を導き出すことができるという点に利点があります。

特徴②:ユーザー個別個別の動きを加味した正確な計算はできない

アトリビューションモデルとは異なり、日別に集約したデータを分析していくことになりため、個別個別の情報を加味していない状態になったデータでの分析となります。正確な計算ができないというと言い過ぎな面もありますが、その意味である程度いい加減な分析と言っても良いのではないかと考えています。

また説明変数として入れるもの同士に相関があることもあり(休日だとそもそも価格が上がるようなビジネスで、休日と価格情報を使ってコンバージョンを予測する)、その影響を加味した分析を正確に実施することは現実的には難しいというのが、実際に行っている担当として感じることです。成果が上がっている状況であれば、それでも問題ないと割り切って進めていくことが重要でしょう。

特徴③:オフライン購買の効果計測も可能

データの作り方を工夫することで、集約データであることのメリットを生かしたオフラインの広告施策の効果を反映した最適化への反映が可能となります。

マーケティングミックスモデルとしては、RのPKGを使って以下のようなアウトプットを出していくことで、実際にROIを最大化する方法について触れていきます。

<アウトプットイメージ>

上図だと、同様に(同じデータを使ったわけではないのですが)、Facebookが重要な位置づけになっています。

<使用ライブラリーからの出典>


抽象的な部分も多いですが、これから具体的な内容をデータを通して紹介していきます。比較としてまずはこれくらいを抑えつつ、実際のデータでの分析を通して、違いをより体感していく解説を今後実施していきます!!!

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