見出し画像

プロボノ活動を通じた新たな世界観の構築

弁護士系の米国ドラマ「スーツ」や「グッドワイフ」「グッドファイト」などをみていると、しょっちゅう耳にするのが、弁護士が無償で弁護する「プロボノ」という社会貢献。

特にスーツでは、若い方の主役「マイク」が無償の「プロボノ」への意識が高く、「プロボノ」に特化した事務所にも積極的に参加していたのをよく思い出します。

画像1

私自身アーリーリタイア以降「自分のキャリアを活かせるような、ボランティアってないんだろうか」と探していたところ、日本にも「プロボノ活動」があったのです。

プロボノとは具体的には、弁護士などの専門職はもちろん、我々のような一般のビジネスパーソンが、通常業務で身につけたスキルをボランティアに生かそうという活動です。

したがってリタイア組でも現役組でも関係なく、自分のスキルを活かしてボランティアができるという理想的な形ではあります。

画像2

私が参加したのは短期(3ヶ月)のプロジェクト方式で、プロボノワーカーがチームとなってボランティア法人を支援する活動。

某NPO法人の「会員獲得と会費増大に向けた支援」がテーマだったのですが、殆どのボランティア系NPO法人が困っていることは「お金」と「宣伝&広報活動」

彼ら自身はNPO法人立ち上げるぐらいなので、本来活動に関してはやる気満々なんですが、「お金の工面」と「活動を多くの人に知らしめること」にどの団体も難儀しているようでした。

私の場合、大手小売業にて企画職(経営・営業・業務・物流など)が長かったので事業計画やマーケティング、手続きフローの構築や物流支援のプランニングとその資料作成が得意でした。

したがってマーケティング手法を使った会員獲得方法の提案と全体のパワーポイントによる資料作成を担当。実際には3人でチームとなって事務局支援のもと、役割分担しつつ先方に提案したというわけです。

コロナ問題の関係でほとんどが「ズーム」での打ち合わせに終始し、実際に先方にあったのは1回のみ。チーム内も1回きりと、リアルな活動ができなかったのが心残りですが、これは致し方ありません。

それでも全く違う世界で生きている人同士で、コミュニケーションを深めるのは、新しい気づきも多くあり、非常に面白い活動。

画像3

対話によって、メンバーそれぞれと支援先の世界観を学び、想像し、マッチングさせていく作業は、現象学的「哲学対話」のよう。自分の世界像の中にあたらしい世界像を組み込んでいくようなイメージ、そうしてマッチングさせた世界像(=間主観的世界像)に基づいて、具体的な支援方法を提案していく。

結局、ボランティア活動に限らず、人間の社会活動って皆同じで「間主観的な世界像をどうやって構築していき、その世界像の中でどうやって他者とスムーズにコミュニケーションしていくか」ということ。

まずは自分に組み込まれる他者との間主観的世界像を構築していく作業が、社会活動をしていく上で何よりも重要なことなんだなあ、と改めて認識した次第です。

*写真:2020年 千葉市美術館「宮島達男」クロニクルより

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?