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2019年9月の記事一覧
【カレー小説】開演 ~阪神甲子園球場の名物カレー~
正午前に怪しいと思っていた雲は青色を見せる隙を作らず、この時間に来て一気に周辺の明度を下げたと思えば、大粒の雨を降らせた。
雨は地面で勢いよく跳ね、窪みに集った水滴はたちまち大きな水たまりとなって更なるしぶきを上げている。視界もこの雨量で先ほどまで見えていた数十メートル先も滲み霞んで見える。
広場で屯していた人々は皆一斉に雨を避ける場所を求め走る。その飛沫が誰かにかかるという事はお構いなし。