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日本の「9月入学」は海外進学には不利?

グローバルスタンダードに合わせるべく新型コロナの混乱の中で降って湧いた「9月入学」論。皮肉なことに日本の高校から海外大学を目指す場合、「9月入学」は現実的ではありません。

その理由は日本の教育カリキュラムが「6・3・3制」であること。欧米は「5・3・4制」で高校が4年間。欧米の大学の出願締め切りは11月〜1月あたりなので、高校最終年度にはいって数ヶ月かけて出願校を決定し、出願用のエッセイや推薦状、同時に高校3年間の成績証明書などの書面を準備します。合格発表は2〜5月頃にかけて知らせが来るという流れで、日本のように決まった日に一斉に合格発表というスタイルではありません。

「6・3・3制」のまま「9月入学」となると、高校2年生が受験勉強年度にあたり、TOEFL iBTなどを受験し、準備をする必要があるため、実質高校生活を満喫するのは1年だけになってしまいます。あまりにも楽しみの少ない高校生活になりそうですね。

もうひとつが、2年間だけの高校の成績証明書が欧米大学の出願に有効なのだろうか、という疑問です。欧米の大学は高校3年間分の成績証明書(GPA)の提出を求めます。現在も日本の高校が3年間しかないため、欧米大学へ出願する場合は2年と2学期分の成績証明を提出し合否が決まることもありますが、3月に3年分の最終の成績証明を出し直し最終決定となるケースもあります。それが「9月入学」になると、2年分だけしか出願時に用意できないので、果たして有効なのか疑問です。

「9月入学」を導入する場合、国内でのさまざまな調整が必要になることは承知していますが、グローバルスタンダードを目指すための改革が欧米への大学進学を不利にし、最終的に高校卒業と大学進学までに丸1年の空白期間を生んでしまうのではと心配します。


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