職を転じてクビとなる!?

前回、社内で壮大な立志伝を展開すべく第一歩を踏み出そうとするも不発となった僕。
二の矢三の矢を弓にかけては外し、かけては外しをしていると、入社して1週間が経っていた。
何の進展もなし。停滞。
もちろん戦略的停滞である。もちろん。

2年9ヶ月ものブランクは余りにも大きく、衰退しきった脳がオーバーヒートを起こす日々であった。
赤ちゃんビジネスマンなので帰社時間には知恵熱が出ている毎日。
そんな朦朧とした意識下ではちょっとエッチな女副社長へのばぶ欲は高まざるをえない。

あぁ〜〜ばぶりてぇ〜ばぶばぶ〜〜

その日も僕は定例となっていたばぶ発作に襲われていた。

ばぶばぶばぶ〜〜ば……ん?

社内チャットでメッセージがきた。
中途おじからだった。

仕事中にそんな頻繁に送ってこないでくれよ…
中途おじと新卒2人、 僕の4人で親睦会をしましょうと中途おじが企画し、そのことで度々メッセージを送ってきていたのだ。
断りたかったが、新卒2人だけを生贄に捧げるのは気がひけたので参加すると伝えていた。
もう店も日にちも決まったから、連絡することないでしょ…と思いつつメッセージを開いた。

ごめんなさい。私今日までの勤務です。
短い間でしたがありがとうございます。

ばぶ!?

クビです。
理解力がないとのことです。

ばぶぶ!!??

何かあればこちらまで、私の電話です
070********

いや、電話するかい。
てか、早っ!!
4月頭に入社したらしいから、1ヶ月も経ってないよ??
想像以上に問題ありおじだったのか…
ばぶ発作が吹き飛ぶほどの衝撃に混乱していると、中途おじが僕のデスクまで来た。

おいおい、勘弁してくれ。
事情を知っているであろう上の方々がこっち見てるけども…

「少し外で話せます?」と汚い字で書かれたメモ用紙を見せつつ、「今出れます?」と口頭でも聞いてきた。

こういうのは目立たんようにしてくれ…
口頭で言うなら、メモ用紙いらんやろ…
そういうとこですよ…

中途おじの雰囲気が怖すぎて、断って暴れられでもしたらと不安になり、仕方なく外に出ることに。
あぁ…上の方々ザワついてるやん……

ドアから出た瞬間

「女性陣には気をつけて。」

いやいや、あんたや。
あんたに気をつけなあかんねん。
そして、出てすぐのとこで話さないで。
中に聞こえますよ?

会社から離れたとこで話すよう促す。
なんで僕が配慮せなあかんのや…

「〇〇さんと××さんには気をつけてください。」

中途おじの直属の女性上長2人。
あなたに問題があったから、そのお二人から注意があったんでしょ?
それを上長2人が問題ある人みたいに言うのは違うのでは??
更には女性陣と大きく括って、他の女性社員へも誤解が生まれる言い方はおかしいのでは???

「早く戻らないとマズいので戻りましょう。」

もう十分マズい状況に僕を巻き込んでおいて何を言ってらっしゃる…?

「詳しくは電話してください。」

するかい。
絶対にせんわい。
めっちゃ電話させたがるやん。こわ。

事務所に戻ると廊下でお偉い方が難しい顔で話し合っていた。
そこを何事もなかったかのように通り過ぎる中途おじ。

違うんです。僕は中途おじとは何の関係もありません。と心で念じつつ会釈してデスクに戻る僕。

ありえん面倒なことに巻き込まれとるううううううううぅぅ…
何か周りの僕への視線が痛いいいいぃ……

社長「ぱにおくん、ちょっとええか?」

おわた。
おわたんばりんしゃんしゃんしゃらららら〜ん。
中途おじ一味とみなされ裁かれる…

個室に連れていかれた。

僕もクビか…
確かに僕も経験者にしては役に立ってないですもんね…
クビ社内レコードを更新したばかりの中途おじを即抜いて、僕が1週間でクビという超最速の社内レコードを打ちたててしまうわけか…
天下統一の夢もここまーーー

「大丈夫か?何か言われた?〇〇さん(副社長)がぱにお君が連れてかれた!と心配しててさ。」

でじゃない!!!
天下統一、泰平の世も夢じゃない!!!
副社長とバブバブランデブーも夢じゃない!!!

中途おじ、相当なる問題おじだったそう。
面接時にできると言っていたことはほぼできず。
頼まれたことも間違いだらけ。
周りの人の仕事を軽減するどころか、倍増させていたとのこと。

余り好ましくない理由ではあるが、共通の脅威があると距離は近まるもので、中途おじのおかげで社長との距離はやや縮まった。
ワイドショーのインタビューに「あの人ならいつかやると思っていました…」と答える容疑者の知人A的スタンスで中途おじとの今までを伝え、緊急面談は終了。
「親睦会の件で新卒2人にも接触をしているはずなので、新卒2人のフォローもしてあげてください。」と社長に頼み、良い先輩面アピールに成功。
普通の配慮なので別にアピールにならないよ、という意見は受け付けていませんので悪しからず。

無駄なドキドキハラハラのせいでその日は仕事にならなかった。
タスク管理能力に定評のある僕は明日の自分に残りタスクをぶん投げ退勤。

副社長が心配してくれたという大いなるプラスのおかげで、中途おじ事変は差し引きややプラスにて終焉を迎えたところで、次回予告なり。


恋の達人ぱにおッ!
もちろん社内に気になる女子ができていたッ!
仕事の案件をその子と共に取り組むことにッ!

次回ッ!!
『ぱにおさんは告らせたい-ウルトラロマンティック-』

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