2月の雪の降る朝に
日付までは忘れたが1995年2月、横浜で雪が降る朝だった。
どうしても会社に行けなくなった。よくある話だ。
なぜなのか、ずっと考えた。仕事で失敗をしたわけでもなく、まして上司や先輩から叱責されたわけでもなかった。
入社から何年も経ったのち、配属された希望の部署だった。日々海外とのやり取り。国際電話にFAX(古いね・・・)。販売にマーケティング会議。もちろん平気で夜中まで仕事をした。働き方改革?関係ないね、楽しいんだから。
だが上司の指示や先輩の指導は極めてあいまいだった。思うように仕事は進まなかった。これもよくある話だ。やりたいようにできない。でもたったそれだけか?
もしそうだとしたら、世の中やりたいように、なるようにならないほうが遥かに多いわけだから一生回復しないことになる。
なぜだったのだろう。寒かったからか、面倒だったからか。
そうだったのかもしれない。
あの朝から急に、でもどこからともなく「黒い犬」が横にいたのだ。
理由は今でもわからない。
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