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空飛ぶマスクの軟着陸

コロナウイルス感染を予防するひとつの手段として、マスクがある。専門家はマスクで感染は防げないという。ウイルス対策にならないことくらい、素人でも聞けばそうだろうなと想像できる。

一方、咳やくしゃみの飛沫をまき散らさないということで言えば、一定の役割は果たすであろうことは、これも素人でも理解できる。今はシーズンではないが、私は花粉症なのでいずれにしてもマスクは必需品だ。

昨年3月3日、政府は予備費から4000万枚分にあたる22億8500万円の支出を決めたという報道があった。計算してみると1枚当たり57円。1月下旬、花粉対策として楽天市場で購入した60枚入りマスクは500円。一枚当たり8円ちょっとだ。もちろん比較の仕方は正しくないが、それでも税金はこんな時さえ食われている。いや、こんな時、税金だから食われるのか。

あちこちでマスク不足だった当時でも、篤志家というのはいるもので、日本に住む中国人が、「武漢にたくさんマスクを送ってくれたのでそのお礼に、ここ(駅)で日本人にマスクを配っている」という。

日本の中国語試験団体が中国にマスクを送ったと思えば、中国のネット通販最大手のアリババグループは日本にマスク100万枚を寄付すると発表した。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200302/k10012310491000.html
アリババグループが日本にマスク100万枚寄付 3日に到着

自分が買った60枚入りは中国製造。日本で売っているほとんどは中国の工場で作られている。運ばれた日本市場から中国へ送る。中国は感謝だと言って日本に送る。物資は常に上空に。空気のような軽いマスクを、ジェット燃料を使って何往復させたことか。

いまは、価格は前ほど安くないにしても、入手困難という状態は解消されて久しい。空飛ぶマスクはやっと着地した。

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