目指せ人間国宝!

waza art fesという芸術のグループ展が名古屋の橦木館で始まった。全国から40名の作家や職人が集まって展示をしている。wazaというくらいだから、参加している作家たちは何かしらのわざ(技、業、芸、術)を持っている。私は医療と美術の技を持っているとのことで誘っていただいた。昭和初期に建てられた橦木館は、薪で沸かす風呂やタイル張りの流しがそのまま残され常設として展示されている。私の作品は、その風呂場や洗面所に展示させてもらった。バイ菌と戦う作品なのでちょうど良くハマって嬉しい。館長の推し作家の称号までいただいて、かなり嬉しい。

会場で、石を扱う作家に話しかけられた。石を削るときにダイヤモンドのバーを使うんですが、歯を削る機械の先は、なにでできてるんですか?と聞かれた。同じですね、ダイヤモンドですよ、とこたえた。石を削る作家は、歯を削ることに興味があるらしく、さらに削った後、どのように修復するのかと聞かれ、歯科治療の一連の流れを説明することになってしまったが、金属は何を?とか、型をとってどうやって被せものをつくるの?とか、全部説明した、いちいちびっくりしていたので説明しがいがある。聞き上手な作家は珍しい。なにが言いたいかというと、歯科医師は彫刻家であり金属加工作家であり陶芸家でありデジタル工芸作家であるということだ。ついでに医学の知識を持ち合わせている。歯だけじゃなくて、口腔粘膜を切ったり縫ったり、がんも在宅医療もお見取りもやる、歯医者の仕事、やること多すぎないか?

私は美術作家なので、作家の方々ともこのように普通に話せる、というわけではなく、歯医者や技工士はそもそも作家と話せる。重合収縮がいやですねー、とか、削るの一発勝負でやばいっすね、とか、なにで研磨してますか?とか。歯科医師は自分が職人であると認識しているだろうが、あなたが思ってる以上に職人ですよと伝えたい。だからなんだと言われたら、別になんでもないんだけどね。

今日も、最後まで読んでいただきありがとうございます。歯医者も人間国宝とかになれると思いますよ。

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