腕前Xはゴールなのか、スタートなのか

splatoon3の発売が発表されて、マンネリ化していた環境にメスが入り心機一転の機会となった2月から2ヶ月が経とうしている。

なんとか『3』の発売までに腕前Xに!なんて一念発起してガチマッチに挑戦している方も多いのではないだろうか。しかし、腕前Xが実装されてから2〜3年が経ち、その評価は過去とは違ったものになってきていると思う。

2年前であればXに上がること自体がそこそこのステータスであったかもしれないが、少なくとも筆者が初めて腕前Xというものになった際は既にS+とXの底辺はそんなに変わらないと言われるようになった時期だった。

曰く、Xまではチュートリアルであるだとか、X以下に人権は無いだとか、過激な人達が口にしているのをスプラトゥーンの界隈にいる方であれば少なくとも一度は目にしたことがあるとは思う。一見、実力上位気取りの人達が自分の力を誇示したいエゴの塊のような醜いもののように見えるが、やっとの思いでXに上がった人がこれを言っていると考えると別の受け取り方が浮かんでくる。

個人的な経験ではあるが、初めてXに上がって計測をした際に一番最初に思った事は『レベルが違う』という事だった。運が悪い事に編成に恵まれて連勝を重ねてしまった事により、直前までS+レベルのプレーヤー(筆者)が平均XP2300の部屋に入れられてしまった事も原因の一端を担って、遥か格上の人達とのマッチング。当然、付いていけない。S+の時にはされた事のない動きや普段ならやられないであろう場所に正確に飛んでくるインクの弾に絶えず翻弄されていた。これが最高ランクのレベルなんだと。

しかし、いざその腕前Xのプレースピードに慣れてくると違った感覚に襲われるのだ。OpenrecやYouTubeでよく目にする上位勢の方々と同じXであるはずが、そんな強者とマッチングする事なんて一切無くそれどころかXP2100をキープする事だけで精一杯な自分の実力に疑問が湧く。ざっと言ってしまえば同じランクに辿り着いた事により、より明確にはっきりと上位の実力者とのレベルの差を痛感してしまうのだ。

そして訪れる月末。必死にキープしたXPは具体的な3〜40000位辺りの順位が表示されて計測からやり直しになる。XPの計測はリーグマッチ同様に計測10戦及び計測後10戦弱の区間が数値の変動が大きく設定されており、そこで負けに負けてしまうと取り返しのつかない事になる場合が多い。メーターが割れるだの何だのを体感して苦労して上がってきたプレーヤーをどん底に引き摺り込むのは、具体的な数値の増減となるのだ。B+から上がりたてのA-とSから下がりたてのA+の実力差なんて生温いと、何なら冷水にすら感じてしまうマッチングも手伝って、Xの卑屈な自虐としてX底辺はS+と大差が無いだのXまでがチュートリアルだの、変に上から目線に感じる言葉が生まれてしまっているとも筆者には感じられてしまっている。

ウデマエXを目標にするのは悪くないが、正直な話時間をかけて方向に合った努力をすれば自然と上がれる場所ではある。なかなか上がれないという人はリーグマッチの時間を半分程ガチマッチに割いてみて欲しい。個人の力を上げるには個人の力が勝敗を大きく左右するガチマッチが最適で、リーグマッチやプライベートマッチはどちらかと言うとチームとしての動きを学ぶ場所となっている。ガチマッチが一番つまらないと思う気持ちがあるとするならばそれは大いに理解出来るのではあるが、そこを我慢しなければ腕前Xは更に遠い場所になってしまうだろう。

また、腕前Xに辿り着いたらガチマッチ卒業でリーグマッチやプライベートマッチしかしなくなったりするのであれば全く問題は無いが、もし上を目指すのであれば間違いなく腕前Xに行ってからの方がガチマッチに対するモチベーションの維持は難しいし、イライラする事も多分多くはなってしまうので、Xまではチュートリアルだという感覚を頭の片隅に小さく置いておく事だけでも考えてみて欲しいと思う。

以上、読んでいただいた方には感謝する。また新しい記事を書く機会があれば読んでいただければと思う。