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アウトサイド・シニカル・ロンリー

何の話かと思うじゃ無いですか。アナスタシアですわ。

なんか意外と宝塚ファンの人も読んでくれてるような気がするので調子こいてまた書くわけです。
この人間性と宝塚歌劇って言うディスタンスを楽しんでくれよって。


周囲の人間もびっくりするもんな宝塚歌劇にハマってる事話すと。


誰が一番びっくりしてるかわかってんのか?って感じですけどね。


先日このnote見て月組のチケット買いました的な話をtwitterで聞いてめちゃくちゃ喜んだね。
喜び散らかした。多分アンドレだったら今日まで生きていてよかったって言いますよ。


なんならアンドレじゃなくても言いました。輝きで蜂の巣にされた状態で言いました。
バスティーユじゃないけど落ちました。

散らかしたまま片付けないでそのまま置いてるよ。
年末の大掃除でも片付けない予定です。
きっと観に行かれた方は相当ウェルカまれたことだろうと思います。

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(※これは宝塚大劇場にあるデカいパネル。余談だけど左側のポスターが発表された時、娘役さんがやたら小さいので、遠目に見ると男役の人がコンビニのビニール袋を提げているように見えるという事で話題になった。エコバッグ時代到来前の話題で時を感じる。)


そんなこんなでね、ちょうど宝塚での公演が終わり
また東京で始まる宙組の話をやっていきたいと思います。
まあいろいろあるけど

前髪テロリスト※の髭面メガネのおっさんがめちゃくちゃオイシい。


※宝塚ではフィナーレ(劇が終わった後にあるショータイム的なもん)で前髪を振り乱して踊る人のことを前髪テロリストと表現することがある(無いかもしれないから参考にしないでください。


やっぱ舞台上で一番美味しいのって三枚目なんだよな。
そう思いますよ。
別に演劇に何の造詣もねえ素人考えで恐縮なんですけども。


どういうキャラクター性が愛されるかって考えると、やっぱ親近感が湧くタイプなんですよね。
二枚目のめっちゃかっこいい人とか、
すげえ綺麗な人って生活感が無いじゃないですか。
私生活わかんねえなって。


三枚目の強いところは生活が想像できるんすよね、
この人飲み屋で一番最初にビール頼むなとか、
枝豆手つけるかと見せかけてずっと喋りそうだな
とか、そういうの。

そういう想像がつきやすいキャラクターって、
距離が近くに感じられる分、
本当に愛されるキャラクターになれるわけですよ。

で、今回それが髭面のメガネのおっさん。


宝塚歌劇の演目なのに一番オイシいのが茶目っ気のあるおっさん、ちょっと嬉しくなっちゃうよな。
おっさんに与えられた楽曲もすげえ良いんだよな。

まあこのおっさんがどういうおっさんなのか?って話なんすけど(※アナスタシアはこのさっきから連呼しているおっさん主体の話じゃないです。
物凄い簡単にあらすじを説明すると

舞台は革命中のロシア。王朝を築いていたロマノフ全てが殺された後。
末妹のアナスタシアが生き残っているという噂で街は持ちきり。ただ生存の噂話ではなく、アナスタシアの祖母にあたるマリアが
本物のアナスタシアをパリまで連れてきた人に謝礼をくれるという話。

レニングラードと名を変えたペテルブルクに住む貧しい青年、ディミトリ。(真風涼帆さん)

革命前は貴族のフリをして社交界に忍び込んでおり、
今となっては追われる身となったヴラド(桜木みなとさん/さっきから連呼していたおっさん)と出会い、
街に流れる噂を聞いて手頃な女の子をアナスタシアに仕立て上げ、謝礼をもらおうと画策。

今は使われていないユスポフ宮殿でアナスタシアに仕立て上げる女の子を探していたところ、
記憶喪失の女の子アーニャ(星風まどかさん)が現れ・・・。

的なね。まあものすごい平たく言うと詐欺ぶちかまして謝礼せしめとったろかいウェッヘッヘェと思ったらマジスタシアだった的な感じなんすけど。

この話の主題がね、「ホーム・ラブ・ファミリー」なわけですよ。

こちとら「アウトサイド・シニカル・ロンリー」だっつの


つって。完全に社会から心がアウトサイドな上、何事にもシニカルだし基本的にはロンリー。

そんな人間が〜?ハートフルなミュージカルであったかくなっちゃえますか〜?
なんつって斜に構えてロンリーで観たんすけどまあなんかもう

みんな良かったねぇ。


って。マジでもう途中からずっとああ良かったな〜〜〜と思うわけですわ。
ミュージカルらしいどんでん返しを期待する人には予定調和的に映るかもしれないんすけど、

なんていうか、家に帰って潜り込むコタツ的な暖かさ。

心地良いなと。


境遇は不幸だったとしても、
主要人物全員の時間が物語によってきちんと動いて、
新しい一歩を踏み出しているから暖かい希望を感じられる
んですよね。

一応物語の中で悪役のようなポジションを担っており、
アーニャにめちゃくちゃ着いてくるし、腹の底から「アーーニャーーーーー」と歌うグレブ(芹香斗亜さん)という革命派のお役人も居るんですけどね、


まあでも別に悪い人じゃ無いんですよ。冗談もやるし。

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(※これは美味いpizzaと酒を楽しむグレブ役の芹香斗亜さん)

あとは宙組の事情的にもね、観た方が良いと思いますね。

なぜならトップ娘役の星風さんが専科に異動になったからです。

※専科というのは花組とか宙組とかの組に属さない少数精鋭。どの組の演目にも出る可能性がある代わりに、定期的に出演するわけでもない為、次いつどの組でそのスターが観られるかはわからない。

宝塚と言えば異例人事。宝塚ファンというものは常に異例の人事の掌で踊り続けるマリオネットみたいな感じなんすけど。

そういうのがあるたびに20年前にもあった、30年前にもあったって歴戦の勇者みたいな頼もしいファンがかつての話を聞かせてくれたりします。
結構その異例人事含めてどういう変化が起きるかな〜って楽しみがちなライト層で恐縮なんですけども。

今回の発表によりトップコンビ解体なわけで、
図らずも見納めになっちゃったってそういうわけなんすよ。
しかしまあ、今回の演目はいわゆるまかまどコンビ(真風さんと星風さんのこと)ちゅうやつが
めちゃくちゃ良いわけですわ。微笑まティー。


マスクがなかったら歯茎剥き出しでニコニコしたかもしれない。

※演者の人に恐怖感を与える可能性があるので歯茎剥き出しで笑うのはやめましょう。


見所と言うと、組替えしてきた紫藤りゅうさん想像の10倍のオッサン声を出したりするのでびっくりしました。幅広い人なんだな〜つって。

和希そらさんの女役もいや〜見事でしたね。ふぇいって思いましたもんね観てて。
ウエストサイドストーリーの時も素晴らしかったもんな。

あとは遥羽ららさんの少年とかめちゃくちゃ可愛いですね。好きなんすよ〜。

何より組長の寿つかささん(実家が寿司屋の芸名寿つかさ。真矢みきさんに「すっしー」というあだ名を付けられた)がもう微笑みのバクダンなわけ。


めっちゃめちゃ〜〜厳しい人〜たちがふ〜いに〜〜見〜せた〜〜優しさの〜せ〜いだ〜ったりす〜るんだろうね〜〜〜〜!!
ア・リ・ガ・ト・ウ・ゴ・ザ・イ・マ・ス!


完全にこれですわな。


んで芝居終わって良かったね〜つって思ってたら前髪のテロリストですよ。
全然関係無いが、フィナーレとかで娘役の人たちがバーッと降りてくる時に
完全に同じタイミングと角度でスカート翻してくるやつにも感謝
しちまう。

微笑みのバクダンしか投下されてこねえよ。

ア・リ・ガ・ト・ウ・ゴ・ザ・イ・マ・ス!!!(2回目)

今年は色々あったが、
やっぱり宝塚に元気をもらった一年だった。

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来年も宝塚歌劇が観られますように!


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