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映画「いとみち」と足が遠のいていた映画館のこと

RINGOMUSUME(りんご娘)のジョナゴールドが地元で舞台挨拶するってよ

※ネタバレ含みます。

久しぶりに映画館へ行ってきた。
本当に久しぶりで前に観に行ったのは何の映画だったか、何年前だったかも思い出せない程のトグロ巻き頭だ。

映画は好きである。
以前であれば趣味を問われれば、「河原の石投げ」と「映画鑑賞」は割と自信を持って回答できる主力級メンバーだった。

のめり込むタイプの人間なのだと自分で思う。
若い頃、彼女とのデートでも映画館は定番だったが、本当にじっくり見たい映画は一人で見に行った。

そのうちに、仕事に追われるようになり、子育てに時間を割かれるようになり、どこか余裕の無い生活が続くうちに知らぬ間に映画館から足が遠のいてしまった。

いや、意図的に避けてきたかもしれない。
(じっくり落ち着いて観られないなら観ない方がまし。)

そんな自分がなぜ今回この映画を観に行ったかと言えば、青森県のダンス&ボーカルユニットであるRINGOMUSUMEのジョナゴールド(以下、Jちゃん)が重要な役で出演しているからだった。
なおかつ、舞台挨拶があって主演の駒井蓮ちゃんと横浜監督(もちろん横浜ベイスターズではなく映画監督の横浜聡子さん)と共にJちゃんも登場するとあればfarmer(RINGOMUSUMEファンのこと)としては黙って見過ごすことはできるはずもない。

しかも、イオン下田にある映画館である。
ここは、車でせいぜい10分もあれば行けるご近所だ。
ここまでお膳立てして貰ってもスルーするのであれば、次に映画館へ行くのは恐らくいいかげん爺さんになった後に孫(まだ居ないけど)に手を引かれて行く東映まんがまつり(まだあるんだっけ?)まで待たねばならないだろう。
妄想が過ぎた。

舞台挨拶日の前夜遅く、自分のスケジュール調整もOKになった。
ついに沈黙を破って再び映画館へ向かう時が来たのである。

「”ジャスコ”の映画館にりんご娘がやってくるので予約をタノム!」と言いながら寝ている妻を揺り起こす。
妻や子供達はしばしば映画には行っていたので予約の仕方も慣れているのだ。

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ほとんど席は埋まっていて後ろの方しか席は無かったが贅沢は言うまい。
(J列はジョナゴールドのJじゃwww)
しかも、年寄夫婦で予約すると料金割引があるらしい。
お互い年取ったもんじゃのう、ばあさんやwww

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久しぶりの映画館で思った事がある。
なかなか本編が始まらなくてイライラした。
CMや予告編が多すぎだ!

こんなにイラつくのは年のせいか。
それとも久しぶりのスクリーンを前にして気持ちが前のめりになり過ぎなのか。
そうだとしたら、エンゼルスの大谷が大きな空振りをした時に「もうちょっと落ち着け」と言うのはもう止めにしたいと思うし、F1レースのルーキードライバー角田裕毅が焦ってスピンする度に罵るのも恥ずかしい事だった。

ここ八戸は蕪島のウミネコに誓って言う。
すまん、おま言うだった。

映画館CMの定番と言えば「婚約指輪は給料の3ヶ月分」www。
いつもこのナレーションが入ったところでドッっと歓声が沸くのがお約束だったな。
もう今はやってないのかな~。

この映画は、青森映画である。
オール青森県ロケ、監督、主演が共に青森県出身。脇も多くが青森県の人間である。

もっと言えば、津軽映画であるし津軽弁映画でもある。

冒頭の主人公”いと”の通う学校のシーンからあるあると頷いた。
それは”方言の染まり具合”についてである。

自分は同じ青森県でも東側の南部と言われる地方の人間であるため津軽弁ではなく南部弁を話すのだが、高校になったあたりからの方言事情については津軽と多分同じである。

小学校、中学校はまだ狭い範囲の人の集まりであるため方言の染まり具合は、ほぼ均一であると言える。
だが、高校ともなると少し地域の範囲が広がるため方言の深度(わかるかな?)、種類が微妙に異なる人が混じり合うのである。

しかし、高校ぐらいになると逆にその辺の事情も理解できる年齢になるので、仮にベタベタの方言を話す人間が居てもあからさまに疎外する人間は居ないと思うのだが、映画では割とディープな津軽弁を話す”いと”は疎外感を感じ自分から周囲との壁を作ってしまう。

そういう内向的性格なのであった。
たしかにそういうヤツも居たな~。

映画はそんな性格の”いと”が人との出会いや様々な出来事を経験する事によって成長していく様を象徴的な岩木山をはじめ青森県の風景と共に全体の基調としては淡々と映し出していく。

個人的には浅虫海岸は色々な思い出がある所なので印象深かった。
多分、県民ならば見知った風景が出てくるたびに何かしらの思い出が想起されたのではないだろうか。

自分は南部弁話者であるが仕事や親せき関係で津軽と関わりが長いため津軽弁は、ほぼ聞き取れる。
映画の中の会話や微妙な可笑しさを含む表現も問題なく理解できた。

地元民ならではのクスリとさせられる箇所も、所々あったように思うが、そこは長年苦労して(ホントか?www)津軽弁を習得した者へのほんの少しのご褒美であろう。

津軽弁を100%理解できなくてもニュアンスは伝わっていると言う映画を観た方のコメントをSNSでいくつか見た。
映画が楽しめなかった人が仮にいてその理由が方言にあるならばちょっと悲しいがそういうコメントは今のところ見ていないので他人事ながら安堵している。

全体の感想を少し。

初めは頑なな性格だった”いと”がすこしづつ周囲との関係を築いていって最後にはハッピーエンドとなるのだが。
正直な感想として、あの難しい年ごろの女の子が短期間にこんなにうまい事変われるものだろうか?

要するに自分には”いと”は良い子過ぎるのだ。
いや、”いと”に限らず出てくる人間全て良い人過ぎる。

しかし本当はこうあって欲しいと思うのも事実。
ああ、きっと自分の中のリトルへそ曲がりが嫉妬しているだけなのだ。

そして青森県の人間は自分の事をよく言うのを良しとしない。
青森県の映画であるから褒めてはいけない心理が働いているのかも知れない。

ただ、自分のようなこんなへそ曲がりでもじんわりと温かい世界に浸ることができる、どこにも忖度なしで観て損はない映画だと周りには控えめに(いや大々的にでも本当は良いのだが)言うだろう。

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そして、上映終了後に舞台挨拶があった。

写真左から横浜監督(ベイスターズじゃ無ry,イ; k.sh#)、駒井蓮ちゃん、Jちゃん。

蓮ちゃんはめんこかったし、Jちゃんは凛々しかった。
監督は南部に慣れていないらしかったし、フォトセッションはたったの10秒だった。
わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ。イェーイ!

トークセッションは、ウラ話も盛りだくさんでそれはそれは興味深く楽しいお話だった。

ひとつだけ紹介したいエピソードは、Jちゃんが印象的なシーンとして映画の初めの方で”いと”が学校から家に帰ってきて部屋に入ってすぐに靴下を脱ぎ棄てるシーンを挙げていた事である。
何気ないシーンだったが自分も家に帰るとあんな感じなので共感できるし凄いと思ったとの事だった。

思わず「おおっ」と唸ってしまった。
なんと奇遇にも自分も同じシーンが妙に印象に残っていたからだった。
靴下の脱ぎ方や脱いだ靴下の放り出し方が雑でリアルだなと思ったと同時に”いと”の性格やこの映画の基調と言うべきものが表されていたように思う。

3人のお話では、このシーンではそういう所作について細かく監督から指示があったとの事だった。

その他にも様々なシーンでこうした作業が行われ、それを積み重ねていったのだろう。
映画作りの醍醐味の一端がうかがい知れるエピソードだった。

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映画ではアップルパイが重要な小道具となっていたが、それを提供したのがタムラファームとの事。
販売もされているらしいので見つけて食べてみようっと。

では、今日はタムラファームのシードルで乾杯だ。


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