見出し画像

【開催報告】LGBTQ+&かもしれない人のための就活・就労(2021/12/22)

皆さん、こんにちは!学生スタッフのリョウです。今年もLGBTQ+向けの就活・就労イベントが開催されました🎁
当日参加できなかった方のためにも、このnoteでは、当日の様子をお届けします~!

1.イベント概要

就活・就労を迎えようとしているLGBTQ+&かもしれない皆さん、会社選びや面接で悩んだり、困ったりした経験はありませんか?

例えばこんな感じで……
・就活でカミングアウトしなきゃいけないのかな、しなくてもいいのかな。
・カミングアウトする場合は、どうやったらいいんだろう?
・就活の服装、どうしよう。
・性的指向や性自認に関わらず居心地の良いところで働きたいけど、どうやって企業との相性を探ればいいのか分からない。
・パートナーとの関係や子育ての予定について、面接時に企業から聞かれることはあるのかが不安。

このようなLGBTQ+特有の悩みへの対処法を、なるべく具体的に考えられるようになることを目的として、当イベントは毎年企画されています!

2.当日の振り返り

イベントは、
1.開始挨拶、本日の流れの紹介
2.【第一部:知識】LGBTQ+の就活・就労について
3.【第二部:体験談】当事者の就活・就労体験談
4.質疑応答
5.リソース紹介、閉会
という流れでした!

【第一部:知識】LGBTQ+の就活・就労について

第一部では、キャリアコンサルタントで、LGBTQ+の相談支援もされている方から、LGBTQ+の就活・就労についてお話しいただきました👏
まず、私の「こうありたい」=「生き方」が就活・就労の選択、判断の基準になる、ということをおっしゃっていました。仕事・職業・働き方は「生き方」であり、「生き方」を考えるときには、「日々の経験の積み重ねを個人がどう意味づけするか」が鍵となります。自分が普段やっていることの背景にある、自分なりの「意味」づけに気づき、「心が喜ぶニーズ」を再発掘して、納得のいく判断へ繋げることが大事とのことでした。
また、その企業がLGBTQ+フレンドリーかどうかももちろん大切な指標ですが、仕事を考える上では、「本業」で見るという軸も忘れないことが重要だとお話しくださいました。「本業」とは、企業が展開している事業のことで、その事業が社会へどんな価値を提供しているか? をよく見て、自分の納得と結びつくかを考えることも重要だということでした。

【第二部:体験談】当事者の就活・就労体験談

第二部では、実際に就活・就労を経験したLGBTQ+の方々をゲストにお招きし、体験談をお話しいただきましたので、以下に簡単に紹介します!

■就活にあたって考えたり感じたりしたこと
「就活の際、軸として持っていた本音の部分には、自分の属性が関係していた(例:パートナーと家庭をもって暮らすための補助制度があってほしい、一生結婚しなくても生きていける経済力を得たい 等)」
「働くに際して、カミングアウトした時の第三者の反応やそれに対する自分の気持ちを確認したいと思った」
しっくりくる性表現の服装で就活がしたかったが、履歴書ではじかれないか、面接で嫌な思いをしないかが不安だった」
「自分を偽らないといけない社会の方がおかしいので、社会の方を変えたいと思った」

■LGBTQ+特有の悩みの一つであるカミングアウト
就活の中でカミングアウトをした場合もあったが、自分にとってカミングアウトは自分の全てを曝け出すことで、心理的な負担が大きいことに気付いた
「自己分析が深まると、カミングアウトせずに当事者性にまつわる経験を細分化して語れるようになった」
「カミングアウトをは基本せず、人を見てからカミングアウトすることもあった」
「カミングアウトする際には、自分の属性がなぜ自分のやりたいことや強みに繋がるかを、ストーリーにして伝えた
性別欄を空欄にし、志望理由でもカミングアウトをした
「面接時にパワーポイントを作っていき、そこでも言及した」

■働くこと全体への考え
心を守れる環境を作ることと、人生で成し遂げたい夢を追うことのバランスそれぞれで違う
「仕事は1日の大半を使う。今後の変化によっては転職など環境を変えることも考える。自分にとっては仕事よりも健康に生きることが一番大事
仕事は人生の軸の一つで、安定を図る一因。お金があることは精神的にもいいし、自立できる。自分のマイノリティ性の軸と、専門分野の軸両方を仕事に落とし込むように考えた」

LGBTQ+の当事者性のある先輩方から、このようにお話を伺える機会は貴重で、私と似たことを感じていたと知って安心したり、全く違うことを考えていたと知って刺激になったりしました。特にカミングアウトについては、判断の経緯や、具体的な方法について伺うことができ、とても勉強になりました。
また、複数の方が、就活をする時に自分の中に軸を複数持っておいたとおっしゃっていたことが印象的でした。何らかの選択をする際に、自分にとって望ましい全ての要素が完璧に揃って判断するということはないと思いますが、どういうバランスで納得するのかを考えるために、自分の中の複数の尺度を整理しておくことは必要だなと強く感じました。

リソース紹介

キャリアコンサルタントで、GSセンターの職員でもある方から、就活・就労でつかえるリソースを紹介していただきました! 企業探しに役立つサイトや、ロールモデルとなる先輩とお話ができるイベント、相談支援窓口など、心強い情報がたくさん! もしも詳細が気になるという方がいらっしゃいましたら、GSセンターまでお問い合わせくださいね。

3.学スタ後記

私自身が現在大学3年生で、卒業後の進路を考える時期なのですが、このイベントを企画した時点では将来をまったく前向きに捉えられていませんでした……こんな私が主導して大丈夫なのだろうかと不安だったのですが、むしろ自分の不安や悩んでいることをこれでもかと盛り込んでしまえばいいのか! と思い立ち、ゲストの方々にはたくさんの事前質問を送りつけてしまいました。皆さま本当にご丁寧にこたえてくださって、とても嬉しかったですし、参加者の皆さまからも、聞きたい内容が聞けた! とのご感想をいただき、私のもやもやは私だけのものではなかったのだなと改めて思いました。
きっと来年もやる(かもしれない)この企画、開催をお楽しみに!