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授業の様子④グローバルスタディーズ学科

 今週は、GS学科2年生の少人数クラスのひとつ、稲賀ゼミ(応用演習)での、海外フィールドワークに向けた実践的な準備について紹介します。また、稲賀ゼミの方針と考えについても少し紹介したいと思います。

◆  海外フィールドワークに向けて
 希望する話題、調査する地域、必要な言語などを学生自身が考えたり、学生同士で話し合ったりしています。講師側から役に立つ情報や、おもしろそうな課題を提供しつつ、学生全員にそれが有用に働くように工夫しています。 
 まず、新聞の書評切り抜きを選別し、それらを読み比べることから始めました。今なにが問題になっているのか、読み比べて話題を絞り込み、見解が異なる箇所や学生側からの反応を出発点に討論・議論を試みています。それを受けて、情報館への図書購入希望など、大学の運営に積極的に働きかける習慣を心掛けています。

授業の窓から注ぎ込む光と緑が清々しい(2022年7月撮影)

◆ 「Think globally, Act locally」より「Think locally, Talk globally」を推奨
 「Think globally, Act locally」とは、地球的な問題について地域で対応しよう、という提案です。でも環境問題に対応するのに、割り箸を使用禁止にすれば、それでうまくゆくのでしょうか?もともと割り箸は、森林の育成に必要な間伐材を材料にしていたはずです。割り箸はリサイクルの一環だったのです。となると、「Think locally, Talk globally」が必要ではないか?実地に密着して観察し、考え、それをひろくグローバルな視野で、様々な文化圏の人々と分かち合う討論をめざして、稲賀ゼミで議論に励んでいます。

授業の要点はホワイトボードに(2022年7月撮影)

◆ 高等学校までの学習を生かして、その先へ
 高等学校までの「入試目的」の教育は、実生活には役にたたないという批判があります。でも実際には、高校までに養った学力を 使うのはこれからです。ノートの活用法など具体的な実勢経験を、ゼミのかなで、その場で体験し、身につけることがなによりです。さらに、そのうえで具体的な人生目標とそれへの筋道を示すのが、ゼミの目標と考えています。いわゆる専門を決定するのは、その後で十分です。

2022年8月18日 
稲賀繁美(グローバルスタディーズ学科教員)


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