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25%稼働率、1日3回上映、マスク必須

”フェーズ1”

アメリカ、テキサス州にあるSantikosとEVO Entertainmentという二つの映画館チェーンが今週、再稼働を開始しました。

Santikosはロビーが比較的広いため、再開に向けた準備を「実証実験」として実施するのに適しているということで、白羽の矢がたったようです。

但し、各劇場の稼働率は25%を上限とし、上映も1日3回までとし、スタッフが入れ替えの際の清掃に十分な時間を確保するようにオペレーションが設計されています。240名収容できる一番大きな劇場は60名までしか収容することができません。前後左右の席は空席とのことで、両サイドに人がいるのが嫌いでいつも角の最後列の席を購入する私にはかなり嬉しいのですが、実際、この稼働率で長期運営、経営は難しいのではと思います。

まずは、フェーズ1ということで、徐々に様子をみて、調整をしてくのだとは思います。ただ、もちろん、スタッフや観客に一人でも感染者が出てしまうと、また、閉鎖、オペレーションの見直しなどを繰り返すことが予想され、大手シネコンはともなく、独立系の映画館は運用体制を築けない可能性が懸念されます。

映画館ビジネスのエコシステム強制見直し

再開に向けて、EVO Entertainmentは下記のような運用手順を作成、公開しています。

席はこんな感じ・・・

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チケット購入:劇場での現金購入不可、モバイルアプリでの事前購入推奨、劇場ではセルフサービス発券機のみ
コンセッション:こちらも現金購入不可、購入する場合は、3メートル以上あけて並ぶ、事前オーダーアプリも準備中

完全にアプリ商圏に移行ですね。アプリ使えない人は映画館から足が遠のくのではないかしら・・・ここは、もう、言い訳せず、かんばるしかないです。はい。

そして、何が上映されているかというと、Santikosでは、上映されてます。Trolls World Tour

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最新作をいち早く上映するのではなく、過去の作品(グレイテスト・ヒッツ)的な作品を$5で上映することで、人々が映画館に戻ってくる為の予行練習をしているようです。少しでも楽しめる場の提供ということで安全第一での社会貢献活動の側面が高いのだと思います。

日本でも東宝シネマズなどが、緊急事態宣伝の直前にETなど上映してましたので、再開の際には、懐かしの名作が一気にメガシネコンで上映されることが予想されますね。

日本のシネコンや独立系の映画館は今どんな準備をしているのでしょうか?再開に向けて、どんな話し合いが各社されているのか大変、興味があります。

日本の企業はオペレーション体制を迅速に変えることが苦手なので、(そんなこと言ってられませんが・・・)状況が再開を許しても、体制を整えるのに時間がかかるかもしれません。

稼働率を抑えた営業の中で、公開延期作品をどう上映していくのかも、悩ましい問題ですね。

チケットの完全電子化は、大手中心に既に移行はしているので、そこまでの混乱は起きないと思いますが、高齢者の方が対応できるか、独立系の小さな映画館はどう対応するのかなど、業界全体を見渡し時には、色々な課題が顕在化してくると思います。

残念ながら、対応できず、弊社する独立系の映画館も当然あると思います。大手シネコンにおいても、利益率が悪い場所は閉鎖も当然あるでしょう。

需要と供給のバランスが今はまだ、見えないですが、上映したくてもできない作品というものが少なからず発生するとは思います。一時的な状況としても。

米国のAMCが公開と配信を同時に実施するday and dateがメインストリーム化することへの懸念を表明してますが、そんなことを言っていられない状況になる可能性もまだ、多分にあるのではないでしょうか。

変化の時?

コロナ感染危機は変化へのチャンスなどと、簡単には言えませんが、変化への兆しはあっちこっちで、コロナ以前に発生しており、また、この危機で脆く崩れ去ろうとしていることは、それは時間の問題であり、コロナ感染危機により、顕在化が少し加速しただけなのかもしれません。いずれにしても、考えることを止めず、固執せず、完璧を目指すのではなく、柔軟にニーズ、課題に対応していく姿勢が映画業界(特に日本の)には強く求められてるのではないでしょうか。

映画宣伝のデジタルマーケティング技術とノウハウを蓄積しているGruviではVOD配信に向けたキャンペーン実施の支援を実施しております。

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