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ドイツでドイツ語を習ってみた

Hallo! Grünです。

今回は、ドイツで暮らすようになって始めたドイツ語の勉強についてのお話です。

1.ドイツ語を習い始めたきっかけ

夫の海外出向に伴い、たまたまドイツで生活することになった私。渡独してすぐは、知り合いはほとんどおらず、頼れるのは夫だけ。仕事もなく、子供もおらず、毎日家の中でひきこもり。そんな日常を変えるため、とにかく人脈をつくり、家庭以外にも自分の居場所が作りたい!その目的を果たす手段として選んだのが「ドイツ語」でした。

実は以前にも夫の仕事の都合で1年半ほどアメリカで暮らした経験があります。そこでは英語の語学学校に通うことで人脈を広げることができました。その成功体験から、ドイツ語を学べば誰かしらと出会い、新たな人間関係を構築できるのではないかと考えたのでした。

2.ドイツ語と私

日本で生活している時はドイツ語に触れる機会はほとんどありませんでした。日本の片田舎で生まれ育った私にとって、外国語=英語でした。

社会に出てからも必要に迫られて勉強する外国語といえば英語。新卒で入社した会社では、入社式の翌日にTOEIC(英語能力テスト)を受検しないといけなかったり、昇進要件の1つにTOEIC〇〇スコア以上というのがあったり...英語力を求められることはあってもドイツ語力を求められることは皆無でした。

今までドイツ語とは無縁だった私が、アラフォーになってから、ドイツでドイツ語を勉強することになるなんて...人生何が起こるかわかりません。

3.どうやってドイツ語を勉強するか?

ではどういう風に、どこでドイツ語を学ぼうか...まずはインターネットで、「駐在妻」「ドイツ語」「勉強」と言った言葉を並べて検索してみました。すると、私と同じような立場でドイツで生活している先達のブログ記事がヒット。他にも、駐在妻としてドイツで暮らした経験のある方や夫の会社の日本人駐在員の配偶者の方からも情報をいただきました。語学学校やオンライン授業で勉強している方もいれば、友達と少人数でグループレッスンを受けている方もいたり、中には独学で勉強している強者も!また日本人の先生orドイツ語ネイティブの先生に習うかなど、探せばいろんな選択肢がありましたが、今回私がドイツ語を学ぶ第1の目的は「人脈づくり」ということで、当初の想定通り、語学学校で対面でドイツ語を習うことに決めました。

4.VolksHochSchule(VHS)

数ある語学学校の中で私が選んだのは、”VolksHochSchule”(フォルクスホッホシューレ、略してVHS)のドイツ語コースです。VHSとは平たく言うと大人向けのカルチャースクールで、ドイツ各地に開校、州や市によって運営されています。VHSではドイツ語の他にも、英語やイタリア語、スペイン語など、様々な国・地域の言語を学ぶことができます。(私の街のVHSでは日本語コースもある模様!)また語学の他にも楽器演奏やヨガにバレエなど、幅広い分野の中から好きなコースを選択することができます。

VHSでは、レベルや開催時間帯(午前・日中・夜)・頻度(週1〜5回)ごとに複数のドイツ語コースがあり、自分に合ったコースを選択することができます。また1コース、大体1ヶ月〜3ヶ月ほどで修了となります。中には移民向け(ドイツの滞在ビザを取得するために受講が必須)のコースやドイツ語能力検定(GotheやTelc)対策コースも。私はまず、初級レベルの平日午前×週3回開催されているコースからスタートすることにしました。

5.VHSのメリット・デメリット

2023年の春ごろから通い始め、途中休憩を挟みながらも、VHSでドイツ語の勉強を今も続けています。これまでの1年半を振り返り、VHS でドイツ語を学ぶメリット・デメリットについて自分なりに考えてみました。(あくまで個人の感想です。)

【メリット】

いきなりお金の話からで恐縮ですが、授業料がリーズナブル!私の通っているコースの授業料は、1日3時間あたり16ユーロ、日本円に換算すると約2,700円(2024年11月時点)くらいでしょうか。一般的な民間の語学学校より授業料がお手頃です。

授業内容でいうと、1つのコースで読む・書く・聞く・話すことを総合的にバランス良く学べることがメリット。比較対象として適切ではないかもしれませんが、私が中高生だった頃に受けた学校の英語の授業は、書く・話すことより、読む・聞くことに重きが置かれ、先生の話を聴く時間が長かったような記憶があります。VHSに限らずドイツの教育スタイルなのかもしれませんが、授業では文章を読んだり、リスニング問題を解くことはもちろん、自分の意見を発言することを求められたり、ちょっとした作文を書く宿題が出たりと、インプットだけでなくアウトプットをする練習も多くできます。

またVHSは集団で学ぶ場、1コースあたり10数名のクラスメイトと一緒に授業を受けています。授業中、他のクラスメイトが話すの聞いて「こういう表現の仕方があるんだ」とか「この単語はこうやって発音するんだ」など、先生だけでなくクラスメイトから学ぶこともしばしば。独学では得られない「気づき」を得ることができます。

そして、クラスメイトもドイツ語を母国語としない、世界各国からやってきた人たち。日本では出会うことのないであろう、様々なバックグラウンドを持つ人たちとコミュニケーションを取ることは、とても刺激的で面白いです。

【デメリット】

個人的には満足しているVHSのドイツ語コース。ただ、全く懸念点がない訳ではありません。

まず、先生によって授業の質が変わること。授業の進め方は1人1人の先生の裁量に委ねられている所も多いようで、同じレベルのコースでも先生によって教え方や知識量に差があるように感じます。以前、週4回開催のコースを受講した時のことです。そのコースは先生が2人体制で、月・火曜日はA先生、水・木曜日はB先生が担当でした。A先生もB先生も同じテキストを使って授業を進めるのですが、教師経験が浅いと思われるA先生の授業は、話すスピードが早かったり、板書も読みづらかったり、B先生に比べて説明がわかりづらかったです。またA先生とB先生の間で授業の進捗についての引き継ぎが十分なされていないようで、授業の進行がスムーズにいかないことも。日本では考えられないな...と少しモヤっとしました。

一方、現在受けてるコースの先生はベテランで、テキストだけでなく先生お手製のプリントを使ってわかりやすく説明してくれたり、生徒それぞれのレベルに合わせた質問を投げかけてくれたりと、生徒1人1人の理解を深めるための工夫が授業の隅々に感じられます。先生の人柄も良く、授業前後や休憩の時間も積極的に生徒に声掛けしてくれます。

もう1つは、同じコースを受ける生徒のドイツ語レベルにばらつきがあり、クラスメイトによって授業の進行具合や内容が左右されることも。例えば、初級レベルのコースでもドイツ在住歴が長く日常会話には困っていないけど、文法や読み書きを習いに来てる人もいれば、挨拶はできるけどそれ以上は話せない、読み書きもまだまだこれからといった全くの初心者が同じコースに混在していたりします。そういう場合、レベルの高い人に合わせて授業が進んでいく傾向が強いように感じます。疑問点は自分から積極的に質問しないと、理解できないまま授業が進んでしまいます。そういった面では、プライベートレッスンの方が自分のレベル・ペースに合った授業を受けられ、質問もしやすいかもしれません。

ここで挙げたデメリットはVHSに限らず、他の語学学校に通っても似たような課題にぶつかるような気がしますし、先生やクラスメイトとの相性の良し悪しは運次第ですが、VHSに通う際には念頭に入れておくといいと思います。

6.ドイツ語を習ってみて

最後に、ドイツでドイツ語を習ってみて良かったこと...それは「人脈づくり」という当初の目標を達成できたことです。1番最初に受けた初級のコースで幸運にも気の合う方(しかも日本人で同じ駐在妻の方)と出会うことができ、その方とお互いに友達と呼べる関係になれました。孤独を感じることも多い駐妻生活...夫以外にも心の拠り所ができ、心の安定につながりました。

また、私にとって未知の世界であったドイツ語。大人になってから新しい世界に飛び込み、何かに挑戦する機会は減っていたので、どんなに些細なことでも、自ら勉強して新たな知識を身につけることに喜びを感じました。渡独当初はスーパーで買い物するのにも四苦八苦していましたが、今ではドイツ語を使ってカフェで注文するくらいは気兼ねなくできるようになったので、勉強をして良かったなと感じます。

とは言いつつ、まだまだドイツ語初級レベルの私。現在受講中のドイツ語コースは中の下くらいのレベルですが、習う文法が複雑になってきたり、出てくる単語が難しくなってきました。また今まで習ってきた基礎的な知識も定着していないことを痛感することもあります。一方で、私は期限付きのドイツ滞在、いつかは日本へ帰国することが決まっているし、ドイツ語をほとんど話せなくても今現在何とか生活できてしまっているので、これ以上ドイツ語を勉強する必要もないのでは、と自問自答する時も。どのようにドイツ語へのモチベーションを維持すれば良いのか、考える今日この頃です。

と、ここまでが現時点での私のドイツ語歴となります。直近の目標は、現在受講中のドイツ語コースを何とか修了すること。とりあえずそれを達成できるように、ヒイヒイしながらも何とか授業に食らいついていきたいと思います。

実質的な第1回目の投稿、思いのほか長文になってしまいました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。Tschüss!

Grün

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