スキーやスキーボードの撮影、動画編集について(その5・自撮りの練習)

 随分と期間が空いてしまいましたが、こちらは連載記事になります。

 さて、スキーシーンでの撮影の革命児と言って良い「インスタ360One」から新たにX3が販売になりましたね!

  このX3は多くの方が使用しているX2のマイナーチェンジ版といった感じのもので、基本性能はX2と大きく変わりませんがタッチ画面の操作性がアップしたり、自撮り機能に特化した進化をしたものになっているようです。
 ただ・・・円安の影響で高い!コスパとしては十分にも感じますが、とりあえず買ってみようと言う価格ではないのが残念です。
 それでもこのインスタ、自撮りにおいては最強の一台なんですよね。距離さえ間違えなければ何も気にせずカメラを回すだけで色々撮影できるので、もしこれからスキーでの撮影を考えている方は是非一考の一台に加えて良いと思います。

 と、そんな自撮りについて今回はお伝えしたいと思います。

自撮りとは

 簡単に言えば「自分で自分を撮影する」と言うことです。最近のスマホでは画面側のカメラも性能が良くなって、自撮りがとてもやりやすくなっているようですね。
 動かない対象、例えば止まって撮影とか、机の上に置いて撮影であれば自撮りはそんなに難しくありませんが、スキーなどで滑りながら撮影!となるとこれはとても難しくなります。

 何より撮影したいものをほぼ「自分の勘」で撮影する状態なので、慣れやコツがとても必要になります。特にスマホでの撮影の場合は元々そう言う機能が優秀ではないので難しくなります。

距離感とアングル

 自撮りで難しいのが距離感とアングルで、実際にやってみて後で確認すると・・・自分がうまく写ってないことがほとんどになります。せっかく撮影したのに・・・
 画面側のカメラで撮影すればいいじゃん!ってな発想もありますがこれもうまくいかない。画面側のカメラは動くものを撮影するのには適していない程度の性能なので、これもやってみるとあまりうまくいきません。それに例えば滑りながら画面をみつつアングルを確認しながら滑るなんてことはできませんし、何より危険です。

 アングルというのは案外大事な要素で、動画のメリハリをつけるにはアングルを変えるのは必要です。なんか同じアングルばかりとなると、動画編集してもみていてもつまらなくなってしまいがちです。

 こうした問題を解決するのが「自撮りの練習」です。

お散歩で自撮りしてみる

 いきなりゲレンデで!としないでまずは近所や公園でお散歩しながら自撮りを体験してみましょう。使うのはお散歩なのでスマホで十分、市販のスマホ用の自撮り棒に取り付けて撮影してみましょう。
※自撮り棒を使用する場合、スマホの脱落などに十分注意してください。またスキーでの撮影で使う場合、簡易的な自撮り棒は強度が足りないことがしばしばありますので、スキーなどスポーツで自撮りをする場合は適度に強度のあるものの使用をお勧めします。

 撮影する場合、スマホならば画面側ではなくメインカメラをこちらに向けて撮影します。カメラは最初はオートモードで、設定が可能ならば手ぶれ補正もオンにします。
 最近のスマホだと広角モードなどありますが、これは後にしてまずはこの設定でお散歩を自撮りしてみましょう。どうです?撮影中に画面が見えないし、やってみると意外と難しいでしょ?

 最初に問題になるのが恐らく「自分が近すぎる」です。スキーなどのスポーツで撮影する場合、できるだけ全身が写ってるのが理想的です。しかしやってみると自分が近く全身が写っていない感じになってしまいがちです。

 なぜ全身が映っている方がいいかというと、スポーツは自分とスキーや自転車といったものが写ってないのと・・・はて?この動画は一体何を写したいんだろう?と言う見た目になってしまいます。スキーで自撮りしたい方は自分の滑りが見たいはず。それがどれくらいの距離感でどうカメラを向ければいいか?がわからないと、撮影しても映っていなくて無駄になってしまうのです。
 それに編集であとでズームはできますが、それ以上離れてというアングルはできません。のちの編集を考えると、ある程度全身が映っている距離感を測っておくのは大事なのです。

 次に設定で「最高画質」にして、設定可能なら「広角」で撮影してみます。どうです?全然違った感じになるでしょう。

 画質設定は容量の問題がない限り「最高画質」で撮影すると、のちの編集がとても楽になります。デメリットとしては録画容量が膨大になるので長時間撮影ができないのと、編集時にパソコンなどのスペックによっては編集に四苦八苦してしまう可能性があることですが、これは最近のものであればそんなに問題にはならないかと思います。

 広角はこれが使えればとても楽になります。そんなにカメラを離して持たなくとも全身が映りますし、見た目も人の目で見ている風景に近く感じられます。そして手振れを感じさせにくくもなりメリットがたくさんあります。デメリットは画面が外側にいくほど歪むので、その辺の違和感をどうするか?と言うことになります。

「広角」

 スマホではなく一般にこう言う用途で用いられるアクションカムと呼ばれるものの多くは元々「広角」になっています。画面を広く撮影できるのが広角レンズの持ち味ですが、一つの被写体を追って撮影するのに広角はとても適しています。逆に言うと広角でないカメラで撮影する場合、相応に離れたところから撮影しなければ全体を捉えることが難しくなります。特にハンディカムなどは遠距離撮影に適した作りで自撮りはとても無理!腕が2mくらいないと撮影できません。

 この広角は多少向きがずれていても撮影できて楽で、距離感も近くて良く難しくないのが利点です。が、撮影したものは撮影対象が中心にないとひどく違和感のある映像になってしまいます。なので自撮りの場合、どう言う感じで撮ればいいのか知っていれば難しくなくなりますが、知らなければやっぱり失敗してしまいます。

手の向き、カメラの角度、棒の長さ

 これらを踏まえてお散歩撮影!やってみると見えてくるのが「手はあまり動かさない方がいい」「カメラはちょっと傾けた方がいい?」「棒はこれくらいの長さ」と分かってきます。慣れたらちょっと走りながら撮影してみるとまたいい気づきを得られます。
 この向きや調整はカメラによってさまざま。しかし試して知っているといざ本番も同じように扱えるので撮影がグッと楽になりますし、失敗も減ります。慣れたらアングルを変えて撮影すると、これも本番で非常に役にたちます。
 そして最終的に意識してほしいのが「自撮りしていてもカメラを意識しないでお散歩できるか?」です。これが意外と盲点で、これができないとゲレンデなどでの自撮り撮影は難しいものになるでしょう。

自撮り撮影するにあたって

 ここで自撮りについてみなさんにお伝えすべきことがあります。自撮りは周囲に危険を与えてしまう行為になりがちなので、必ず自己責任のもと、安全に十分考慮して行うことが必要です。また施設やゲレンデによっては自撮りを断っているところもあります。ローカルルールなどもありますので、どこでも自由に自撮りしていいとは考えないようにしてください。
 そして一番大事なことですが、スポーツ中に自撮りを行うのは大変危険な行動です。撮影に夢中になって事故、怪我などのことが起こり得ますので、必ず周囲の安全と自身のことを見て、無理のない方法、用途で自撮りを行なって下さい。

お散歩撮影で理解したところで

 こうして練習を繰り返しておいて、いざゲレンデで!と行えば未然の危険をある程度防いだ上で自撮りができます。お散歩撮影で設定やカメラの違い、いろいろなことを試して練習しておいて、ゲレンデで実践してみてください。

 さて、次は編集について触れてみましょうか。

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