『白い世界が続く限り』【序章】
山梨の冬の夜は意外と寒い。特に帰宅した夜ふけにひとりで暗い部屋のスイッチを探るときに余計に感じる。電気が点けば本が散らかるだけの部屋、エアコンのスイッチを入れて部屋が暖まるまでは小さなコタツが頼りだ。
そのコタツも暖まるまで冷え切ったものだけど。
》きたくー
SNSはマイペースな自分によくあっている。こうしてバイトからの帰宅をスマートフォンから書き込むと、もう二十二時も過ぎたのにフォロワーさんたちが返事をくれる。バイト中に流れていったタイムラインを遡りながら足が暖まる