スキーのパウダー板とかパーク板って、スキーボードと同じでスキーとは実はジャンルが違うのでは?

 GRではいつもスキーとスキーボードは別のスノースポーツだとお伝えしています。基本的な滑り方が共通で板が二枚で、形状が似ている以外は随分違いがあります。
 大きな違いはやはり長さ。長板のスキーは進化によってだいぶ長さが短くなってきていますが、スキーボードはそれより圧倒的に短く、そして太いです。そのような違いがあるからかスキーの経験や技術、考え方のみでは滑ることが難しく、スキーボードならではものがあるので別のものととらえています。

 で、今回の主題。だったらパウダー板とかも違うジャンルになるのでは?

 パウダー板、BC板、非圧雪のオフピステのゲレンデやスロープを滑ることに長けた板で、特徴は板の大きさ。一般適なスキーよりも大きく、太く、そして浮きます。浮くというのがポイントで、一般的なスキーでも浮かせる事は技術的には可能ですが、難しくて疲れます。しかしパウダー板は構造として浮かせる構造、ロッカー構造を持つので、かなり楽に板が浮きます。パウダーやツリー、バックカントリーと言った、平らに整地されていないゲレンデではこの構造がとても有用で、意のままにフワフワとすべっていける感覚は他にない快感です!

 そしてパーク板。これはもはや独自進化を続けていて、ジャンルとしてスキーボードと似たような位置付けになると思います。パーク板はキッカーやジブと言った構造物、地形などて滑ったり飛んだりパフォーマンスするのが目的のスキーで、一般のスキーでは考えられない構造の板も存在します。
 何せ、パーク板ではエッジは邪魔なもの。キッカー主体の遊び方ならばエッジは必要になるものの、ジブの為にエッジを落とすのは当たり前、中にはエッジの無いものすら存在しています!※スキーボードでもかつて足下のエッジが無いスキボがありました。

 これらはこうした違いがあって、それぞれにそれぞれの滑りのコツや違い、それによる技術的な区別や考え方があります。なのでスキーだから全部同じではなくて、別のスノースポーツとしてそれぞれをリスペクトして考えれば、スキーの世界全体ももっと変化して楽しめるようになるのでは?と考えます。

 といって、わざわざ区別する必要は?となりますが、私は必要だと感じています。画一的な技術理論でまとめてしまうとただただ苦労するだけ。スキーボードもスキー技術に+αとするだけで随分楽になって楽しめますし、ほかのものも同じ+βだったり+Γだったり、独自進化部分を相互に受け入れられれば、自ずとそこに芽生えたモラルやルール、マナー、安全なども共有されると思うからです。

 かつてのスキーはスキー技術のうまさ、滑りの巧みさが優劣を生んで、そこにステイタスや憧れを生み出していました。しかし多様化した今、その憧れや快感のベクトルはそれぞれの方向に進んでいます。だからこそGRでは、それぞれのジャンルで楽しんでいる皆さんをリスペクトして、同じように楽しんでいるように感じられるスキーボードをより深く、広く、スキーボードらしい楽しみ方を提案したいと思います。

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