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「ゆっくり茶番劇」問題。商標権侵害になる場合、ならない場合【解説】

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、「ゆっくり茶番劇」問題。商標権侵害になる場合、ならない場合というお話をしたいと思います。

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商標で使用OK、NGの場合

「ゆっくり茶番劇」については最終的には決着を見たわけですが、この少し前にドワンゴ側が公式声明を出しました。この「ゆっくり茶番劇」は商標登録がされているけれども、これについて、こういう場合は使用がOKですよ、こういう場合はNGですよという声明を出したわけです。この問題に関しては、最終的に権利者、登録をした人が抹消申請をしているので解決はされていますが、法律的に非常に興味深いものなので取り上げてみたいと思います。

商標権侵害にならない場合

商標権の侵害、つまり商標登録がされている場合に、どのようにそれを使うと商標権侵害になるのかというお話です。まず商標とは何かというと、サービス名やロゴなど他にも色々ありますが、そういうものだと思って下さい。商標権侵害とは何かという事ですが、他人が登録した商標、それと類似する商標、つまり全く同じものもそうですが、似たような商標について使用するというものです。また、登録区分について使用するというものもあります。これについては詳しくは省きますが、商標というのは1類から45類というものがあり、化粧品であれば何類というようにその区分ごとにとるわけです。なので、その区分で例えば「Tシャツ」でとられていると、「Tシャツ」でその商標を使うとNGとなるという話になります。そして最後のポイントとしては、自己の商品・サービスとして使用するという場合に商標権侵害となります。
ではドワンゴ側が「ゆっくり茶番劇」の商標をとられたという場合に、どういうふうにその「ゆっくり茶番劇」というものを使って良いのか、悪いのかという公式声明があるので、詳しくは見ていただければと思います。例えばですが、タグや説明文中、セリフの中で「ゆっくり茶番劇」と利用するのは、これはOKです。私も今、現に「ゆっくり茶番劇」問題というように使っていますよね。これは別に「私のサービスですよ」「これから『ゆっくり茶番劇』というのをやりますよ」と私が言っているわけではなく、「ゆっくり茶番劇」という問題について私が語っていますという話なので、これについては問題ないわけですね。
また、キャラクターについては、商標登録はされていません。あの独特なキャラクターを思い浮かべていただくと良いかと思いますが、あのキャラクター、動画については問題ありません。

商標権侵害になる場合


では、NG例はどんなものかというと、「ゆっくり茶番劇 part1」のような動画を作って、流す場合です。まさに自分が「ゆっくり茶番劇」を作っている、自分のサービスかのように使っている場合はNGになるわけです。「ゆっくり茶番劇 part1」「ゆっくり茶番劇 part2」といった形でタイトルの下に定期的に異なる内容の動画が投稿されている場合はダメだとされています。また、「ゆっくり茶番劇」をチャンネル名にするなど、自分の商品・サービスという形で使用するとNGとなります。
さらに、先ほどご説明した通り、「ゆっくり茶番劇」というものをダイレクトに使う事は当然ダメなわけですが、類似使用もダメです。では、どこまでが類似使用になるかというのを365種類の文字列について具体例を挙げて、「ゆっくり茶番」「ゆっくり茶番?」「ゆっくり茶番劇場」のこの3つはNGで、その他はOKだとしています。これには法律事務所の監修が入っているという事なので、これが本当に裁判上そうなるかという問題はありますが、これが類似か類似ではないかという事に関してはかなり参考になると思います。なので、1つの事例として興味深いものだと思うので、他人が登録されている商標について使用したいという方は、ぜひこれを見ていただけると良いかなと思います。

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