Zoom営業は電話勧誘販売になる?【特定商取引法】

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、Zoom営業は電話勧誘販売になる?【特定商取引法】というお話をしたいと思います。

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特定商取引法の電話勧誘販売とは

特定商取引法には電話勧誘販売というものがあります。これは相手に電話をかけたり、電話をかけさせたりして契約締結をさせるものであり、特定商取引法で規定をされています。この法律ができた時には電話を想定していましたが、Zoomで勧誘をした場合には電話勧誘販売になるのかどうかについてご説明したいと思います。

まず、電話勧誘販売にあたると特定商取引法の規定に準ずることになるため書面交付義務やクーリングオフが定められています。ですので、書面交付やクーリングオフをしないと法律違反となり、そもそも書面を交付しなければ永遠にクーリングオフができてしまうということにもなります。

特定商取引法の電話勧誘販売規制とは?

次に電話勧誘販売の電話の場合について少しご説明します。まず、事業者側から電話をかける場合については電話勧誘販売にあたります。これに対し顧客側から電話をかけた場合では2つの場合であれば電話勧誘販売になるとされています。1つ目は契約締結の勧誘を告げずに電話をかけることを要請した場合です。2つ目は他社より著しく有利な条件で契約が締結できると告げて電話をかけることを要請した場合です。つまり、「これはうちだけのすごくよい話なので、電話をかけてください」などと言って勧誘した場合は電話勧誘販売になるわけです。

Zoom営業は電話勧誘販売になるとは

では、Zoomの場合はどうなるのかというと、Web会議ツールにおいて事業者がURLを送った場合には「事業者側からかける」に該当し、電話勧誘販売になるとされています。これは「特定商取引法ガイド」の「電話勧誘販売の解釈に関するQ&A」に記載されています。
ただ、この解釈が本当にあっているのかについては判例、裁判例では決まっていないというところがあり、正直なところZoomと電話では少し性質が違うのではないかと思っています。電話の場合はいきなりかけることも向こうからかけさせることもできます。しかしZoomの場合は「Zoom会議をしましょう」「わかりました」「いつにします?」「〇〇日〇〇時にしましょう」「ではZoomリンクを送りますね」という形になるかと思います。
電話勧誘販売についてなぜ特定商取引法で規制されているかというと、電話は不意打ちになるからです。心の準備をしていないままに商品説明をされると不意に申し込んでしまう可能性があるため、消費者を守る意味で電話勧誘販売というものはあるわけです。しかし、先ほどもお話した通り、ZoomはいきなりZoom会議が始まるわけではないため電話とは性質が違うかと思います。仮に事業者側からURLを送ったとしても「顧客側からかける」に該当するという解釈もあり得るのではないかと正直なところは思っています。個人的な意見ではありますが、むしろこちらの方が解釈としては素直なのではないかとも考えています。ですので、ここははっきりとしていない部分でもあり解釈の余地はあるかと思います。

少なくとも「顧客側からかける」に該当する場合でも、契約締結のための打合せであることは告げる必要はあります。「とりあえずフランクにお話しましょう」といった形でZoomを行い、契約を締結した場合には電話勧誘販売にあたります。同様に「今だけの特別なオファーなのでお話しましょう」といった形で著しく有利な条件で契約できることを告げてZoomのURLを送った場合も電話勧誘販売になるので注意してください。

ZoomのURLを送るのがダメなのであれば、顧客から送ってもらえばよいと思うかもしれませんが、送ってもらうとすると確実に「顧客側からかける」に該当するため、ここも対策が必要かと思います。

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