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2024年版 IEOの法律的規制を弁護士が解説!

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、2024年版 IEOの法律的規制というお話をしたいと思います。

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IEOとは何か

ご存じない方も多いかもしれませんが、IEOとは仮想通貨、暗号資産、NFT、トークンなどの文脈で使われる言葉です。一時、ICOが流行しまたが、これはまだ取引所に上場されていないコイン(仮想通貨)を売るもので、あとから取引所に上場することで価値が上がるので今のうちに買っておいて欲しいとするものです。このICOを日本で行うためには暗号資産交換業の登録が必要ですが、暗号資産交換業の登録はとくにスタートアップやベンチャー企業にとっては非常にハードルが高いもので実質的には無理となっています。ですので、日本でICOを行うことは非常に難しくなっています。

これに対してIEOとはInitial Exchange Offeringの略で既存の暗号資産交換業者を通じたトークンセールを指します。たとえば、私が中野コインという仮想通貨をつくったとします。暗号資産交換業の登録がない私がこの中野コインを売ると違法になってしまうため、bitFlyerやCoincheckなどの暗号資産交換業の登録を持っている取引所を通じて中野コインを売ってもらう、これがIEOです。

IEOを行うための手続き

IEOを行うには既存の暗号資産交換業者に取り扱ってもらわなければいけないので、そのための手続きが必要となります。IEOの手続きは大きく分けて下記の5つがあるかと思います。

①発行事業者から暗号資産交換業者(取引所)へのIEOの打診
まずは中野コインの発行業者からbitFlyerやCoincheckなどの暗号資産交換業者(取引所)へ「中野コインを売って欲しい」という打診をします。

②取引所の社内規則に基づく受託販売審査
発行業者からの打診があると取引所は中野コインを取り扱ってもよいのかを審査します。取引所は各社で定められた社内規則などにそって詐欺ではないか、システム的に大丈夫なのかなどを精査します。

③JVCEAによる取引所の審査結果の検証
 次に暗号資産交換業者の協会であるJVCEAが取引所の審査結果の検証を行います。たとえば、bitFlyerが審査をして社内的に中野コインの取り扱いをOKとした場合、その審査がきちんと行われたのかどうかの検証がされます。

④金融庁のフィンテックモニタリング室による審査
 JVCEAの検証が終わると、最終的には金融庁の審査が行われます。暗号資産交換業者が扱ってもよいものなのかどうかを金融庁が審査します。

⑤取引所から金融庁への取扱い暗号資産の届出
 金融庁の審査ののち、bitFlyerなどの取引所から金融庁へ「中野コインを取扱い暗号資産としてください」という届出をします。

 IEOを行うためにはこのようにきちんとした段階を踏む必要があるので、かなり大変であるといえます。

暗号資産交換業の資格を持っていない場合は仮想通貨、NFT、トークンなどを売り出したいと思っても自分では売れません。代わりに既存の暗号資産交換業者に売ってもらうためにはご説明したような手順が必要になるということを覚えておいていただきたいと思います。

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