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最高裁判所の判決は、どのくらい影響力があるの?【解説】

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、最高裁判所の判決はどのくらい効力があるの?というお話をしたいと思います。

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最高裁判所って、どういう組織?

「最高裁判決にはどういう意味があるの?」「法律と同じ効力がありますか?」というご質問をいただいたので、ご説明したいと思います。
裁判所には地方裁判所、簡易裁判所、高等裁判所、最高裁判所があります。日本は三審制を採用しており、最高裁判所の判決が最終判断となるわけですが、地方裁判所や高等裁判所の判決とは異なる、何か特別な意味があるのでしょうか。

日本は三審制といいましたが、基本的に最高裁判所はどのような事件も扱うわけではありません。最高裁判所では「憲法に違反するかという問題」と「法律の解釈にかかわる問題」の2つしか基本的には扱いません。ですので、「その事実が間違っている」「その証拠の価値がどうか」ということについては最高裁判所では扱いません。
逆にいうと、最高裁判所が判断をするということは、憲法や法律の解釈に何かしらの変更がある時となるわけです。

その他の事件も上告自体はできます。事実認定がおかしいという場合でも上告はできますが、そもそも受理されません。最高裁判所には15人しか裁判官がおらず、基本的には憲法や法律の解釈にかかわる問題に限定されています。

最高裁判例≒法律

このように最高裁判所の判断は憲法上の判断や法律上の解釈の判断になるため、最高裁判例が出た場合には高等裁判所や地方裁判所などの下級審でも基本的には、その最高裁判所と同じような判断が出ます。つまり、「最高裁判所がこういっているから」ということになり、実質的には法律と一緒といってもよいと思います。
当然、法律は立法といい国会がつくるものであり、判例は裁判所なので厳密には異なります。しかし、憲法の判断や法律の解釈の判断について最高裁判所が判決を出すとなると、実務的にはかなり重いわけです。

ですので、司法試験でも判例を覚えますし、最高裁判決が出るとなると直近の地方裁判所や高等裁判所の判断基準になるため、われわれ実務家は勉強をします。このことからも法律と同じような効力があるといえるわけです。

また、通常、「判例」とは最高裁判所の判決を指します。高等裁判所や地方裁判所の判決は「裁判例」といい、実務上は明確に分けられています。「判例」という場合は最高裁判所の判決であり、「判例≒法律」というイメージかと思います。このように最高裁判所ではそもそも審議されることも少ないですが、いったん審議されるとかなりの影響力があるということをおさえておいていただきたいと思います。

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