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弁護士は「異議あり!」と言わない?ドラマだけ?

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、弁護士は異議あり!とは言わない?というお話をしたいと思います。

YouTube動画でご覧になりたい方は、こちら
https://www.youtube.com/watch?v=Y9GpVga4oOE

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弁護士は異議ありって言わない?

弁護士というと、何となく逆転裁判やドラマを見ていると「異議あり!」と言う場面が多いかと思いますが、「これは実際に言うんですか?」という質問をよくされます。今日はこの事についてお話をしたいと思います。
実際には、この「異議あり!」は言いません。全く言わないというわけではなく、私は2回だけ言った事がありますが、実はあまり頻繁に言うものではありません。10年以上弁護士をしていますが2回だけです。これはもっと多い弁護士の方もいらっしゃると思いますし、1度も言った事がないという弁護士の方もいらっしゃるかもしれません。人それぞれかとは思いますが、基本的には「異議あり!」を連発するというわけではありません。
私は基本的に民事裁判が主ですが、特に民事裁判の場合は事前の書面が勝負となっています。裁判期日の1週間ほど前に準備書面という証拠を事前に提出します。裁判当日には何をするかというと、その書面をもとに確認をする事になります。そうなると、「異議あり!」と言っているよりは「この書面はどういう事ですか?」という事をみんなで話し合うわけです。「これってどういう意味?」「あぁ、こういう意味なんだ」「そちら側はどう思います?」「これはこうなんじゃないですか」といった感じで、結構淡々と進んでいきます。なので、基本的には「異議あり!」と言う場面はあまりありません。

異議ありを言うのは、どんなとき?


民事裁判でも「異議あり!」と言う場面があるとすると、証人尋問になります。これは以前の動画でもお話しましたが、民事裁判の場合、証人尋問はあまり重要ではありません。あまり重要ではないと言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、証人尋問だけではなかなかその事実を認定する事は難しいです。やはり証人尋問は嘘をつこうと思えばつけてしまうわけです。記憶違いの事を言っても裁判官は分からないので、日本の場合は文書やメールなどの何かしらの残っている客観的な証拠を重視します。証人はそういった客観的な証拠があり、それを補強するという事であれば意味がありますが、それ単独ではなかなか証拠を認定できません。
なので、もちろん証人尋問も大事なのできちんと行われますが、当日は結構、淡々と進んでドラマや逆転裁判のようなものはあまりなく、今までの確認という形になります。弁護士によっては、反対尋問の際にわざと証人を挑発したり、傷つけるまではいかなくとも不適切な発言をする場合があります。そういった時には自分側の証人は守らなければいけないので、「異議あり!」と、「今、関係ないんじゃないですか?」という事もあります。私もその2回だけです。相手方があまりにも攻撃的な場合や関係の無い事をつらつらと聞いてくる場合には「異議あり!」と言う事もあります。なので、こういった証人尋問の際は「異議あり!」と言う事もあります。

刑事裁判の場合は、異議ありという場面も


また、刑事裁判の場合は事前の書面も出しますが、どちらかというと当日やる事も多く、かなり喋る事になります。なので、刑事裁判を専門としている弁護士の方は「異議あり!」と言う場合も多いのかもしれません。
民事裁判の場合は、事前の書面が重要になってくるため、「異議あり!」とはあまり言わないという事をお伝えしておきます。
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