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完全招待制コミュニティ「GrowthHub」Day1イベントレポート:講師 newmo 代表取締役 CEO 青柳直樹さん

現場でつかえるスタートアップマーケティングを学べる場をつくりたい──。

そんな互いの想いに共感し合った山代真啓と大前宏輔が共同で立ち上げた完全招待制コミュニティ「GrowthHub」。全7回シリーズの第1回目が、8月29日(木)に渋谷QWSで開催されました。

記念すべき初回のゲストは、株式会社newmo代表取締役CEOの青柳直樹さん。グリー、メルペイ、メルカリなどでの経験を経て、現在はライドシェア事業に挑戦している青柳さんを迎え、「事業成長の鍵を握るグロース戦略とマインドセット」をテーマにお話しいただきました。

GrowthHubでは、クローズドな場だからこそ聞けるリアルな話を重視しています。本レポートでは、その一部を特別にご紹介します。

スタート前から熱気につつまれる会場

GrowthHubは、スタートアップのグロースを担い、これからの日本を支えるであろう35歳以下の若手マーケターたちが集うコミュニティです。

発起人の二人が認めたマーケターだけが招待されるため、講義開始前から会場は受講生同士の交流で熱気に包まれていました。

グロースに向き合う若手のための「GrowthHub」

「このコミュニティが日本を代表するスタートアップマーケターの”トキワ荘”になるように、質にこだわって運営していきたい」発起人のひとりである大前から、改めてこのコミュニティを立ち上げた背景やそこに込めた想いが語られました。

「スタートアップで働く中で、”マーケティング”と”スタートアップマーケティング”には大きなギャップがあると感じました。

多くのマーケティング関連書籍や動画コンテンツは学びにはなるものの、いざ実践となると、予算確保や進行方法に課題が残ります。やはり、実際に経験を積んだ人たちから理想だけではないリアルを学ぶ場が必要です。

そんな話をメンターでありロールモデルでもある山代さんとする中で、一緒にGrowthHubを立ち上げることになりました。」

「昭和を代表するマンガ家たちが若手時代に暮らしたアパート”トキワ荘”のように、GrowthHubを、日本を代表するスタートアップマーケターが集うコミュニティにしたい」大前からの熱い言葉に、受講生も真剣な眼差しで答えているようでした。

「GrowthHub出身者が日本を代表するグロースマーケターや起業家として活躍すること、また、このコミュニティが新たなビジネスを生み出すきっかけになることを期待しています。だからこそ、質にこだわっていきたいのです。」

日本を代表するスタートアップマーケターの学びを最大化させるためにコミュニティで大切にしたい「約束」を交わし、大前のパートは締められました。

いいタイミングで、いいインプットを。

「成長している企業には、グロースに全力で取り組む若手がいるものです」と語るのは、GrowthHub発起人でありスタートアップグロースを支援している山代。彼もまた、コミュニティに懸ける想いを熱く語りました。

「事業をどう成長させるか、そのプレッシャーに耐えながら四六時中グロースにコミットする経験が、成長する事業を生み出します。

経験者から直接学べることは非常に有益であり、私自身も多くの学びを得てきました。これを次世代のスタートアップ業界の発展に役立てたいと考えています。」

マーケティングにとどまらない「グロース」

「”グロース”にこだわる理由があります」GrowthHub発起人ふたりのバックグラウンドはマーケティング。ただ、マーケティングを狭い視野で捉えるのではなく、総合格闘技的にあらゆる手段を用いて事業成長に向き合ってほしい。

そんな想いから、全7回のセッションは、単なるマーケティング講座を超えた内容で構成されています。

登壇いただく講師のみなさんは、スタートアップ業界の第一線で活躍されている方々ばかり。完全非公開、ここでしか聞けない話をしていただくことで、若手グロースマーケターのみなさんの現場でつかえるリアルな学びにつなげてほしいと考えています。

Day1「グロースのための心構え」

記念すべき第一回のテーマは「事業成長の鍵を握るグロース戦略 / マインドセットをどう考えるか」。なぜ初回のテーマがマインドセットなのか。

「ロールモデルがいない中でマインドセットを学ぶことは難しい。上司やメンターの背中を見て学ぶしかないものですが、その環境が常に整っているとは限りません」と山代は語ります。

山代自身、キャリアを通じて培ったマインドセットが今の自分をつくっているといいます。

「P&G、メルカリ、メルペイ。それぞれの経験から得たものが数多くあります。ここでは、その中でも代表的なものを3つずつ挙げてみます。

まずP&G時代には、すべてのマインドセットの基礎となる「プロ意識=オーナーシップ(自責思考)」を学びました。

次に「売り上げと利益とブランド」のバランス。これらは一見トレードオフの関係にあるように思われがちですが、すべてを同時に追求するマインドが重要です。

そして「Consumer is boss / Do the right thing」。特に「Do the right thing」は、入社初日から徹底的に叩き込まれました。ニューヨーク・タイムズの一面に掲載されても恥ずかしくないような、正しい行動をとることが正義であるという考え方があります。

次にメルカリ時代。転職初日に、社長の小泉さんから「すべてアンラーニングして仕事をしてほしい」といわれました。

過去の成功体験は自身の勝ちパターンを築くために重要ですが、それに固執してはいけない。スタートアップは急速にフェーズが変わり、それに応じてやることも変わります。常にアンラーニングし、新しいことに挑戦し続けなければならないのです。

そして、「GO BOLD」、大胆に行動することも大切です。スタートアップである以上、非連続的な成長を遂げなければならず、それができなければ中小企業の域を出ません。

最後に「Speed Speed Speed」!スタートアップではスピードが命です。P&G時代の約10倍のスピード感を肌で感じ、驚きを覚えたことを今でも覚えています。

メルペイ時代には、事業成長のためには何でもやるというマインドセットが強く身につきました。

マーケターとしてのキャリアを歩んできた私が、初めてメルペイ全社採用の責任者を拝命したのもこの時です。初めてのことばかりで大変苦労しましたが (キャリアの中でも最もしんどかったかもしれない)、マーケティングだけでは不十分であり、マーケ、プロダクト、コーポレート、組織、様々なことに自ら積極的に関与していなければ最終的にはグロースの責任を果たせないと実感しました。この時のコーポレートの経験は、今に大きく活きています。

「OKRと逆算思考」については、今日の講師である青柳さんのセッションで詳しくお話できると思います。ゴール設定とその逆算、OKR運用、メルペイのグロースはこれに尽きると思っていました。

そして、最後に「グロースは総合格闘技」。総合格闘技のように、すべてをやり遂げなければ成長は達成できません。自分の専門領域にこだわらず、広く取り組むことがグロースを担う者として極めて重要なマインドセットだと感じています。」

「GrowthHubで、完全オフレコで講師陣のビジネスキャリアを振り返りながら、自分なりの「マインドセット」を持ち帰ってもらいたい」と山代は語ります。

「頭の中に「ミニ青柳さん」を持ち帰るイメージ。それがマインドセットに大事だと思います。」初回テーマに限らず、これから登壇する講師全員のマインドに注目し、学びを深めていってほしいと呼びかけ、メインセッションへと移っていきました。

株式会社newmo 代表取締役 青柳直樹さんによる特別セッション

さて、ここからは参加した受講生だけが聞ける完全オフレコのセッション。

とはいえ、どんな話があったのか気になる方のために、スライドの一部を特別にチラ見せ!

青柳さんの話を聞く受講生の顔は真剣そのもの。一言一句聞き逃さないように、と気迫に満ちたタイピング音が鳴り響き続けていました。

「そんな話、絶対にメディアには出ないな…」という、青柳さんが経験されてきたリアルなお話をたくさん伺わせていただくことができました。

最後に、受講生から事前に受け付けていた青柳さんへの質問にお答えいただきました。

【受講生からの質問】
◆組織OKRの設定や運用で、特に強く意識していることは何ですか?

◆メルペイ時代にQRコード決済でpaypay等と戦ったかと思いますが、もう一度やり直すならどのように戦うのか、それとも戦わないのか

◆青柳さんが考える、規律ある投資とは?、という点をお伺いしたいです!

◆規制が厳しいとされる市場の開拓に幾度となくチャレンジされてきたかと存じますが、マインドセット・スキルセットの面で大切にしている部分はございますでしょうか?

◆成長する企業において、企業文化や価値観を維持するためにどのような取り組みをされていますか?


◆青柳さんが過去のインタビュー記事で若手へのアドバイスとして「いま想像していない自分になるためにはどういう行動を取ったらいいか」ということを考えていくといいのではとコメントしている記事を拝見しました。
青柳さんがこれまで、「いま想像していない自分」をどのようにイメージしてこられたのかや、その想像に向けてどのような行動を心掛けていたのかをお聞きできれば幸いです。

本講義に参加するにあたって、コミュニティSlack内でも青柳さんのインタビュー記事や動画を事前にシェアし合ったりするなど、熱量高く参加している受講生たち。その熱い質問に、ひとつひとつ丁寧に回答していただきました。

青柳さん、貴重なお話を本当にありがとうございました。

懇親会の様子

講義終了後、講師の青柳さんも含めた懇親会を開催しました。GrowthHubでは、講義でのインプットだけでなく、横のつながりも大事にしてほしいという想いから、積極的な交流機会も設計しています。

その一環として、GrowthHub特製ビールジョッキもつくっちゃいました!特製ビールジョッキを片手に、活発な交流がなされていました。

あっという間に時間が過ぎていき、終了の時間に。最後に講師や発起人、受講生全員で集合写真を撮って、一日目の講義が終わりました。

参加した受講生の声

GrowthHubでは、インプットをインプットのままで終わらせず、明日からの業務にいかに活かしていくか、という観点からの振り返りを大事にしています。

講義が終わって早速、参加した受講生たちから、得た気づきや感想、明日からどう行動を変化させていくかについてのシェアが、コミュニティSlack内に続々と投稿されていきました。

PCでみても、いち画面におさまりきらないほどの振り返りをする人が多数!

具体的な学びや気付きはオフレコ部分を含むため、受講生の感想だけを一部ピックアップしてご紹介。

【受講生の振り返り】
◆今日の学びがとても有意義だったので、さっそく現在進行形で4QのOKRドキュメントを書き直してます
つい複雑化して、要素を深掘ってることを表現しがちだった事業計画もよりシンプルな構造に落とし込んで注力ポイントがクリアになるようにしようと思います
言語化できておらず残したままになっていたしこりがクリアになったのでやりたいことが溢れてきてて止まらない状態になってます

◆意思決定を突き詰めることの重要性を理解しつつも、正直惰性になってしまっていたなということを大反省する機会でした。

◆山代さんと青柳さんから直接お話をお聞きできることでリアルな一次情報が摂取できて、ネットの記事でテキストを眺めるのとは
腹落ち感が全然違って超面白かったです・・。目線もめちゃくちゃ上がったので早起きして、なぜかめちゃくちゃ早くオフィス来ちゃいました。次回以降も楽しみです

◆新しい視点と実践的な知識を得ることができ、講義・交流会ともに学びの多い時間となりました。
「ミニ青柳さん」も持ち帰らせていただき感謝ですm

受講生たちの真剣な眼差し、活発な意見交換、そして、経験者ならではの深い振り返り──。これらの光景を目にして、まだ始まったばかりのコミュニティではありますが、10年後には「Growth Hubにいた人たちはみんな成功しているね」といわれるための基盤がすでに整っていると確信しました。

日本を代表するスタートアップマーケターたちが集う、伝説のコミュニティがいま、ここに幕を開けたのではないでしょうか。

ゲストプロフィール

◆青柳直樹

ドイツ証券投資銀行部門を経て、グリー株式会社にて取締役CFO、米国法人CEO、事業本部長を歴任。2017年11月より株式会社メルペイ代表取締役、2022年1月より株式会社メルカリ上級執行役員 SVP of Japan Regionに就任。2023年6月よりMarketplace CEOとしてメルカリ日本事業を統括。2023年12月にメルカリを退職し、2024年1月newmo株式会社を創業。

GrowthHub 発起人プロフィール

◆山代真啓

企業の事業成長グロースのコンサルティングのスペシャリスト。デジタルマーケからTVCM等のマス広告、CRMやパートナーシップ開拓まで、経営視点での戦略から実行までの伴走支援を得意とする。P&Gブランドマネージャーでキャリアをスタート。株式会社メルカリの上場、メルペイの立ち上げ、グロース責任者を経て、独立。株式会社THE GROWTHの代表取締役を務め、現在はスタートアップグロースコミュニティ「GrowthHub」の共同発起人としても活動。

◆大前宏輔

2012年に株式会社サイバーエージェントに入社。営業局長や子会社代表を務め、2018年には株式会社メルペイにてマーケティングスペシャリスト / マネージャーとしても活躍。2021年に入社した株式会社YOUTRUSTではCMOに就任し、マーケティング戦略の設計からオンラインとオフラインを組み合わせた幅広い企画立案に携わる。現在はマーケティング支援会社「思考」の代表を務め、スタートアップグロースコミュニティ「GrowthHub」の共同発起人としても活動。実装可能なアイデアで事業を成長させることを信条に、日々思考を続けている。

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