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常に「定番」を求めている

→ 変な「癖」の話が出たので、引き続き。

飲食店をやっていると、お店の備品などを購入する際、常に気を付けていなければならないことがある。

それは、「無くなったときに、いつでも補充できるもの」であることだ。

いわゆる「定番」の品であることが重要になってくる。

もちろん、全てバラバラ、椅子もグラスもその他のカトラリーも、調度品などを集めたのが特徴で、それをウリにする店ならばそれでも構わないとは思うが、大概の店は、そこそこの物を、数を補充しながら使っている、というところがほとんどなのではないだろうか。

そんなわけで、街を歩いているときに、ふとしたことから「一品物」に出会っても、僕の場合まずそれを即「買う」ということはない。

まず、店員さんなりに「これって、また買うことができますか?」と、聞く。

そこで答えが「NO」の場合、余程気に入っている場合でも、まず買わない。(もし幸運にも複数個あれば、まとめて買うことはたまにある。)


そんな「癖」は、僕個人にも付いてしまっていて、街で気に入った服などを見つけても、ついつい同じ様な質問をしてしまう。

あるいは、同じものを2つ買ったりしてしまったり(笑。(これは、お店と家、両方に置いておいて、いつでも同じように出掛けられるようにするためでもある。)


ところで、


そもそも、日本の製品には、この「定番」というものが少ない気がする。

車から家電製品に至るまで、必ず定期的にマイナーチェンジが施される。

常に「改善」を心掛けているといえば、聞こえはいいが、それなりの完成度のままでリリースしてしまっているとも言えるのではないだろうか。

壊れた時に、もうその型が無くなっていて、「修理が効かない」というのは、業務用としては致命的である。


一方、海外製には、アメリカ製 バーブレンダーの「Hamilton Beach」や、イタリア製 コーヒーグラインダーの「MAZZER」など、ほぼ「定番」とされている製品があって、部品もそのまま変わらないので、修理をして長く使えるものが多い。


「やっぱり、新しい物好きな、日本の国民性なのかな・・。」


そんなことを思いながら、水仕事をしていたら、ふと目についたのが、

「亀の子束子」

である。


「ああ、そういえば、これはいわゆる「定番」かもしれないな。」

一度、よくわからないブランドのものを使ったら、毛がどんどん解れて、全く使い物にならなかったことがある。


地味ながらも、確かな品質。


見習いたいところです。


ちなみに、「亀の子束子本店」は巣鴨の先の北区滝野川にあります。

小さいながらも、素敵な建物です。

夏の終わりのお散歩に

定番の「とげぬき地蔵」と一緒に、お参りされてみてはいかがでしょうか(笑。



神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。

それでも、「定番」って密かに改良されているんですよね。

お待ちしております。


Vista / MARION BROWN
Impulse! Record
1975

(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)

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