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思いついたら最後、それで行くしかない。

先日、この「note」を読んでくださっている方から、

「毎日偉いですね。どうやって書く内容を探してくるんですか?」

と、聞かれた。


僕など、他の書き手の方からすれば、大した数をこなしているわけでもないのだが、内向的なくせに褒められると調子に乗るのが蟹座のAB型の特徴なので、ちょっとここでそれについて書こうと思う。


宣伝活動とはいえ、飲み屋のネタなどとっくに尽きているので、話の内容はどこか他から探してくることになるのだが、実はきっかけは何でもよかったりする。

日頃、生活をしていて、パッと思いついたことを、お店に関連づけて書いてしまう。

一見、お店に全く関係のないことでも、一向に構わない。思いついたことを、思いついたそのままの勢いで書いてしまう。

そうだな、映画「ゴーストバスターズ」で、ダン・エイクロイドの頭に浮かんだマシュマロマンのように(笑、思いついたら最後、それで突っ走るしかない。

対象は本当に何でも構わない。「ぬた」でも「鯖缶」でも「ナポリタン」でも。(食べ物ばっかりだな・・・。)

一度、「これはいくら何でも店と関係ないだろ。」と、思い直して無理やり別のテーマで書き直してみたことがあったのだが、何とも勢いのない、取り繕ったような、つまらない文章になった。

「関係性」など、後からいくらでもくっつけられる。

むしろ全然違うジャンル、遠い素材から持ってきた方が、面白いことになったりすることがある。


試しに「ボールペン」で、書いてみる。

【ボールペンと私】

店を始めて3ヶ月も経つというのに、なかなか慣れないでいる。オペレーションはまちまちだし、提供するお酒の味も一定性を保てているのか今ひとつ自信がない。こんなことで、この先お客さんが増えてくれるのだろうか。

とにかく、気ばかり焦ってる。

そんな時、ふと、伝票をつけていて、ボールペンのインクが切れて書けなくなっていることに気付いた。

「あれ?切れたんだ。」

換えのボールペンは、買っていなかった。と、いうよりは、「換えのボールペンが必要になる」という頭がなかったのだ。

思えば、学生の頃から、一つのボールペンを「使い切った」ことが何回あっただろうか。

学生時代よく読んだあるカヌーイストの本で、彼はカヌーのツアーに出るときに、出来るだけ積荷を軽くするため、換えのボールペンは芯だけ、それもさらにそれを半分に切って持って行く、と書かれていた。

お店だってそうだ。無駄なスペースは出来るだけ作りたくない。

次の日、僕は近所の文房具屋さんで、生まれて初めてボールペンの「芯」だけを買った。

「最近出来たバーのマスターだよね。今度行くね。」

そういえば、まだ近所にまともに挨拶もしていなかった。

店をやる、というのは、こういうことなのかもしれない。

少し自信を持とう。

僕は初めて「ボールペンを使い切った」のだ。

てな、具合(笑。


僕は、大学の時、建築学科を専攻していたのだが、入学した時に、教授が祝辞で、「諸君、おめでとう。これで世の中に君たちに「関係のない」ものは無くなった。」と言っていた。確かに、構造力学から人間工学、現代アートから箸置きの位置にいたるまで、おおよそ「建築」するという行為に、全く「関係のない」ものというのは存在しないのかもしれない。


が、それは BARも同じことだ。


お客さんは、どんな分野の人なのかわからない。


「知らなくてもいい。」なんてものは、この世に存在しない。


と、なると、「無限に書ける」ということになるんじゃない?


いえ、その「ボールペン」を見つけるのが難しいんですよ、


ね(笑。



神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。

ちなみに、この文章全体が「ボールペン」から着想を得ました。

お待ちしております。


H.1 - Idea / H.1
H.1
2018

(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)

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