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からっぽ男の憂鬱・2020/11/27

今日は昼間寝てしまった分、少しだけ夜更かししている。
とは言え、そろそろAM2:30なので寝る支度をしているのだが。

先ほど、自分のiPod classicの中に好きなアーティストにつき1曲縛りで42曲入っているプレイリストを何の気なしに聴いていた。
その中で、矢野顕子の「SUPER FORK SONG」が入っていて、久しぶりに聴いた。

もう3年前になるが、演劇集団LGBTI東京のクリスマス公演のために「もみの木は見ている」という台本を書いた。
自分の中では大きな役割を担っている作品だ。

「レインボウ・タウン」という、現代日本じゃないどこかの世界のどこかの山の中にあるどこかの村の話だ。
劇中劇の形をとっていて、にじいろ幼稚園のアサト先生が、先輩職員の主任とともに、この世界を書いていく。
アサトが思ったことを全てつぎ込んだ(=作者の俺自身)作品だ。

コンセプトは決まっていた。
「切ないペンギン村」だ。

このアイデアは昔から温めていて、主宰の小住優利子さんに、好き放題に書かせてもらった作品でもある。
その分、最大60分の約束の上演時間が、90分になってしまったのは申し訳ないのだけれど…。

矢野顕子の「SUPER FORK SONG」も、1つの村をめぐるストーリー仕立ての歌だ。
今日改めて聞いたら、かなり影響受けているなと感じた。

他にもいろいろ影響を受けていて。
KERAさんの「百年の秘密」や「カラフルメリィでオハヨ」、ロバート・アルトマンや映画「クラッシュ」「マグノリア」の群像の書き方を参考にしたり。ある名画のエピソードをそのまま借りたり。
劇中曲はアサト役を当て書きした朝日巡くんに10曲以上のイメージを渡して1曲にまとめる…ということもしてもらった。

「レインボウ・タウン」はクリスマス。
ピアノを弾くウルフマン・ジャックがラジオを放送している。
心優しい姉妹が紅茶を楽しんでいる。
ホテルで忙しく働く心に傷を持ったテナルディエ夫人がいる。
ニュー・シネマ・パラダイスから抜き出てきた郵便配達の少年がいる。
ふたりのスナフキンが苦悩を抱えつつクリスマスを過ごしにやってくる。
そして、物言わぬ「少女」を連れた「悩める発明家の博士」が変わった発明を作っている。
そして、タイトルの通り「もみの木」が町を見ている。

3年前に書いた作品だから、今とは考え方もちょっと違っているかもしれないし、変わらない想いもあるし。
拙い部分も多い作品だけど、これはこれで愛している作品だ。

この時の条件で書いた「切ないペンギン村」の話。

俺の中で「ペンギン村」というものは大きな存在だ。
様々なキャラクターが「ペンギン村」という、何でもありの村の中で生活している群像劇。
マンガの「Dr. スランプ」は、偉大なる発明家・則巻千兵衛博士と、博士の発明であり愛娘のようなアラレちゃんを中心としたドタバタだけれど、俺はその世界観に切なさを見た。

わかる人にはわかるだろうけど、高橋源一郎の「ペンギン村に陽は落ちて」の影響はものすごく強い。
というかそのまんまだったりするけれど…。

俺は、この「切ないペンギン村」という世界観を追い求めていくを気がしている。

もちろん「レインボウ・タウン」の話は完結している。

だけど「切ないペンギン村」というシチュエーションは、別の形をとって、書いていくと思う。

書いていきたいんだ。
「ペンギン村」は、俺の中の、原体験のひとつ。
だから大切にしたいんだと思う。

そんなことを思い返した夜。

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