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取れる戦略を会社が取らない時に考えるべきこと

「目先のことしか見えていないのは、もしかしたら自分なのかもしれない」という考え方は、いつも持っておきたいものです。

"社長が悪い"という気休めをしてませんか?

会社運営のあれこれを、経営企画室のメンバーは毎日頭を悩ませて考えます。
時として、"社長が悪い"というところで思考停止する場面が多いです。

「トップのメッセージが社員に理解されていない」 
→ 社長が悪い。

「これだけ業界の危機が騒がれているのに、社長はいっこうに決断しない」 
→ 社長が悪い。

解決策を検討するメンバー同士で、わかりやすい共通の敵をなじることに費やすあの時間、一瞬の時間ですが私はすごい不快です。私だけでしょうか?

社長を批判している人たちは会社経営をしたこともないのに。
「対案出せよ」と言いたくなるほど、辟易としませんか?

「かもしれない運転」でいけ

もしかしたらその社長は保身で決断をしないのかもしれない。けれど、

「うちの社長はこうだから」と決めつけて状況が好転するとは思えません。
思考停止して本質が捉えられないまま、我々で良い判断ができるとも思いません。

必要なのは、「何か戦略があるのかもしれない」という考えを無理やりにでも持っておくことです。いわば社長を無理やり信頼することです。

例えば、Fintechの波で業界再編が騒がれている金融業界。
メガバンクの各行は、GAFAに駆逐されそうであるという書籍・報道の声に取り巻かれています。

各行の動きが遅いというのは明らかだと思いますが、これだけ危機に瀕して、
マネジメントが必要な行動を取ろうとしないわけがないと思っている派です、
私は。
経営陣もそこまでバカじゃないはずです。

自らの保身で決断できない面もあるかもしれないが、きっとみんないい仕事をしたいと思っているに違いないし、決断できなかったリーダーとして後世に名を残すことは、プライドが許さないんじゃないだろうかと。

リーダーには「何か戦略があるかもしれない」という視点に立ったとき、
リーダーに寄り添って考えることができるんじゃないでしょうか。
それはリーダーからの共感を生むためだけではなく、配下の社員にも共感される方針を生み出すための、必要最低限のマインドだと思います。

会社の判断をもとに少し先の未来を想像する、想像できなければ社長に尋ねてみる

同じく金融業界の例で、QR決済を導入していない金融機関があるとする。

波に乗り遅れた面もあるだろうが、
一旦、会社や社長の判断を肯定した上で少し先の未来を予想してほしい。

少し調べてみると、
QR決済のブームは持ってもオリンピック付近までという意見がある。

現時点では「加盟店の決済手数料無料」「ポイント還元キャンペーン」で地位を保てているのかもしれないが、いずれ非接触決済(SuicaなどFelicaを用いた技術)の利便性が勝るだろう、という意見。

一理あると思う人、少なくないんじゃないだろうか。

社長がそれを見越してQR決済に参入しないんだとしたら。自分が気づいていないだけで、経営陣にはこの未来が見えていて判断したのだとしたら。

ん?と疑問に思う経営の判断があったときに批判するのではなくて、
「何か戦略があるんじゃないか」という目線で少し先の未来を想像してみましょう。

そこで答えがわからなければ、思い切って社長に尋ねてみよう。
社長の多くは"私は失敗してはいけない"と思いがちなので、本音を引き出すのには時間がかかるかもしれないが、
社長の答えが「実はあのとき決断できなかったんだよね」かもしれない。

そこまでの回答を引き出せたのであれば「過ぎたことは仕方ないので、次に活かしていきましょう」と共感してあげよう。
社長のよき味方になれば、次に同じように尋ねる場面でも、きっと悪い顔はされないはずです。

我々、経営企画に求められているのは社長目線で"思考し続ける"こと

書籍でもインターネットでも提唱されていることですが、念のため共有です。

我々の仕事は、社長の批判をして新しい企画を立案することではなくて、
その社長になりきって、社長のコピーになって考え、社長が経営判断を効果的に行えるようサポートすることです。

いわば社長に憑依して判断することが求められるわけで、
社長や、社長の判断を批判しても何かが解決されるわけではありません。

社長が間違えそうなとき、
味方としてタイムリーに軌道修正してあげるのも、経営企画室の役割です。

「目先のことしか見えていないのは、もしかしたら自分なのかもしれない」という考え方は、いつも持っておきたいものです。

以上です

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