ウクライナの戦争(3)プーチン大統領の正義
西暦2022年2月24日、ロシアはウクライナに侵攻した。それに際し、プーチン大統領はこのような演説を発表し、その正当性を訴えた。↓
https://note.com/orogongon/n/n10bb6edabda4
一応説明しておくと、プーチン大統領の主張は正しくない。
つまり現在の国際法では、自衛戦争か、条約上の義務に基づく戦争だけが、正当と見なされる。
自衛戦争とは、ただしそれは明確に規定されてはいないが、敵から攻撃を受け甚大な被害を被った後、それに反撃する形で開始される戦争のことを言う。ただし攻撃の種類は不問で、テロでも良い。だから、例えば9.11テロの後のアフガン戦争は、自衛戦争と認められた。
ところが、ロシアがウクライナに侵攻する前、ウクライナはロシアを攻撃していない。
だから、プーチン大統領がどのような理屈を並べようと、すべて無駄。それは自衛戦争では有り得ないし、そうである以上、国際社会がロシアの侵攻を正当と認めることは出来ない。そうした場合、それは法と秩序の否定になってしまい、さらには文明の否定となる。
そして、プーチン大統領の主張そのものにも嘘が含まれている。
要するに、第二次世界大戦勃発の直前、ドイツとソ連は独ソ不可侵条約を締結し、ソ連はドイツに燃料や食料を供給していた。
そして1939年9月1日、ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦は勃発するが、その二週間後、ソ連もポーランドに侵攻し、ドイツと共にポーランドを分割している。
その後に独ソ関係は決裂し、1941年6月に独ソ戦が始まるが、その前にはソ連はドイツと手を組んでいたのであり、仲間だったのだ。
しかしプーチン大統領はその事実を無かったことにしており、これは不当だ。
しかし、プーチン大統領の主張がすべて嘘、と言うわけでも無く、一部は正しい。「アメリカも不正な戦争をしてきたではないか」という点など。
典型的にはイラク戦争で、アメリカは国連決議違反を口実に戦争したわけだが、しかしその真意が予防戦争であること、あまりに明白だった。
そして、当時は小泉純一郎総理の時代だったが、日本はそのようなアメリカを「正当」と支持し続けてきた。それは、日本の国益および安全保障上の理由からそうするしか無かったからだったが、不正に荷担したことには違いない。
そして現在、日本はウクライナを支持しているが、要するにそれは、アメリカがウクライナを支持しているからであり、アメリカがそう日本に求めたからであり、日本の国益および安全保障上の理由から日本はアメリカの求めに応じなければならないからであり、つまりは小狡く自らの身を守りたいからだ。
結論としては、この世には悪党しか存在しないのだ、ということ。
ただしそれは狡猾な悪党であり、私利私欲のためには親の仇とでも平気で手を組む類いの人でなしであり、だから上手く手打ちして仲良く私腹を肥やし合えるはずを、そこでしくじってしまうから、戦争なんて無駄な手間を背負い込み、無駄な損失を出すことになってしまう。
というのが筆者的な意見。
そして、現在ウクライナで進行中の戦争も、誰も彼もがしくじってしまった結末だったのだろうと、筆者的には思っている。
現在、多くの国がロシアに厳しい経済制裁を行っている。なのだが、本来それは、2014年にロシアがクリミア併合を強行した時点で、行うべきでは無かったか?
そして、では、何故、それは行われなかったのか?
というと、それはロシアと全面対決する事態を嫌ったからでは無かったか?
およびそれは「ウクライナに泣いて貰って穏便に事を済まそう」という悪賢い計算からでは無かったか?
そして、そういうことならその方針に徹底すれば良いものを、ところがその後、各国は中途半端にウクライナに荷担した。それが、かえって状況をこじらせることになったのではないか?
というのが筆者的な意見。ああ、もちろん、素人考えだけどね。
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