日本はアメリカに勝つつもりで戦争した

 事実としては、日本はアメリカに勝利しうると判断し、アメリカに勝つつもりで戦争した。証拠は、1941年(昭和16年)9月6日と11月5日の御前会議。
 そして日本は、大東亜共栄圏建設のために、アメリカと戦争した。証拠は、『世界情勢ノ推移ニ伴フ時局処理要綱』(1940年7月27日)や『情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策要綱』(1941年7月2日)。特に後者は、「帝国ハ世界情勢変転ノ如何ニ拘ラズ大東亜共栄圏ヲ建設シ」であり、「如何ナル障害ヲモ之ヲ排除ス」だった。
 ただし、以上の実態をつぶさに見ようとすると、これがまた非常に複雑な話になる。

 この記事は、以上のような複雑な話を、それでも長くなるのだが、枝葉を省略し細部を丸め、なるべく簡単に説明してみようというもの。また、テーマがテーマなので、右や左の方々に目を付けられにくいよう、念のため有料にした。


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