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息子の「こわい夢」を吸い続けたら、たし算ひき算を覚えた。

お父さん、こわい夢、吸い取って!

私は今日も息子の全身から「こわい夢」を追い出す。
今日は、なんと14匹。
大収穫だ。

「ここ最近でいちばん多かったんじゃない?」
「そうだね。吸い取ってもらえてよかったー。」

「じゃあ、おやすみ。」



これは私が毎晩、4才の息子を寝かしつけるときにしているお仕事です。

もうかれこれ半年くらいはこわい夢を吸い続けているのですが、
いつの間にか息子が足し算と引き算を勝手にマスターしていました。

今日は箸休めにそんなお話を。



怖がりな息子へ


私の息子は怖がりです。

幼稚園でもいちばん体が小さく、気も強くない彼は、ささいなことでも怖い、怖いと言っていました。

その中でも「悪夢」に対する恐怖心が強く、一度夜中に大泣きしてからというもの、「寝るのが怖い」と言うようになりました。


そこで私は、思いつきで「お父さんがこわい夢を吸い取ってあげよう」と提案してみました。

息子の身体中をマッサージして点在する「こわい夢」を集め、鼻の穴から出す。

という、「痛いの痛いの飛んでいけ」を流用しただけの何とも雑な設定なのですが、息子がこれにすごく喜んで、よく眠るようになったのです。


面白いのは、実際に悪夢を見たときも「こわい夢の赤ちゃんがボクの中にまだ残ってたんだねぇ」と妙に冷静に分析するようになったこと。

何にせよ息子の寝起きが安定したのは嬉しい限りで、それだけでも十分だったのですが、このアイデアは思いがけない副次的効果をもたらしました。


こわい夢の足し引き


この仕事を始めた当初は、

(身体をマッサージしながら)こわい夢が4匹いるなあ。鼻から出してあげるね。ズボボボボ。はい、おやすみ〜

といったシンプルな駆除方法でした。

ただ毎日繰り返していると(こっちが)飽きてきて、
徐々に設定を凝るようになっていきました。


それがどんどんエスカレートして、半年たった今では、

お、肩のところに4匹いるぞ。右足には3匹かくれてる。7匹になった。ズボボ!2匹だけ取り出せたよ。あと5匹だなあ。もう一回取り出してみよう。ズボボボ!・・・むむっ!?足の裏にも隠れていたようだぞ?

みたいに複雑化してきています。いや早く寝ろよ。


これを毎日やっていたら、いつの日か急に息子が、

ちょっと待って。さっき3匹で、足に2匹いたんなら・・・5匹だね!
9匹いたのを、鼻から3匹出したんだから・・・あと6匹かな
などと推測するようになり。

今日に至っては「11から8引いたら、3だよね」などと流暢に言い始めました。

もしかしたらこの方法、再現性があるかもしれないぞ。
そう思って記事を書いてみることにしました。


まとめ


今日は「こわい夢を吸い取っていたら、息子が足し算と引き算をマスターした話」を書いてみました。

多分いちばん重要だったのは「クイズにしなかったこと」だと思います。

私は息子に対して一度も「何匹になったかな?」とは聞きませんでした

それは「そもそも足し算や引き算を教えようと思っていなかった」からであり、単なる偶然ではあります。
ただ、ここでクイズにしてしまうと、子どもが自ら学ぼうとする意欲を削ぐことになっていたと思います。


子どもって、法則性を見つける天才なんですよね。

今後も「自分で何かに気付く」という体験を大事にしてあげたいです。



普段は読書によって得られた気付きを元に、子育てや教養について書いています。
最近note公式さんから取り上げていただいた記事も、よければ読んでみて下さい。

それでは、また。

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