見出し画像

現役の中学2年生に「中二病を救う」会社を見学してもらったらモメンタム爆上がりした話

強くビジョンを掲げるスタートアップであれば、程度の差はあれ、このような不安にぶつかる経験があるのではないでしょうか。

・今のやり方でビジョン達成に近づけているのか
・僕らのビジョンは本当に正しいことなのか

ビジョンに対する不安はモメンタム(勢い)のブレーキになり、スタートアップ的な尖った意思決定や個人・組織の成長を止めてしまいます。果たしてビジョンに対する不安を払拭する銀の弾丸はないのでしょうか?

その解のひとつが『ビジョンのターゲットと直接会う』です。

データと数字からは伝わらない "リアル" が自分たちの自信となり、あるいは課題を詳らかとしてくれるのです。

当社はB2Cのゲーム会社です。実は、オフイベントでユーザの皆様とお会いする機会は少なくありません。ですが、我々グリモアはそれだけで「ビジョンのターゲットに会ったぞ!」と満足するような組織ではありません。

"本物" と会います。

そう。

本物の "中二" …!

本物の現役の中学二年生!

今回は、2023年2月2日、名門・横浜市立小田中学校の2年生6名が職場見学プログラムの一環でグリモアに来社された訪問レポートと共に、当社のビジョンの一角に触れていただければ幸いです。いざまいりましょう!

Prologue 〜出会いは突然に〜

2022年11月末、横浜市立小田中学校から職場見学受け入れ打診の電話がありました。ここ数年同じような打診を他学校からも受けることが複数あったのですが、直前で新型コロナウィルス感染拡大のため中止になることが多く実現叶わぬ状況が続いていました。

今度こそ実現なるか?!
胸躍らせながら受け入れ手続きを進めていきました。

手続きを進めながら発覚したことがあります。

  • 生徒の皆さんが興味のある事業所を自ら探し、調査した上での打診であること

  • 興味のある事業所としてグリモアを選んでくれた生徒さんは、グリモアが配信中の『ブレイブソード×ブレイズソウル』のユーザーであること

「中二病を救う」というビジョンを掲げるグリモアに中学2年生がやってくる!しかもユーザーさんだと!?従業員総出で諸肌を脱ごうではありませんか。血気盛んに準備を進めます。

Prelude 〜準備は万全に〜

小田中学校から届いた封書によると、今回の職場見学の目的を以下のように定めているとのこと。

・キャリア学習を通して働くことの意義や目的を理解し、進んで働こうとする意欲や態度を育み、望ましい勤労観や職業観を養う
・多くの職業人との触れ合いや交流を通して、コミュニケーション能力や社会人としてのマナー、言葉づかいなどを身につけ、人間関係の大切さを体得する
・現在の学校での学習と将来の職業生活との関係を理解し、目的をもって学習に取り組む

学校側の目的をカバーしつつ、「ゲームクリエイターを目指したい」と感じてもらえるような時間にしようと決意し、プログラムを作り始めました。グリモアは「中二病を救う」会社であり、そして「悪の組織」です。

グリモアは「中二病を救う」会社であり、それを実現する理想の姿を「悪の組織」と定めています。

悪の組織らしい迎え方を考えた結果、ひとつの妙案が浮かびます。

全員が「黒」い服を着てたら悪っぽくないか。

思いつきのような悪ふざけですが、どうせやるなら本気でやります。当日は従業員全員が黒い服を着ることに決め、アナウンスします。

グリモアはオタクばかりの会社なのでみんな黒い服を持っている(偏見)

グリモアはハロウィンで仮装したり、社内文化祭イベントで制服を着ちゃう会社です。この程度の意思決定は日常茶飯事です。

「黒」を極めたものたちの悩み

悩みのレベルも高度です。

The Day 〜中二、来訪〜

ドキドキで当日を迎えます。
全員が黒い服。見られてはいけない未リリース情報や非公開事項を無理やり隠した社内。生徒の皆さんよりも迎える従業員の方が緊張していたかもしれません。

「黒」に染まれ…

さっそく、来訪された生徒の皆さんに自己紹介をしていただき、グリモアからも会社紹介や担当者紹介をした上で社長の神谷に対する質問タイムを設けました。本当は全ての質疑を紹介したいところですが、今回は特に印象に残ったこちらを紹介いたします。

Q.「中二病を救おうと思ったきっかけはなんですか?」

すごく珍しいと感じられたという生徒さんからの質問です(よく言われます)。はたして、どのようなきっかけから「中二病を救う」を掲げようと思ったでしょうか。

質問する生徒さんと回答する社長

(神谷)「自分自身が救われた体験があるからです。
自分がみんなくらいの頃は、実は邪気眼系ではなくエリート志向系の中二病でした。当時の友人たちとエリートぶっていて、誰かが近づくと【接触るな、馬鹿が感染る…】なんて言って肩をパンパンってしたんですよね。客観的に見ると扱いにくい生徒でしたしハブになることもあったんですが、幸いにして一緒に居てくれる仲間や環境、大好きな作品に恵まれて、中二病という個性を潰さずに青春を過ごせました。

就職してからゲームを作る機会があり、自分の「好き」を表現することでビジネスが成功する経験ができました。中二病という個性を捨てなくて本当によかった、ラッキーで恵まれた人生だ!と振り返った時に「もしかしたら、仲間や環境に恵まれずに途中で断念した人もいるのでは?」と考えるようになります。

『大人になれ』『普通になれ』と言われて中二病的なこと、夢を見ることや、妄想とか、突飛な未来を想像することを諦めてしまうのが悔しいんです。本気で世界の損失だと思っています。であれば、自分が救われたように、自分で居場所を作って救ってしまえばいいじゃないか!と考えて『中二病を救う』というビジョンを掲げ、中二病を救っていくことを決めました」

現場のクリエイターにインタビュー

現役中学二年生による、現役プロゲームクリエイターへのインタビューを行いました。まさに今ゲームを開発している現場に赴き、エンジニア(プログラマー)やプランナー、イラストレーターなどなどさまざまな職域のクリエイターに鋭い質問をぶつける生徒さん!どのようにゲームクリエイターになったのか?中学生の時はどう過ごしていたのか?将来プロになるために今からやっておくとよいことはなにか、などたくさんのお話をさせていただきました。

しっかりとメモを取られている生徒さん!すばらしいですね!
※恒例の「社員美少女化プロジェクト」により従業員の顔は美少女化します

特務完了報酬

最後に、職場見学に参加いただいたお礼としていくつかお土産をお渡ししました。『ブレイブソード×ブレイズソウル』チームからは今回限定の特別なカードを、社長からは私物の『「ブレイブソード×ブレイズソウル」公式ビジュアルブック2 魔剣繚嵐』を1人1冊ずつプレゼント。

モザイク部分には特別な呪文が書かれているとか、いないとか……

横浜市立小田中学校2年生の皆さん、本当にありがとうございました!

お土産ひとつとっても "大真面目に悪ふざけ" をして、中二病のままでいていいよ、クリエイターって楽しいよ、ということが伝わってくれたら幸いです。
大人になってからもたまに眺めて、2023年2月2日を思い出してもらえたら本当に嬉しいですね!

Epilogue 〜想いを次世代に〜

以前、社内イベントで社長の神谷がこんな話をしたことがあります。

「自分たちが作品を作って、それを楽しんでくれた次世代が自分も作ってみたい!楽しそう!と続いてくれるかもしれない。中二病を救うバトンを渡すことはコンテンツ作りを通じてもできるんだよね。ゲームクリエイターが増えていろんなところにいろんなゲームクリエイターがいる世界の方が絶対面白い。制作者が多い業界の方が盛り上がるに決まっている。コンテンツを作る人がたくさんいる、そういう世界を作っていきたい。

でも、途中で作る側になることを諦める人ってめちゃくちゃ多くて、その夢を折らないでいたい。「中二病を救う」ことは偉大で、バトンを渡していく中で絶対一人くらい天才的な人がいて、その人に応援してくれる人や居場所を提供できたら絶対うまくいく。大学で研究することかもしれないし、どこかの企業が引き受けるのかもしれないけど、絶対面白いことが起きる。そうなることが人類の進化の正しい道だと僕は考えている」(神谷)

今回ご来社いただいた横浜市立小田中学校2年生の皆さんが、そのお友達が、この note を読んでくださったあなたが、少しでもゲーム制作や "作る側" に興味を持ってもらえたら我々は最高にハッピーです!


・・・


ちなみに、

全員が黒い服を着ていたことは、特につっこまれませんでした。

「黒」に染まったモノたちのMTG風景
※繰り返しになりますが「社員美少女化プロジェクト」により従業員の顔は美少女化します

違和感がなかったのか、変な人たちだと思われたのか、ツッコムのは失礼と配慮されたのか、いずれにせよ「グリモアらしい」結果になったような気がします。

Momentum ~「ビジョンのターゲットと会う」ことで爆上がり~

今回の職業見学をお手伝いをさせていただいて、我々グリモアもたくさんの刺激を受けました。結果、モメンタムが爆上がりしたのです。

ビジネスにおいて "ターゲットと直接会う" というのは、いわゆるインタビューなどの手法で語られる、本物のターゲットが何を悩み、どのようなインサイトをもっているのかのヒアリングやユーザ分析の論点になります。
一方で、弊社では別の視点から "直接会う" ことの重要性を捉えています。

それは、ターゲットと会う僕らが『どう見られたいと思うか』です。

推しのライブに一番かわいい服を着ていくように、ターゲットと会うときの僕らはどう見られたいと考えるか。その内容もですし、考える機会そのものが非常に重要です。

黒い服で迎えてみよう。開発現場で現場クリエイターに直でインタビューしてみよう。この世に1つしかないお土産を用意しよう。社長の私物をプレゼントしちゃおう。しっかりと相手の立場で話を聞こう。改めて自分のルーツを考えてみよう。整理整頓をしよう。言葉遣いをキレイにしよう、などなど。

小さな当たり前のことから、ギョっとするような尖ったものまで、どんなのがグリモアらしい("中二病を救う"感、"大真面目に悪ふざけ"感 など)かな?と考える機会がビジョンへの理解を深め、不安を払拭し、スタートアップらしいモメンタムを生み出すのです。


いかがでしたでしょうか。
グリモアは、現役の中学2年生に来訪にワクワクしながら、中二病、すなわち "夢見る才能" をお持ちの方々をいつもいつまでも応援し、居場所を作ってまいります。


読んでくださりありがとうございま――…… え?さぽーと…?いやいやいや!そんな恐れ多いですよ!でも、サポートいただけると、ゲーム開発が少しだけ楽になるかも…… あ!ごめんなさい、独り言ですっ!えへへへ……