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デジタルと弔いの融合、そしてその先にあるもの

デジタルと弔いの融合という点で
私が注目している方がお二人いらっしゃいます

お一人は
デジタルシャーマンなどの
アートプロジェクトをされている
市原えつこさん

(市原さんの最新のインタビュ―記事です)

もうお一人は
東大でデジタルと弔いの関係を
学問的な視点から研究されている
東大の研究者、瓜生大輔さんです

(こちらも瓜生さんの最新のインタビューです)

先日ようやく市原さんとお話をし
お二人と直接お話しすることが叶いました

実は市原さんのデジタルシャーマン
わたしは最初にその紹介映像を観た時に
ストレートに「恐い」と感じました

ロボットに故人
(実際の素材はまだ生きている方だそうですが)
の顔写真を貼り付け
個人の録音したデータを音声として
ロボットが受け答えをする
そして49日を迎えるとともに
活動を停止する

身体の動きも口調も
本人に似せているだけなのに
その妙なリアル感が
とても恐く感じられたのです

そのリアルさは
実際のデジタルシャーマンの展示を観ても
変わりありませんでした

これがアート作品ではなく
ホンモノの商品だったらどうしよう…
こうした表現や再現性に
ヒトは本当に耐えられるのだろうか?

実はその感想を
表現を変えてぶつけたのが
瓜生さんでした

故人そっくりのコピーがデジタルで表現されるとき
それを受け止めるひとたちの心は
その状態に耐えきれるのか?
そうした研究はすでにあるのでしょうか?

そうした問いをさせていただきました

その時の瓜生さんの答えは
そうした研究はまだ具体的にはされていないのではないか?
というものでした

それはそうだろうな…
とこの時は瓜生さんのお話しに
納得したのを覚えています

みなさんは
故人がリアルで再現されると分かった時に
その商品やアイテムに
手を出したいですか?

実はペットの世界では
すでにクローンが実現されています

それ以前に
ホンモノそっくりや似せたぬいぐるみやフィギアの
ビジネスもたくさんあります

ヒトでも、映画などでは普通に
故人が生きているかのうように演技をするシーンが
作られるようになりました

デジタルシャーマンの原理と
より人間的な動きをするロボット
そしてAIの組み合わせで
ヒトのように動き、故人のように喋り語り
動いていたように手足やクセまでもコピーした
ロボットが登場する

立体映像やVR、AR技術を用いて
映像の中で故人と対面するのも
もはや想像の世界のことでは無くなっています

そうしたコピーを
ヒトは欲するものなのでしょうか

その欲した先に
なにがあるのか
そして起こるのか

わたしは精神科医でもないですし
宗教学者でもありませんが
とてもとても興味、そして関心のある
領域です

また機会があればそうしたお話を
瓜生さんや市原さんと出来たらよいなと
思っています

なお瓜生さんは12月に
国立歴史博物館のフォーラムに登壇され
デジタル供養についてのお話をされます

第109回「死者と生者の共同性-葬送墓制の再構築をめざして-」

瓜生さんの登壇は、12/15(土)の15:20-15:50です

このフォーラムはその他にも
没イチの本を上梓された小谷みどりさんや
日本の葬送墓制を研究されている
第一人者の方々が登壇されます

参加費も無料ですので
ご興味のある方はぜひ参加されてみて下さい

デス・カフェ@東京主催。ヒトやペットの区別をしない、死別・喪失のサポート、グリーフケアのお話をしています