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【閑話休題】採用説明会で考えた、改めて NPO で働くということ

わたしはいま NPO でライスワークをしています。デスカフェやグリーフケアでは、当たり前ですが、なかなか食えません。そんな前提があっての閑話休題です

結構長い内容いなってしまったので、NPOで働くことに興味のある方が読まれることをオススメします

先日は幣法人の採用説明会に出てみました。勤め始めると、なかなか参加する機会がありません。こうした説明会、自分が勤め始めた時はまだ明確に用意されておらず。入職後自分なりに、説明会やれー、採用時期を早めろー、なぜ新卒採用しないんだー!!と言い続けてきました。何年か経って、実際に法人がこうした会を開くようになり。本当に嬉しいです(ちなみにわたしは採用担当ではありません)

ご参加いただいたみなさま、週末の朝からお疲れ様でした。4月以降、研修などを通じてまたお会いできると嬉しいです

さて、会場に行く道すがら、NPOで働くってどういうことだろう…と改めて考えていました。自分は勤め始めて丸5年目。でもこの間、たくさんの方が法人から去り。そして新たに入ってきて、また辞めていかれました

5年も続けてきて思うのは、NPO界隈の働き方にはおおよそ3つのパターンがあるということです

まず①は、入職して1年未満に辞めるパターンです。これはもう、このNPOという業界や仕事内容に合う、合わないのお話です。ミスマッチなのでこれで辞めることはむしろ良いことと言えます


次が②、入職から1~2年で辞めていくパターン。一通り仕事してみて、それほど変化や刺激が無いことや法人の中でやれることも見えてしまって辞めてしまう。たぶんこれが、一番多いと思います

そして③、①と②の二つの谷を越えてNPOで働くことの楽しみも知り。自分にもこれが合うと感じて、仕事を続けていくパターンです。ちなみにこの谷を越えて辞めていく方は、割と明確な目的を持って次の仕事に移ったり。自分で活動を起ち上げたりする方がいるように思います。ただ三つのパターンの中では、最も少数派です

この中で、実は自分が一番もったいないなと思うのが②のパターンですね

NPOで働くというのは、実は、簡単じゃないです。やる気を持って入って来たのに、毎日同じことの繰り返し。目に見える成果もあまりない。自分のやっていることって本当に社会に役に立ってんの?。給料も安いし、どこへ行っても仕事じゃなくてボランティアでしょ?って言われるし。つまらない、が溜まっていく…

その結果、もういいやっと思って辞めてしまう。別に自分がやらなくてもいいしね、と。そんな方が多いです

でも本当は、これって物凄くモッタイナイんですよ。NPOと民間企業や公的機関の大きな違いは、個人が出来ることの裁量や幅がとてもつなく幅広いことであって。NPOってそもそもが、自分で頑張ってよ。頑張ってくれるならどんどん好きにやっていいから、の世界なんですよね

いやそうは言っても実際には出来ないじゃん?と言って NPO を辞める方も多いんですが、それは多くの場合間違いです。NPOで働くことのメリットや価値に気付けなかったからだと思います

自分がこれをやろう、やりたいと思って周囲を説得し。納得させさせられれば仕事もやれることもどんどん拡げていける。責任も生じるし、お金は安いままだけど、それを楽しめる方にとってはこんなに楽しい場は無いはずです

だって、社会を変えていけるんですから

例えばわたしもこの5年間で、それまでの仕事の中では出会えなかった方々とたくさん出会ってきました
プロサッカーチームの方々とスポーツを通じて何が出来るかを考えたり
行政の方々と支援ってなんだろうと一緒に話し合ったり
国内外の大手企業の方と一緒にプロジェクトを進めたり
他にその分野に強い人がいないという理由「だけ」で法人内の研修講師を担当したり…
こんなことが一度に出来るのは、たぶん、NPOだけです

ね、こういうの、みなさんの環境で出来ますか。少なくともみなさんの環境で行うより簡単に機会を得て、出来ちゃうんですよ?

もちろん、上手くいかないことも山のようにありますよ。でもそれすらも、芸の肥やし(つまり、ネタ)に出来るぐらい面白いことがたくさんあるんです

話を元に戻すと、1~2年目で辞めてしまう方は、こうした面白さや楽しさに出逢えなかった方。気付けなかった方。そしてそれを導いてくれる人に出逢えなかった方なのだと思います。そしてこうした変化をただ待っていたのかもしれません。でも NPO は、自分から動いていけないとダメなんですよ。それこそ、一流企業やベンチャーなどよりも、頑張り方が難しいんです

だって、カネもヒトも無いんですから

でもこれらをやりたい人、出来るひとにはこんなに面白い舞台は無いと思うんですよね。もちろんまず日々の仕事を覚えて、こなしていくのは基本です。お金がないのもしばらく我慢しなくちゃいけない。でもその上で、プラスαを積み上げていくのは自分次第です。お金が無い、お金が無いと言ったって、もし百万、千万という金額のファンドレイズが出来たら、それだけであなたの評価は各段に上がります

そうしたことを楽しめるか。どんどん挑戦てしていけるかが、NPO で働いていけるかどうかの分かれ目だと思うんですね。今年度も多くの方が、もう NPO で働くのはいいやっと思って離れていかれると思います。それを止めるつもりはありません。そうした方には別に活躍のフィールドがあるんだと思います

残念ですが NPO にも NPO に合う人材というのものがあります。それは実は、ベンチャーやスタートアップなどと同じくらい厳しいものかもしれない。そんなことをツラツラと考えた、採用説明会の朝でした

さて、4月にはどんな方々と出会えるのでしょうね。いまからとても、ワクワクしています。。

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