死別後の恋愛・再婚について~周囲からの言葉や反応で辛くなってしまった方へ~
こんにちは。死別専門相談室「ライブアゲイン」
グリーフカウンセラー・看護師の山田千明です。
カウンセリングを行っているとこのようなお悩みを抱えていらっしゃる方に多く出会います。
死別後いいなと思う方が現れたけど、故人に申し訳ないと思ってしまいお付き合いに踏み出せない
死別後に新しいパートナーができた話をしたら、
「え!?早いね」「常識的に考えて早すぎる」
「亡くなった〇〇さんをもう忘れたの?○○さんかわいそう」
「もう恋愛だなんてちょっと引くわ」
「子供が大きくなるまでは恋愛・再婚なんてありえないでしょ。子供がかわいそう」
「男性/女性がいないと一人で生きていけないの?」
「恋愛している暇があるなら子供に全力を注ぐべきでしょ!」
と言われた。新しいパートナーができたことを周りの目を気にして言い出せない
今回は、死別経験後人に相談したくてもできないお悩みで多い【死別経験後の恋愛・再婚】で周囲から傷つく言葉を言われた時の心の対処法をお話しします。
この記事が死別後の恋愛・再婚でお悩みの方のお役に立てたら幸いです。
死別後の恋愛・再婚を周囲に話して傷ついている人は多い
これは、実際にカウンセリングを行った方から相談を受けた話です。
【実際にカウンセリングでお話ししてくださった内容】
相談者:40代子供ありの死別経験者の女性
「夫と死別後一年経ったころ、仕事先で同じ死別経験のある方と出会いお互いに魅かれお付き合いすることになりました。そのことを親に話したら、
『あり得ない。まだ喪が明けたばかりなのに非常識すぎる。今は子供のことだけ考えるべきだろ。恋愛している場合か?人としてどうかしてる。今じゃないだろ!!男がいないと生きていけないのか!』
と言われてしまいました。私自身も死別後一年で新しいパートナーができたことに戸惑いがなかったわけじゃないです。夫に申し訳ない気持ちもあります。
でも、「じゃあ死別後いつになったら新たなパートナーと人生を歩んでいいの?」とも思ってしまう時があります。一番つらかったのは、わかってほしかった実の親に人格否定のような言葉を言われたことです。
亡くなった主人のことを忘れるわけがない。大好きだし大切な存在です。子供のことだってないがしろにするわけがない。子供のことは一番に考えています。
なのに、「亡くなった夫をないがしろにして死別で心が弱って男の人にすがって子供のこともないがしろにしているダメな母親」と言われたような気がしてとても辛いです。そんなに私は信頼されてないのかと思うと辛いです。
このことがあってから親には「彼とは別れた」と言っています。
だけど、いつまで本心や本当のことを隠さなければならないんだろうと思うと苦しくなります。
死別後の恋愛・再婚について周囲が言う傷つく言葉で共通していること
死別後の恋愛・再婚について周囲が言う傷つく言葉で共通しているのが、
事実以外を勝手に想像して人格否定をする言葉を用いる
ということです。
先程の話では「死別後一年で新しパートナーができた」という事実から、相談者の親御さんは事実以外の部分から勝手に想像して「心が弱っていて男の人に頼りたくなって付き合い始めた。恋愛するということは子供に時間を割いてないということだ。子供がかわいそうだ。」と結論づけ、相談者さんに人格否定まで行ってしまっています。
このことから分かる通り、事実だけを見れず勝手に解釈して様々なことを言ってくる方がいます。
勝手に解釈・理解している方に何を言っても説明しても伝わりません。
いくら「心が弱ってるから付き合い始めたわけでもないし、子どもをないがしろになんてしていない!子供が一番に決まってる!!なんでそういう風にとらえるの?!」といっても気持ちが伝わることはないでしょう。
勝手に解釈してしまい人格否定までしてしまう方は、相手の考えを受け入れるといったことができないからです。
相談者さんの親御さんは価値観が異なる相談者さんに対して人格否定をしてしまうということは、自分の持っている価値観が【正しい】と思っているのです。その方にいくら丁寧に説明しても「あなたのしていることはおかしい」となり、話している側が余計苦しくなってしまうのです。
人の価値観や考えは変えられない。自分が「こうしたい・幸せだ」と感じる道を進めばいい
今回の相談者さんのように死別後の恋愛・再婚については、一番話を聞いてほしい人・わかってほしい人の言葉に傷ついてしまった経験がある方が非常に多いです。
一番わかってほしい人・話を聞いてほしい人に分かってもらえないのは辛いですが「分かってほしい!認めてほしい!私の考えを受け入れてほしい!」という思いが強いと、自分らしく生きることが難しくなります。
「私はきっと『新しいパートナーができて良かったね』って言って欲しくて話したんだな。でも、そうならなかったことが苦しいんだな。私の気持ちは私にしかわからない。だから自分が良いと思う道を進もう」
自分で自分を認めてあげると心は楽になります。
「死別経験者は不幸。死別後は不幸であるべき。すぐに幸せになるのは不謹慎だ」と思っている方もいます。(←経験談)
「死別したけど私は恋愛しない、再婚もしない!夫だけを思って生きていく。恋愛再婚なんて信じられない」という価値観の人もいます。
色々な価値観があるのですから「死別後、新たなパートナーと人生を歩んで幸せを感じたい」という価値観があることはおかしなことではありません。
「自分はどうしたいか?」を大切に
今回は、死別経験者の恋愛・再婚でよく起こること・心の在り方についてお話ししました。
死別経験をした私たちだからこそ「人生いつ最期の日を迎えるかわからない」ということを噛みしめていると感じています。
故人を偲ぶ気持ちは大切です。それと同じくらい残された私たちが幸せを感じながら生きることも大切です。
周囲の反応で苦しくなることもありますが、「自分はどうしたいか?」を大切にすることは自分を大切にすることに繋がります。
この記事が、死別後の恋愛・再婚で悩んでいる方のお役に立ててら幸いです。
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