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【解説】第1話 大学院の仕組みをお勉強するにゃ! 

まとめ本に収録した各トピックの解説を掲載

    

最初に大学院で学位を取得するための仕組みを紹介しました。すでに研究者として活躍している人には当たり前のことですが、世間一般において大学院のシステムは当たり前ではありません。

このトピックで登場する親戚のおじさんのセリフですが、私自身の実際のエピソードです。私は3人兄弟で全員大学院卒ではありますが、博士課程に進んだのは私だけです。親戚のおじさんが広義に大学院卒と言っているのか、博士と修士の区別がついていないのか、実際のところは分かりません。しかし、ウチの親族は決して高学歴ではなく大学院に進学したのは私達兄弟だけなので、おじさんが大学院について詳しくない可能性はあります。私自身も小学生ぐらいまでは大学の後は大学院(2年)があるという認識に留まっており、修士や博士があること、トータル5年あることは知らなかったように思います。

このトピックで一番紹介したかったことは、博士は年数ではなく実績で授与されるという事実です。博士課程3年というのは1つの目安でしかありません。結果が出るのに時間がかかる研究もあります。時間をかけた方がのちのち良いこともあります。3年で学位を取れたから優秀だとか、3年以上かかったから優秀じゃないとか、そういう杓子定規な世界ではありません。
 
大学院進学は大学院を知らない人と噛み合わずに苦しい状況に立たされる場合があるかもしれません。もし親や恋人とすれ違って困ってしまったら是非この第1話をお見せ下さい。
 
ここで「オーバードクター」という言葉が出てきます。私は学生のころ3年で学位が取れず4年目、5年目になった博士課程の学生のことを指すと思っていたのですが、学位を取得した後、就職するまでの期間、研究室に所属している人のことを呼んでいるところもあるみたいです。どっちがメジャーなのでしょう?
 
オーバードクター(学生4年目)になるとJASSOの学生ローンの支給期間外になったり、学生寮に入れなくなったりと弊害が出てきます。学位審査は年に数回あるため、同じ学年であっても学位取得時期は皆なそれぞれ違います。学位を取った後、すぐに新しい職場に移動するわけではないので生活が不安定になる時期はあるように思います。私はこのような移行期に同期達とルームシェアしながら乗り切りました。今では楽しい思い出です。


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