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東京都がカスハラ条例を制定したので、過去のカスハラエピソードの供養をする

はじめに

これからカスハラエピソードを書いていくが、99%はとても良いお客様で、お店に足を運んでくれる皆様。本当に感謝しています。これからもご愛顧よろしくお願い致します。

それでもたった1%にも満たない強烈なお客様に出会ってきたのも事実。
エリートクレーマーの皆様。そしてちょっと身に覚えがあるかも…という方、あるある!そんな体験ある!と共感して少し溜飲を下げてくれる方、そんな方に向けて、過去のカスハラ遭遇話のうち2つを供養したいと思います。

それではどうぞ!

ヤバい度200% 犯罪級のおしかけ勇者

もうずいぶん前になります。小規模ではあるものの人気オンラインゲームの運営会社に勤めていたころの話。
終業時間に近くなったころ、突如「まだ帰宅しないでください!」と総務係の上司が声を張り上げました。

何事か?と一同顔を見合わせましたが、どうやらエントランス付近でもめ事が起こっているようです。
男性職員と誰かが押し問答を繰り返している様子。
何事かと様子をうかがうと、会社の受付近辺に現れたのはオンラインゲームのユーザーの男性のようでした。聞き耳を立てるとどうやら運営しているオンラインゲームの仕様について、社長に物を申したいというのです。

一つしかない出入口に数時間居座り、時には声を張り上げ、「僕の考えた最強のゲーム」について語っていました。

ゲームを愛しすぎて、ゲームの世界を守りたすぎる勇者がそこにはいました。

会社から出れない従業員は、不安そうに顔を見合わせ、勇者が帰還後ももしかしたら待ち伏せがあるかもしれないと、一人で帰宅することができなくなりました。
この時は運よく暴力沙汰にはなりませんでしたが、しばらくは不安な毎日を過ごすことになりました。

この話をすると、そんなことあるの!?とびっくりされるのですが、実はちょこちょこと聞く話なのです。現在はSNSが一般化したので、ある程度はそこで発散されているのかもしれません。
しかし現在も、メーカーやサービス運営会社には、ありとあらゆる罵詈雑言の誹謗中傷メールが届き、SNSでは殺人予告が書かれ、そして押しかけも発生します。

もしも現在において押しかけが発生すれば、先の不幸な事件もあり、即警察を呼ばれる事態になります。

大好きな製品やサービスが、次第に形を変えることはよくあることです。
ですが僕の愛した世界が変わってしまうことにユーザーを代表して勇者となってしまう人が一定数いるのです。

カスハラ防止条例は現状罰則はないとのことですが、度が過ぎれば暴行罪などに問われる可能性が高くなると考えてよいと思います。
ネットでの誹謗中傷や営業妨害行為なども厳しく取り締まられるようになってきています。

しかし現状はまだまだこの手の危険な人々に対する対策は不十分です。
大手企業であればある程度警備にお金もかけれますが、小さなスタジオなどは所在を明かせないということもあります。

それでも現在は様々な対策がされてきているので、クレーマーエリートの皆様には、勇者の剣を抜く前に少し立ち止まってほしいと思います。

セコイ度200% 乳幼児でGo To EATを荒稼ぎ。天才0歳児を連れる愛ゆえに愛を捨てたママ。

これは記憶に新しいコロナ禍で実施されたGo To EATのキャンペーンの実施されていたころ。Go To EAT錬金術を0歳児を使って行い、さらにエリートクレーマーと発展したママのおはなし。

Go To EATは、コロナ禍で苦しむ飲食店のために実施されたキャンペーンでしたが、異例の事態のさなか急遽実施されたもので、様々な穴がありました。

このママは、オンライン予約で飲食店決済に使えるポイントがひとりにつき500~1000ポイントもらえる制度を乱用していました。

いざ来店されると0歳児を連れて現れます。Go To EATでの子供の取り扱いは飲食店にある程度裁量があったものの「食事のできる者」とされていたのでやんわりお断りしたいところではありましたが、「子供用にスプーンとお皿を貸してください」と先手を打ちます。

私の経営する店舗では、Go To EATキャンペーンを使って、他にもお母さまとお食事ができるお子様がよくいらっしゃっていました。ハンバーグを分け合って食べたり、Go To EATで浮いたお金でお母さまが一杯だけワインを飲んだり、それはそれは楽しそうだったので、厳密な食事の内容や年齢確認などはせず、ある程度許容していました。

しかし、0歳児は飲食店の食事をとることはできません。(※0歳児であることは別のエピソードで判明していました。)したがって、スプーンとお皿が使われることはありません。ですが隣にはルールを守って子連れで来ていただいてるお客様がいる以上、強くは言えません。そのママはそうして来店を重ね、実質数百円で食事を続けていました。
おそらく別の店舗でも同様のことをしていたのではと思います。

そして、来店を重ねるうちにお店を私物化するようになります。自分のお気に入りの席が割り当てられなければ、あそこは私の席だ!とクレームを入れるようになります。
その席はベビーカーのお客様をよく通す広めの席で、よっぽど居心地がよかったのだと思います。要求が通らないと、最終的には、金銭の要求ともとれる話になっていきます。
そしてそれが通らないとわかると、次はまわりのお客様にクレームを入れだすようになりました。
ある日のディナータイム、周りの客がうるさい、子供に聞かせたくない話をしているとママはクレームを入れてきました。黙食など言われていたさなかです。マナーの悪いお客様はいなかったと聞きます。
そのママはご想像の通り、いつもマナーが悪く、食事が終わっても席に居座ったり、子供がぎゃん泣きしようともあやそうとすることも、席を立つこともしません。
それを見ていた従業員が「そういうことはお互い様ですから。」と言ってしまったことに腹を立て、今度は大きな声で、うるさい客がいるとコロナにかかると騒ぎ出したそうです。
なんとか店の外で話を聞くに至りましたが、コロナを心配するママは寒空の下、なぜか従業員の至近距離で、かけている眼鏡を真っ白に曇らせながらクレームを続けたそうです。それは1時間以上にわたったそうです。

報告を聞いた私は、そのママに出入り禁止とするメールを出しました。Go To EATキャンペーンの〆切間際ということもあって、ママは大量の予約を一晩でしていました。
グルメサイト経由ということもあり、グルメサイトへの低評価などの嫌がらせなども覚悟していましたが、驚くことに

「本当に申し訳ないことをした。もうしないので、店を利用させてほしい」

と丁寧なメールがあったのです。信じられませんが、お店のことは本当に気に入っていた様子。お店がとても素敵であることやお店への愛がつづられていました。驚くほど丁寧な文面に、今後このようなことはしないこと、もし同様のことがあったら即出禁となる旨を伝え、許すことにしました。

しかし、その重たすぎる愛を前にやはり悪い予感もしていました。

その後、1週間もせず、何食わぬ顔で来店。気に入りの席に座り、食事を終えたころ。予感は的中しママのクレームが始まりました。

しかし、たまたまオーナーの私が客として来店中であり、隣接の席に座っていました。そして私に「(0歳児)に聞かせたくない話をした」とクレームをつけることになったのです。
つい先日、もう二度とこのようなことはしない。と誓った相手にクレームをつけてしまうという、おもしろエピソードになったわけです。

即警察への連絡、一生出禁とさせていただきました。
今思えば、店への愛ゆえに、愛を捨てたママだったのかもしれません。
0歳児で日本語を完全理解するような、天才すぎるお子さんのママのお話でした。

最後に

皆さんもエリートクレーマーになってませんか?
私は従業員としてたまに店先に立つことがあります。後からこの店のオーナーですと伝えると、急に態度が変わるお客さまがいます。
思い込みや職業で人を見ていませんか?
ちょっとしたことで顔真っ赤になっていませんか?
もしかしたら、あなたもエリートクレーマーかもしれません。

人のふり見て我がふりなんとやら。
気を付けましょう。


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