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Here and now 今を生きる



こんにちは うさぎやです。
自閉症スペクトラムの息子と自身もADHDの母の凸凹な日々について書いています。




毎朝、日めくりカレンダーをめぐるのは、息子のお仕事。
家のお手伝いをして、家族の中で自分の役割を持つことが発達に良いと聞いていたから、何度か試したけどどれも続かなかった。

これまで試したお手伝いは、
・郵便受けをチェックする
・夕刊をお祖父ちゃんに届ける
・植木鉢に水やり
 などなど、息子にも出来そうな事をいくつか。

それで、今は日めくり係。
これも、毎日声掛けして、ようやくなんとか。
まだ7歳だし、お手伝いを毎日の習慣にするのは、なかなか難しいね。


日めくりは、お手伝いの習慣の役割りだけでなく、時間や日にちの感覚が育ったらなぁと思って、1年生になる年に始めた。あれから1年半ほど経つわけだけど、未だに時間の感覚はない。今、何時なのかも、今日が何曜日なのかも、分かってない。
もしかしたら、そんなことはさほど重要ではないのだろうかと、逆にこっちが考えさせられるほどだ。


こうした刹那的な在り方は、自閉症スペクトラムの特性のひとつらしく、息子は常に今を生きている。

時間の感覚について考えるといつも思い出すのは、佐々木正美先生の自閉症児のためのTEACCHハンドブックで出会ったHere and Now と言う言葉。この考えを知った時、息子にピッタリ当てはまると思わず笑ってしまった。


思いついたことは今すぐ実行したい性質で、
例えば、今すぐに工作で〇〇を作りたい!となっても、こちらの家事やらの都合でその場は我慢してもらい、手が空いてから誘うと、何のこと?といった風で、もう完全に興味は過ぎ去ってしまっている。
え?あんなに懇願してたのに⁈と、こちらは肩透かしをくらったような気持ちになる。


何か楽しみにすることがある時は、事前に知らせたいのだけど、知らせるタイミングには配慮が必要だ。あまり早くから知らせると、今すぐ実行に移したい気持ちが抑えられなくて、苦しむことになる。彼には突発的な出来事の対応も難しいけど、先のイベントを楽しみに待つということもまた難しい。 


うちでは息子にいつ予定を伝えるのかを明確に決めているわけではなく、その都度、何となく頃合いを見て…なので、たまに失敗して、息子のパニックを誘ってしまうこともあり、対応が難しいと感じることのひとつ。


それにしても、時間の感覚なしで暮らすのは、どんな感じなんだろう。
そのことで、不安が大きくなったりはしないのかな。いや、きっと不安だろうなぁ。私だったら… たまらなく不安なんじゃないかな。


私は、計画を立ててとか、時間管理とか、かなり苦手だけど、それでも自分なりに予定に合わせて体調や気持ちを整えたり、支度の段取りを考えたり… 
一応、時間で自分の行動や気持ちを整理しながら生活しているのに、何の目安もなく生きるって、本当に想像がつかない。


それは、途方もないことのような気がする。


この時間の概念の乏しさは、私が思っている以上に実は息子の日常のあれこれに難しさを与えているのかもしれないな。


何となく頃合いを見てではなく、ルールを考えてみよう。



でも、時間にとらわれず、今を生きる事をできるのもまた素敵なこと。日常の過ごしやすさを考えながらも、彼の刹那も大事にしないとね。

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